公開日:2019-12-04 | 更新日:2021-12-03
子どもの耳垢の「正しい取り方」をお医者さんが解説!
耳垢栓塞等の「子どもの耳垢トラブル」の対処法や、耳鼻科で取ってもらうときの頻度や料金についても聞いたので、参考にしてくださいね。
子どもの耳垢の取り方

耳垢は、もともと無理に取る必要はありません。
耳垢は不要な角質で、押し上げられ出てきて自然に取れます。
しかし、中で取れてゴソゴソ音がすると気になりますので、子どもが気にしているようであれば取り除いても構いません。
耳垢の正しい取り方


綿棒をそっと入れて、やさしく取り除きます。
耳掃除の頻度は2週間〜月に1回、綿棒でふき取る程度にしましょう。
耳の入り口から1cmほどの見える範囲にある耳垢だけを取りましょう。
耳垢塞栓予防として、耳の形状上取りにくいものは耳鼻咽喉科で取り除いてもらうと良いでしょう。
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こんなやり方は絶対NG!


竹の耳かきや、金属の耳かきなどいろいろありますが、子どもにはこれらの硬い耳かきを使用して無理やり掻き出すのはおすすめできません。
子どもは皮膚も柔らかいので、無理にものを入れると傷をつけてしまう場合もあります。傷をつけると外耳炎などを発症する場合もあります。
ケース1.奥に入って取れない
子どもの耳垢が奥にはいってとれません・・・。


子どもが気にしていないようであれば、自然に出てくるため、 放っておいても大丈夫です。
しかし、子どもが気にしている場合、ママ・パパがどうしても取りたいのであれば、耳鼻咽喉科を受診して、医師に取り除いてもらいましょう。
ただし、耳かきによって耳垢を奥に押し込んでしまった場合、耳垢が溜まり、耳垢栓塞になる可能性があります。
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ケース2.大きい塊の耳垢がある
子どもの耳の中に大きい塊があります・・・。


こちらも、自然に出てくるため、 無理に取る必要はありません。
綿棒を使って取れなければ、耳鼻咽喉科の医師にとってもらいましょう。
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ケース3.子どもの耳垢が硬い
子どもの耳垢が硬くてとれません・・・。


お風呂上がりなど、耳の中が湿っているときに綿棒で取ってみましょう。
固まっているものを無理に剥がすと、皮膚を傷つける場合もあります。取れなければ、耳鼻咽喉科に相談しましょう。
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ケース4.子どもの耳垢が茶色い
子どもの耳垢が茶色くて心配です。何か病気の可能性はありますか?


かゆみや痛みがなければ、通常の耳垢と考えられます。
耳垢は、名の通り、垢なので皮膚からはがれて時間が経つと茶色っぽく変色する場合もあります。
茶色以外にも黒色や黄色っぽく変色します。これらは、耳垢に含まれる油分が酸化した色です。

子どもは皮脂分泌が多いので、黒い耳垢が取れることもあります。病気ではありません。
耳鼻科で取ってもらう場合

・ゴロゴロと耳の中で違和感がある
・閉塞感を感じる
といった場合は、一度診察を受け、取り除いてもらいましょう。
医師が専用の器具(耳垢鉗子や吸引管など)を使って取り除きます。耳垢が硬い場合は、水分や薬を塗ってから処置をします。
頻度の目安

月1回くらいを目安としましょう。
小さい頃は、耳垢がたまりやすいので、耳の中を見て気になったら取りに行く程度で大丈夫です。
料金は?

耳のトラブルとして診察を受けるので、保険適用となります。
保険証と医療証を提示すれば保護者の方の支払いは無料です。
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子どもの耳垢栓塞(せんそく)
子どもの耳垢トラブルで多いのが「耳垢栓塞(せんそく)」。耳垢がたまって、耳栓のようになっている状態です。
耳垢栓塞の原因

子どもは、耳垢が出る量も大人に比べて多いので、気がつくと溜まって耳垢栓塞となっている場合もあります。
耳垢が、耳の外耳道を塞いでいて、耳の聞こえが悪くなります。声をかけても反応しづらくなります。
自然に治る?

耳垢塞栓になった場合も、自然に出てきて取れれば問題ありません。
ただし、そうでない場合は耳鼻咽喉科で取り除いてもらう必要があります。
耳垢が塞がれるまでたまると、なかなか自然には取れない場合もあります。声に対して反応が鈍いと思ったら、耳鼻科を受診してください。
放置すると、難聴や外耳炎の原因になることもあります。
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耳垢栓塞の取り方

ママ・パパが綿棒でとっても取れない場合は、耳鼻咽喉科で取ってもらいましょう。
耳垢栓塞のようになってしまうと自分で取るのはなかなか難しくなります。
耳垢は、硬くなると取れにくくなり、無理に剥がすと皮膚を傷つける原因になります。
参考
公益財団法人 日本学校保健会 子どもの「げんき」をみんなで支えよう!学校保健 耳の健康
https://www.gakkohoken.jp/special/archives/145