「右の脇腹がズキズキ痛い…」
「肋骨の下が痛い気がする…」
「呼吸をしたり、くしゃみをしたりすると痛い…」
原因は何?もしかしてストレス?病気?
右脇腹がズキズキと痛む症状の原因と対処法について、医師が詳しく解説します。
考えられる病気の可能性、病院を受診する場合は何科に行くべきかについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
右脇腹がズキズキ痛むのはなぜ?
右脇腹ズキズキ痛み…その原因は
- 筋肉痛
- ストレス
- ガス溜まり
- 便秘
- 咳のしすぎ
- 肉離れ
などが考えられます。
筋肉痛
急に運動をした、激しい運動をした、通常では使わない筋肉を使った等が原因で、筋肉を構成している繊維に傷が付く場合があります。
この傷付いた筋繊維を元通りにする工程で炎症反応が生じて、痛みを起こす原因となる物質が発生し、筋肉痛が起こると考えられています。
ストレス
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、何らかのストレスが掛かることで発症する場合があると考えらえています。
また、ストレスで暴飲暴食をして、膵臓や肝臓が炎症を起こす等の2次的な要因で脇腹が痛くなることもあります。
ガス溜まり
大腸の中がガスでいっぱいになっている(張っている)ことが原因で右脇腹に痛みが生じる場合があると考えられています。
便秘
長い期間便秘が続くと、右脇腹に痛みが生じる場合があります。
咳のしすぎ
咳のし過ぎで筋肉痛になったり、肋骨が骨折、またはヒビが入り、脇腹に痛みが生じることがあります。
肉離れ
運動(テニスやゴルフ等)した際に体をひねった場合や、重い物を運ぼうとして体のバランスを崩した場合等に、筋膜の炎症を起こし脇腹が痛む場合があります。
右脇腹がズキズキするときの対処法

まずは、安静にしましょう。
それに加えて
といった対処法があげられます。
お腹を温める
腹部を温めることで、消化管の平滑筋の緊張を緩和できる場合があります。
体勢を変える
- 膝を曲げて腹壁の緊張をほぐす態勢をとる
- 状態をやや前傾姿勢にする
内臓痛がある場合、上記のような体勢に変えることで痛みが緩和する場合があります。
食事の管理
- 胆石症の場合は、脂肪が多い食べ物を控える
- 結石予防のために水分を多めに摂る
- 食後に痛みが生じる場合は、食事量等の見直しをする
- アルコール摂取量を見直す
- 栄養バランスのとれた食事を心掛ける
上記を意識し、日々の食事内容を見直してみましょう。
特に消化のよいものを食べるようにして、脂っこいものを控え、内臓に負担をかけないようにしましょう。
ただしお腹の症状は急に悪化する場合もあるので、早めの医療機関受診を心がけてください。
「女性特有の原因」がある場合も

右の卵巣が働いているときに、人によっては右脇腹に痛みを感じることがあります。
また、卵巣や子宮の疾患が原因で右脇腹がズキズキと痛むことがあります。
女性の病気①卵管炎、卵巣炎
右側の卵巣に異常が生じた場合、右脇腹あたりの痛み、発熱、お腹が膨らむ等の症状が現れるケースが多いようです。
女性の病気②子宮筋腫
右脇腹や腰に張り感を伴う痛みが生じる、残尿感、生理が終わらない等の症状が現れます。
女性の病気③子宮内膜症
腹膜で炎症が生じると腫れが拡がり、その周りとの癒着を起こすため、脇腹や下腹部に痛みが生じます。
女性の病気④クラミジア感染症
クラミジア感染の場合、不正出血、下腹部痛、右脇腹周辺の痛み等が生じる場合があります。
右脇腹のズキズキとした痛みに加えて、上記の症状がある場合は、婦人科を受診しましょう。
婦人科を探す
「内蔵が原因」のズキズキ痛のケース
右脇腹がズキズキ痛む場合
の病気の可能性があります。
「胆のう・胆管」の病気
急性胆のう炎
- 右上腹部を押すと強い痛みが生じる
- 右脇腹の痛み
- 発熱
- 吐き気
- 嘔吐
- 黄疸 等
胆石症
- 右脇腹(右季肋部)からみぞおちあたりの差し込むような痛み
- 発熱
- 吐き気
- 嘔吐 等
(脂を多く使用している物を食べた後に痛みが起きやすい)
急性胆管炎
- 右脇腹あたりの痛み
- 右上腹部の痛み
- 発熱
- 吐き気
- 嘔吐
- 黄疸 等
胆のうがん
- みぞおち周辺の痛み
- 右脇腹の痛み
- 悪心
- 嘔吐
- 黄疸
- 体重低下 等
胆のう・胆管の疾患の症状がある場合は、外科や消化器内科を受診しましょう。
外科・消化器内科を探す
「腎臓」の病気
尿路結石
- できた結石が尿路を通るときに痛みが出る
- 吐き気
- 血尿 等
腎盂腎炎
- 発熱(高熱)
- 脇腹の痛み
- 腰痛
- 背中の痛み
- 吐き気
- 嘔吐
- 倦怠感
- 食欲不振
- 排尿痛
- 頻尿 等
尿路結石や腎盂腎炎の症状がある場合は、泌尿器科を受診しましょう。
泌尿器科を探す
「胃腸」の病気
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状がある場合は、消化器科や外科を受診しましょう。
消化器内科・外科を探す
「肝臓」の病気
ウイルス性肝炎
- 右脇腹(右季肋部)の痛み
- 発熱(高熱)
- 倦怠感
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振 等
アルコール性肝炎
- 右脇腹(右季肋部)の痛み
- 発熱
- 黄疸
- 肝臓圧痛
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振 等
肝がん
- 右脇腹の痛みや張り感
- みぞおち周辺の痛みや張り感
- 全身倦怠感
- 微熱 等
これらの症状が出るのは、病状が進行してからと考えられています。
肝臓疾患の症状がある場合は、消化器科を受診しましょう。
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「神経痛」のズキズキ痛のケース
肋間神経痛の症状がある場合は、整形外科を受診しましょう。
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「皮膚の病気」のズキズキ痛のケース
帯状疱疹
- 皮膚のピリピリするような痛み
- 水疱ができる(肋骨周囲や脇腹に発生する場合が多い)
帯状疱疹の症状がある場合は、皮膚科等を受診しましょう。
(発疹等の症状が出てから3日以内に受診する)
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上記以外の病気が疑われる場合も、初期段階では症状が無い場合もあるため、できるだけ早めに医療機関を受診するようにしてください。
まずは整形外科、または内科で診てもらいましょう。
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