脇の下に痛みが…しこりはないけど、大丈夫?病院は何科?医師監修

更新日:2022-08-31 | 公開日:2021-03-26
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脇の下に痛みが…しこりはないけど、大丈夫?病院は何科?医師監修

「脇の下が痛い…!」
「しこりはないけど、大丈夫?」

痛みの原因や何科を受診するべきかを、医師が解説します。
乳がんなど重い病気の可能性もあるので、要注意です。

監修者
経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任

脇の下が痛いけどしこりはない…これ大丈夫?

医師女性
生理前に痛みがではじめ生理と共に消失する場合は、あまり心配いらないケースが多いです。

脇の下の痛みは、女性ホルモンの影響によって生じることがあります。
乳腺が生理周期に合わせて発達すると、脇の下付近にある副乳(※)も一緒に発達するため、脇の下に痛みを感じることがあります。

※副乳…本来、消えるはずだった乳腺組織のなごりで、その多くは脇の下にあります。

こんな症状は要注意!

医師女性

しこりがない痛みでも

  • 症状が2週間以上続いている
  • 症状が日に日に悪化している
  • しこりや痛み以外の皮膚の症状が出ている

という場合は、乳がんなど病気の可能性があるので、一度医療機関で検査を受けましょう。

しこりがなくても、乳がん…?

脇の下にしこりがなく、痛みがあるだけでも乳がんの可能性はあるのでしょうか?
女性
医師女性
乳がんの可能性は、大いにあります。

乳がんで、脇の下が痛くなることはよくあります。
脇の下のリンパ節は乳房の近くにあるので、乳がんが転移しやすいのです。また、副乳にできる乳がんの可能性もあります。

実際、ご自身でしこりを確認できないケースでも、検査によって乳がんが発見されることがあります。

乳がんになりやすい体質

医師女性
40歳代後半〜60歳代後半になりやすい傾向にあります。乳がんは、女性が発症するがんの中で最も多いがんです。男性でも発症することはあります。

乳がん発症には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンも深く関与しています。
女性ホルモンのバランスが乱れやすい更年期の女性や、エストロゲンが多い人は注意が必要です。

  • 40歳代後半〜60歳代後半の女性
  • 体内のエストロゲンが多い人
  • エストロゲンを含む経口避妊薬を使用している人
  • 長期のホルモン補充療法を閉経後に受けている人
  • 自分の親や子どもで乳がんになった血縁者がいる人
  • 初潮年齢が低い人
  • 閉経年齢が高い人
  • 初産年齢が高い人
  • 出産経験や授乳経験がない人
  • 大量に飲酒する人
  • 運動不足な人
  • 閉経後に肥満になった人

乳がんの初期症状

乳がんの初期症状に当てはまる方は医療機関での検査をおすすめします。

  • 脇の下が腫れる
  • 脇の下が熱を持つ
  • 乳房にしこりができる
  • 乳頭からの分泌物が出る
  • 乳頭や乳輪の皮膚がただれる

乳がんの検査方法

医師女性
乳がんの検査方法は、「問診」と目で見て確認する「視診」、触って確認する「触診」をします。その後「マンモグラフィ(乳房X線検査)」「乳房超音波」を行うのが一般的です。

問診では「自覚症状」「月経・妊娠などに関する事項」「過去の検診の受診状況」「既往歴や家族の病歴」などを確認します。
検査結果が「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けてください。

検査時間は医療機関にもよりますが、来院して帰宅まで1~2時間ほどかかると考えておいてください。
予約制をとっている医療機関もあるので、事前確認をおすすめします。

乳がんの治療方法

乳がんの治療は「手術」「放射線治療」「薬物療法」の3つがあります。治療方法はがんの進行度・体の状態・年齢・本人の希望を考慮した上で、担当医と患者が一緒に選びます。

手術によって、がんを取りきる方法が一般的です。
手術後に病理検査を行い、その後の治療計画を検討していきます。
がんの状態によっては、手術の前にお薬を服用する薬物療法を行うケースもあります。

発見が遅れると命を落とす可能性も…

早めに医療機関を受診し、検査することで痛みの原因をつきとめることができます。
乳がんは転移しやすく発見が遅れると命を落とす可能性があります。
早期発見と治療が重要になるので、たかが脇の下の痛みだとは思わずに、体に不調がある場合は速やかに医療機関へ行きましょう。

\定期検診を受けましょう/
乳がんの早期発見のためにも、定期的な検診を受けましょう。
特に、40歳以上の女性は2年に1度、検診を受けることを強くおすすめします。
ほとんどの市町村では、検診費用の多くを公費で負担しているため、一部の自己負担のみで検診を受けることが可能です。

医療機関は何科に行けばいい?

医師女性
脇の下に痛みがあるときは、まずは皮膚科を受診しましょう。
乳がんを疑われる方は、乳腺外科でもかまいません。

皮膚科を探す

乳腺外科を探す

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