関節リウマチにロキソニンテープは効くの？モーラスとの違いを解説！

関節や筋肉に痛みが生じ、病院を受診したとき処方される薬には、ロキソニンテープやモーラステープがあります。
これらは、痛み止めの成分を含む湿布です。効果や使用感には個人差があるので、自分に合ったタイプを選んで使うようにしましょう。

そのためには、使用する薬剤をよく知ることも大切です。
今回はリウマチ性疾患の中でもっとも患者数が多い関節リウマチと痛み止めテープについてご紹介します。

監修者

フェリシティークリニック名古屋
医学博士

河合 隆志先生

経歴

’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント＆アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋　開設

ロキソニンテープは、すぐに効果があるわけではない！

ロキソニンテープに含まれる成分は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されるロキソプロフェンナトリウム水和物です。
この非ステロイド性抗炎症薬は、痛みの原因となるプロスタグランジンの生成を抑制します。
炎症に伴う痛みの緩和、解熱の効果もあるため、関節の炎症や発熱、筋肉痛、外傷後の腫れ、変形性関節症の他、関節リウマチの治療に使うこともあります。

ですが、
注意してください。

ロキソニンテープを患部に貼ると、テープの成分が炎症を起こす原因物質（プロスタグランジン）を抑制して、炎症を和らげます。

しかし、
ロキソニンテープを貼っても、
すぐに効果が出るわけではありません。

個人差がありますが、

効果が出てくるのは2時間後で約25％、3時間後で約50％といわれています。

血中に浸透した成分の濃度がピークを迎えるのは貼付から約4時間後ですが、時間に応じた効果を実感できると思います。
ロキソニンテープの効果が持続するのは48時間ほどです。
また、貼付後12時間後に剝がしても、効果はさらに12時間継続するといわれています。

※ロキソニンテープを長時間貼ったままにしているとお肌を刺激し続けることにもなるため、かゆみや発疹、かぶれなどには十分注意する必要があります。

モーラステープとは

モーラステープの成分もロキソニンテープと同じで、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されるケトプロフェンです。
使い方もロキソニンテープと同じで、患部に貼ります。
モーラステープの成分が炎症を起こすプロスタグランジンの生成を抑制して、痛みや炎症を和らげます。
関節リウマチの治療では、健康保険の対象になる点も特徴です（ロキソニンテープは関節リウマチの適用薬としては厚労省に認められていません）。

モーラステープの種類

･モーラステープ･パップ
･モーラステープ 20mg
･モーラステープL 40mg
･モーラスパップ 30mg
･モーラスパップ 60mg
･モーラスパップXR 120mg
(上記以外にジェネリック医薬品もあります)

薄いシート状のテープ剤も水分が多く厚みのあるパップ剤も消炎鎮痛成分が含まれているので、痛みを和らげる作用があります。

テープ剤は粘着力が強いので剝がれにくいのが利点ですが、かぶれが生じやすいという欠点もあります。
パップ剤は水分を含んでいるのでひんやり感があり、かぶれの心配も少ないのですが、剝がれやすいところが難点です。

モーラステープを使うときの注意

モーラステープは外用薬で、局所に働く薬です。

全身に及ぼす副作用は少ないのですが、「光線過敏症」を起こすこともあります。
光線過敏症は別名「日光アレルギー」とも呼ばれています。
日光を浴びたときに、皮膚が赤くなる、かゆみを伴う発疹、水ぶくれ等の症状が出ます。

これは、モーラステープに含まれるケトプロフェンという成分が原因です。
ケトプロフェンと日光が反応して皮膚を過敏にさせ、アレルギー症状が生じると考えられています。

テープを剝がした後も薬剤が皮膚に残ることがあります。モーラステープの使用をやめてから数週間がたっているのに光線過敏症を発症することもあるのです。

患部はできるだけ日光に当てないように気をつけましょう。

テープまとめ

ロキソニンテープもモーラステープも関節リウマチの痛みを和らげるために使用することができます。

医療機関で処方されるのはほとんどが保険適用のモーラステープですが、市販のロキソニンテープを使っても患部の痛みや腫脹（しゅちょう）、発熱を抑えることができます。

効果効能や肌に合う、合わないは個人差があるので、使用中に何らかの異常を感じたら迷わず医師に相談しましょう。

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