毛巣洞(もうそうどう)をほっとくとどうなる?自然治癒はするの?自分で膿を出すのはNG!

更新日:2023-01-17 | 公開日:2022-09-30
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毛巣洞(もうそうどう)をほっとくとどうなる?自然治癒はするの?自分で膿を出すのはNG!

毛巣洞(もうそうどう)ができた…。
放っておいたら自然に治る?

毛巣洞を放置したらどうなるか、お医者さんに聞きました。

自分で膿を出すことの危険性や、ガン化するリスクについても解説します。

監修者
経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任

毛巣洞をほっとくとどうなる?

医師女性

毛巣洞は、小さいものであれば、放っておいても自然治癒することがあります。
その場合、1~2週間程度で気にならなくなるでしょう。

「大きくなってきている」場合は放置NG!

医師女性
毛巣洞がだんだん大きくなっている場合は、症状が進行していると考えられるため、放置してはいけません。

症状が進行しているのに放置してしまうと、毛巣洞に膿がたまり、大きくなってしまいます。

特に、座った際に刺激になる部位にできている毛巣洞には注意が必要です。
放っておくことで腫れや痛みが強くなり、座ったり寝転んだりすることがつらくなってきます。

再発を繰り返し「ガン化」することも

医師女性

毛巣洞は、一度治っても同じような場所に繰り返し発症してしまうことも多いです。
繰り返し刺激を与えていることで、ガン化してしまうリスクもあります。

「毛巣洞」はこんな病気です

医師女性

おしりの毛の根元に細菌が入り込み、感染を起こして化膿を起こす病気です。
触ると「膿のしこり」を感じ、皮膚に穴が空いて見えます。

毛巣洞は、おしりの割れ目の上あたりにできることが多いですが、おしり全体脇の下などにできるケースもあります。

おしりは、衣類や座り姿勢による刺激が多いため、毛巣洞ができやすいです。
座っている時間が長い多毛の男性に多い病気ですが、女性に生じることもあります。

自分で膿を出すのはNG!

医師女性
毛巣洞の膿を自分で出すことは避けて、医療機関で治療を受けましょう
皮膚に穴が開いて、再び細菌感染を起こす可能性があります。

膿が出ている毛巣洞は、感染が進み、化膿も進んで膿が内部で増えている状態です。
膿を出すと一時的に楽になりますが、傷口がむき出しになっている状態なので、刺激によって痛みが出たり、傷跡が残りやすくなったりします。

オロナインなどの市販薬は使える?

塗り薬

医師女性

オロナインなどの抗生物質配合の市販薬を使用することも可能です。

ただし、

  • 使用して2日程度経ってもよくならない
  • 症状が悪くなっている

という場合は、すぐに使用をやめて医療機関で受診しましょう。

オロナインは殺菌効果があるので、皮膚表面を覆って症状を改善する効果があります。
ただし、症状が進行していて、すでにひどい炎症や化膿を起こしている場合は、市販薬ではよくならない場合もあります。

病院は、「皮膚科」または「形成外科」で受診するとよいでしょう。

皮膚科を探す

形成外科を探す

こんな症状が出ていたら、早めに病院へ!

  • 腫れて痛みがある
  • 痛くて座るのが苦痛
  • 触ると痛い
  • ズキズキして汗をかいたときや入浴時にしみる
  • 炎症が起きている(赤くなっている)
  • かゆみがある
  • 化膿している
  • 化膿はしていないが、水分が出てくる
医師女性
上記のような症状が出ている場合は、躊躇せずに「皮膚科」または「形成外科」を受診しましょう。

進行してしまうと、膿が出てきて皮膚の中にたまっていき、しこりが大きくなっていきます。
その後、自然に化膿部分が裂けて、皮膚に傷がつき、そこからまた細菌感染を起こす恐れがあります。

また、大きくなってから治療を受けようとすると、再発を防ぐために患部を全体的に切り取る手術が必要になることもあります。

医師に伝えるとよいこと

  • 毛巣洞らしきものがいつからできているか
  • 痛みの度合い・症状
  • 他に、同じようなものができている部分はあるか
  • セルケアで何かしたこと
医師女性
受診時に上記のことを医師に伝えると、診察がスムーズに進むと考えられます。

皮膚科を探す

形成外科を探す

どんな治療を受けるの?

医師

医師女性

毛巣洞の治療では、

  • 内服薬の使用
  • 手術(外科療法)

などが行われます。

毛巣洞の穴が小さく、膿もない場合は、切除せずに「内服治療」などで経過を見ることが可能です。

化膿が進み、大きくなっているものは、膿を取り出すために切開する必要があります。
ひどくなると、再発を防ぐために、毛巣洞全体を切り取る手術を行います。

入院が必要になることも

医師女性
大がかりな手術になる場合は、入院治療になります。

切開した際の傷が大きくなると閉じることができなくなり、植皮(皮膚の移植)などの入院を伴う大きな手術が必要になるためです。

どれくらいの期間で快方に向かう?

▼軽度の場合

症状が軽い場合は、数日で徐々によくなります。

 

▼手術した場合

症状が進行した状態で「手術した場合」は、1週間程度の入院(植皮したときは最低2週間)が必要です。

その後、経過観察などが行われ3~4週間で元の生活に戻れます。

費用はどれくらい?

医師女性

毛巣洞の治療費は、2、3千円〜数万円です。
入院した場合は、入院費用として、1日5千〜1万円程度かかります。

治療には、保険が適用されます。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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