更年期障害で「全く眠れない」どう対処すればいい?病院は何科?

更新日:2023-01-12 | 公開日:2022-05-30
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更年期障害で「全く眠れない」どう対処すればいい?病院は何科?

なぜ?更年期に全く眠れない…
どうすれば眠れるの?

「更年期に不眠になる原因」をお医者さんに聞いてみました。
不眠改善の対策・NG行動などを詳しく解説しますので、ぐっすり眠りたい方は必読です。

監修者
石野 博嗣 先生

石野医院

石野 博嗣先生

経歴

医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院

全く眠れない…原因は更年期障害?

医師男性
40代以降の女性の「夜に全く眠れない」という症状は、更年期障害が原因となっている疑いがあります。

この場合、女性ホルモンの減少に伴う症状、例えば

  • のぼせ
  • 発汗
  • 動悸

などが不眠のキッカケとなっているケースが多いです。

また、眠れない日が続くことで“不眠恐怖”が生じ、さらに悪化するケースもあります。

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更年期障害ってどんな症状が出るの? なりやすい人の特徴は? 更年期障害について、分かりやすくまとめました。 普段の生活で心がけたいポイントや、病院に行く目安も紹介します。 更年期障害とは 女性は40代頃から、卵巣から分泌される「女性ホルモン」が急激に減少します。 これに伴ってあらわれる、さまざまな心身の不調を総称して、更年期障害と呼びます。 更年期障害は何歳から始まる? 更年期とは、閉経前後の5年ずつを指します。 50歳前後での閉経が平均なので、ほとんどの女性が45~55歳で更年期を迎えます。 更年期障害はいつ終わる? 更年期障害が、いつ終わるかは断言できませんが、長くても10年ほどです。 更年期障害の症状をチェック のぼせ・顔のほてり(ホットフラッシュ) 息切れ・動悸 頭痛 めまい 不安を感じやすい、イライラしやすい など 上記の症状は、更年期障害の主な症状の一例です。 更年期の症状は多岐にわたるため、上記以外の症状があらわれる人もいます。 「更年期の症状が出やすい人」の特徴は? 以下、それぞれの項目ごとに2~3個ずつ当てはまる場合、更年期障害を発症しやすいと考えられています。 ▼睡眠 24時以降に眠り、10時以降に起床する日が週に3日以上ある 低血圧で、朝起きるのがつらい 夜中に目が覚めやすい 寝る前にスマートフォンやパソコンを使っている 浅い眠りしかとれず、熟睡感がない ▼食事 1日3食はとらない(よく欠食する) 食事の時間がバラバラ 食事量を過度に制限するなど「極端なダイエット」をしている 暴飲暴食している 好き嫌いがあり「偏った食生活」になっている ▼性格 人に比べて神経質 何事にも真面目 完璧主義 仕事などを頑張りすぎてしまう 怒りっぽく、些細なことでもイライラしやすい ▼その他 疲れやストレスが多い生活を送っている 休みが少なく、心身ともにリラックスできる時間がない 体が冷えやすい 運動する習慣がない 産後うつ・月経前症候群が重かった ※これらの症状に当てはまらない場合でも、更年期障害を発症する可能性はあります。 今からできる!更年期の症状を和らげる「5つの対策」 1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとる 1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる 週3~4日、有酸素運動を行う 入浴のときは「湯船に浸かる」 こまめにストレスを発散させる 更年期の症状を和らげるには、自律神経を整えておくことが大切です。 上記の点を意識して、生活習慣を見直していきましょう。 こんな症状があったら「婦人科」で相談を! 眠れないことで憂うつな気分が続く 強い不安感がある 食欲がなく、体重が減った 息切れ・動悸がする めまい・吐き気がする 激しい頭痛がある 上記のような症状が出ている方は、一度「婦人科」に相談してみましょう。 放置していると、症状が悪化して仕事に行けなくなるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあります。 また、更年期症状の影響により不眠が続くと、睡眠に対するこだわりが強くなり、眠れないことへの恐怖心から症状が慢性化する恐れもあります。 どんな検査を受けるの? 更年期症状で病院を受診した場合は、一般的に、 問診 身長・体重・血圧の測定 検査(血液・子宮・卵巣・甲状腺・心臓等の検査) を行い、患者さんの症状に合わせて治療が選択されます。 ※検査内容等は、受診する医療機関によって異なることがあります。 どんな治療法があるの? 治療法としては、エストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンを飲み薬・塗り薬・貼り薬で補う「ホルモン補充療法(HRT)」や、「漢方薬」を使った治療法があります。 うつ症状が強く表れているときは、抗うつ薬や抗不安剤などの「向精神薬」が処方されます。 ※飲み合わせの関係でホルモン補充療法や他の薬が使いにくい場合もあります。治療中の病気や飲んでいる薬は医師に伝えたうえで、薬を処方してもらいましょう。 ※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。 婦人科を探す

