【医師が解説!】メトホルミンの作用と効果、服用するときの注意点!

更新日:2022-08-12 | 公開日:2019-03-18
195

本サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。コンテンツ内で紹介した商品が購入されると売上の一部が還元されることがありますが、コンテンツは自主的な意思で作成しています。

【医師が解説!】メトホルミンの作用と効果、服用するときの注意点!

メトホルミンという薬をご存じですか? 糖尿病の飲み薬の一種です。糖尿病の飲み薬は、大きく次の3つに分けられます。 ① インスリンの抵抗を改善する薬 ② インスリンの分泌を促進させる薬 ③ 糖の吸収・排泄を(はいせつ)調節する薬 メトホルミンは、 ①の「体がインスリンに抵抗するのを改善する」薬です。では、さっそくメトホルミンの特徴をみてみましょう。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

メトホルミンの作用と効果

糖分が体に入ると、血糖値が上がり、インスリンが分泌されます。 このインスリンの働きで、臓器は糖を取り込み、エネルギーとして使います。 糖が放出されなかったり、ブドウ糖が吸収されなければ、血液中の糖が減り、インスリン分泌も抑えられます。 このように「糖が放出されない、ブドウ糖が吸収されない」ようにするのが、メトホルミンです。 メトホルミンは、主に肝臓で働き、糖を分解して、体内に糖を放出するのを抑制します。 さらに、食後の腸管での、ブドウ糖の吸収を妨げる働きがあります。 インスリン分泌の、増加をともなわないのが、特徴です。 インスリンは、脂肪を合成する働きもあるため、インスリンの増加を抑えることで、脂肪合成を抑え、さらに肥満を軽減させます。 メトホルミンは、特に肥満している場合に、良い適応とされています。

服用で注意すること

高齢者や肝障害・腎障害がある人がメトホルミンを服用すると、乳酸アシドーシス(※)を起こすことがありました。 そのため、日本では、処方が敬遠されていた時期も、ありました。 ※乳酸アシドーシス:乳酸が血液中に蓄積し、血液が酸性になること。致死率が高い 最近では、糖尿病治療の第一選択として、用いられることも多くなっています。 しかし、脱水や体調不良時には、かかりつけの先生を受診してください。

内科を探す

メトホルミンはどんな時に処方される?

1番に適応されるのは、「肥満」や「2型糖尿病(※)」です。 ※2型糖尿病:遺伝的な要因に加え、食べ過ぎ・運動不足など生活習慣が原因で発症した糖尿病。患者の95%が2型と言われる 「インスリンの分泌を促進させる薬」を服用しても、治療がうまくいかなかった場合は、原因がインスリン抵抗性の可能性もあるため、作用の違うメトホルミンが処方される場合が多いです。 インスリンの分泌を促進させる薬と組み合わせるのは、インスリンの感受性をよくし、分泌も促すため、相乗作用(※)が期待されているからです。 ※相乗作用:複数のクスリを組み合わせて服用したほうが、より効きめがあること ただし、低血糖のリスクもあるので、用量・用法を厳守しましょう。

メトホルミンの他にも、同じ作用の薬はある?

ピオグリタゾン

「ピオグリタゾン」という薬は、メトホルミンと作用が同じ「インスリンの抵抗を改善する薬」です。 2型糖尿病で、肥満、あるいは血中のインスリンの値が高い場合に、適応されます。 肥大化した脂肪細胞を、減少させる働きがあります。 インスリンの働きに抵抗する物質が分泌されると、血糖を下げることができなくなります。 そうならないように、インスリンが本来の働きを取り戻すようにする薬です。 メトホルミンと同じく、肝臓での糖の放出を抑え、血糖を下げます。

1型糖尿病に処方される場合って、どんなとき?

メトホルミンは、基本的には、2型糖尿病に適応しています。 しかし、米国糖尿病学会は、「メトホルミンは、糖尿病になる可能性が高い糖尿病予備軍、1型糖尿病(※)にも有益な効果がある」と発表しました。 ※1型糖尿病:リンパ球がインスリンを出す細胞を誤って壊してしまうなど、主に自己免疫で起こる糖尿病。小児期に多い メトホルミンには、乳酸アシドーシスなどの副作用はありますが、他の糖尿病薬のような、体重増加がないなど、メリットが大きいといえます。 次のような抑制効果も、研究で判明したようです。 ・心臓疾患の発症を抑える ・がん発症を抑える このようなメリットを加味し、1型糖尿病にも処方されると言えます。 糖尿病の薬は、メトホルミン以外にもたくさんあります。 症状・副作用などを見ながら、主治医・薬剤師と相談し、症状に合った薬を服用することが大切です。

【参考文献】 『エッセンシャル臨床栄養学 第5版』佐藤和人 本間健 小松龍史著 医歯薬出版社 『糖尿病療養指導ガイドブック2017』一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構編 株式会社メディカルレビュー社 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターHP 血糖値を下げる飲み薬 http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/100/020/02.html 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターHP ビグアナイド薬と乳酸アシドーシス http://dmic.ncgm.go.jp/medical/infomation/110/info_11.html 京都大学化学研究所 金久ラボラトリーズHP 医療用医薬品メトホルミン https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062885

無料で試せるストレスタイプ診断

スマホを触る女性

完璧主義や心配性など、あなたのタイプを簡単に診断!

日々のストレスに対処するスキルを身につけましょう

「Awarefy」のストレス診断
無料で受けてみる

※ストレスタイプ診断は無料ですが、結果を見るには無料のアカウント登録が必要です

\3000円相当のポイントプレゼント実施中/

メザニン

「メザニン」
まずは無料相談

\この記事は役に立ちましたか?/
役に立った! 195
※記事の内容は公開日時点の情報です。掲載後の状況により、内容に変更が生じる場合があります。
不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

修正箇所
メールアドレス
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
不正確な箇所についてのご指摘
※「上から2番目の画像が不鮮明」「最初の段落の◯◯という情報の追加を希望する」等、問題箇所についてご指摘いただけたら幸いです。

貴重なご意見をありがとうございます
Medicalookはよりお役にたつ情報をお伝えできるよう、ご意見を参考にサイトの改善を行って参ります。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
送信エラー
大変お手数ですが、ページを更新いただき、再度ご意見をご送信ください。
更新後も再び送信エラーが発生する場合は、 お問い合わせページ からご連絡いただけますと幸いです。

さやけん

関連キーワード

おすすめ記事
関連記事