子どものリンパの腫れ（熱なし・熱あり）大丈夫？要注意のケースも｜医師監修

子どものリンパの腫れ、大丈夫？

お医者さんが、子どものリンパの腫れの原因と対処法を解説。病院に行くべきケースもあります。
「何科にいくべき？」「深刻な病気の可能性もあるの？」といった質問も聞きました。

1.熱がないケース

熱がない場合は、

1. 反復性耳下腺炎
2. 悪性リンパ腫

などが代表的な原因として考えられます。

1.反復性耳下腺炎

耳の下にある唾液腺である耳下腺の片方もしくは両方が腫れます。ものを飲み込んだり、食べたりすると痛みを感じます。

発熱を伴う場合もありますが、高熱になることはほぼありません。周辺のリンパ節も腫れることもあります。

特定の原因はわかっていませんが、疲れやストレスなどで免疫が低下していることが考えられます。

対処法

無理に動かしたりせずに、安静にしましょう。
冷やすと痛みが楽になります。

2.悪性リンパ腫

悪性のリンパ腫は、腫れに痛みを感じることはありません。
数週間から数ヶ月かけて大きくなり、様々な場所に現れることがあります。

首回りのリンパ節やワキの下、足の付け根のリンパが腫れることが多いです。徐々に全身症状が現れます。

主な症状には、発熱・寝汗や食欲減退、体重減少などがあります。

対処法

早い発見と治療が最も必要です。
化学療法や放射線治療などで治療を進める必要があります。

しこりが1センチ以上に大きくなっている・しこりが増えている・しこりが硬いといった異常を感じたら、病院を受診しましょう。

2.熱があるケース

熱がある場合は、

1. 流行性耳下腺炎（おたふく風邪）
2. リンパ管炎
3. 風邪

などが代表的な原因として考えられます。

1.流行性耳下腺炎（おたふく風邪）

首にある耳下腺が、通常両方腫れます。特に冬～初夏の感染者が多いです。

耳下腺が大きく腫れ、話したり、飲んだり、食べたりするのが苦痛になります。

数日かけて、腫れは引いていきます。反応的にリンパ節が腫れることもあります。人にうつりますが、1度かかったら2度はかかりません。

対処法

おたふく風邪には、特効薬がないので対症療法が取られます。

発熱がつらい時は解熱剤を使用しましょう。耳下腺の腫れは、冷やしてあげると楽になります。食欲が出てきたら、喉ごしがよく、消化しやすいもの（ゼリー・スープ・おかゆなど）を食べさせて体力を戻しましょう。

発熱は、通常3日程度で治まりますが、それ以上続くときは合併症の可能性もあります。小児科を受診しましょう。

2.リンパ管炎

感染したリンパ管（手足・ワキの下・太ももの付け根など）に、赤い線がはっきりと現れます。

この線は、熱を帯びており、触れると痛みを感じる場合も有ります。発熱・頭痛・悪寒などの全身症状が同時に現れることもあります。

対処法

抗生物質の投与で早く良くなります。病院を受診しましょう。

症状が軽い場合は、安静にしていれば通常自然治癒します。

3.風邪

風邪の細菌やウイルスの進行を止めようとして、体にあるリンパ管が機能し、喉や脇の下のリンパ節が腫れることがあります。

対処法

安静にして、ゆっくり休暇を取らせましょう。

無理をしてしまうと、リンパの腫れや風邪症状がなかなかよくなりません。

注意！病院を受診した方がいいケース

・高熱でつらそう
・腫れが強い
という場合は、病院で解熱剤や腫れをひかせる治療薬を処方してもらえます。

また、痛みのないしこりを確認した場合は、医師の診察を受けて、悪性のしこりか、良性のしこりなのかを判断してもらいましょう。

悪性のしこりを放置すると治療が遅れ、手遅れとなる場合も有ります。

病院は何科？

小児科を受診しましょう。

小児科を探す

合わせて読みたい

子どもの首のしこり｜悪性じゃないか心配。動く・消えない場合は？病院は何科？

2020-05-07

子どもの首のしこり、これって大丈夫？お医者さんに「子どもの首のしこり」について聞きました。自然に治るものから、病院に行くべき悪性の...

続きを読む

合わせて読みたい

子どものリンパ節炎｜発熱やしこり。いつ治る？病院は何科？

2020-07-31

子どものリンパ節炎に、親はどう対処すべき？子どものリンパ節炎の症状の特徴や、なってしまう原因を聞きました。「いつ治る？」「病院は何...

続きを読む