更年期だけじゃない!「うつ病」が隠れているケースも…

医師男性
更年期になるとメンタルも不安定になりやすいものですが、気分の落ち込みがひどい場合は「うつ病」も疑われます。

うつ病の症状チェック 

  • 抑うつ気分
  • 不安感
  • 涙もろくなる
  • 喜びや興味の喪失
  • 無気力、何事も億劫に感じる
  • 集中力の低下
  • 消えてしまいたいと思う

うつ病は不眠の症状を伴いやすく、自分を責める気持ちが強くなって日常生活を送るのがつらくなる方もいます。
放っておくと、状態が悪化して治療が長期化することもあるため、早めに受診するようにしましょう。
「うつ病かもしれない」と思うときは、精神科で相談することをおすすめします。

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ぐっすり眠るための「4つの生活ルール」

医師男性

更年期の不眠の症状は、自律神経を整えたり、日中に体を動かしたりすると改善されることがあります。

ぐっすりと眠るためにも、

  • 起床時間・就寝時間を毎日同じにする
  • 軽めの運動を毎日続ける
  • 就寝の2〜3時間前に入浴する
  • ストレスをこまめに発散する

などを意識して生活しましょう。

対策① 起床時間・就寝時間を毎日同じにする

医師男性

夜に眠れたかどうかにかかわらず、毎日の起床時間・就寝時間を一定にすることが大切です。

起床後はカーテンを開けて太陽の光を浴び、体内時計をリセットさせましょう。

前日眠れなかったからといって翌日に昼過ぎまで寝てしまうと、生活リズムが乱れて不眠が悪化しやすいです。

対策② 軽めの運動を毎日続けよう

医師男性
  • ウォーキング
  • ストレッチ

など、無理なく続けられる運動(有酸素運動)を毎日継続して行いましょう。

体が適度に疲労を感じることで、夜に眠りやすくなります。
前日の睡眠状態にかかわらず、日中はなるべく活動的に過ごし、夜に眠れるような状態を作りましょう。

対策③ 就寝の2〜3時間前に入浴する

医師男性

就寝時間の2〜3時間前に、38〜40度くらいの「ぬるめのお湯」に浸かりましょう。

入浴の際にアロマオイルを使用すると、リラックスしやすいのでおすすめです。

人は、体の深部の温度が下がるときに眠気を感じやすくなります。
2〜3時間前に入浴して一時的に体の温度を上げると、就寝時間に下がり始め、寝付きがよくなります。

対策④ ストレスをこまめに発散する

ストレスを発散方法の例 

  • 友人や家族とおしゃべりする
  • ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い運動をする
  • 熱中できる趣味の時間を作る
医師男性

自分に合ったリフレッシュの方法で、ストレスをこまめに発散しましょう。

ストレスを感じていると、寝ている間も体が緊張してしまい、眠れなくなることがあります。

眠れないときは…ベッドから出てみよう

医師男性

ベッド・布団で休む時間をあらかじめ決めておき、もし眠れなければ一度寝床を離れてみましょう。

眠れないのに我慢して無理に寝床にいると、不眠の症状が悪化することがわかっています。

寝床から離れたら、照明を暗くした部屋でリラックスして過ごしてみてください。
夜の時間のお供には「読書」をおすすめします。

スマホ・パソコン等は刺激になりやすいため、控えてください。
しばらく過ごしてウトウトしてきたら、再び寝床に戻りましょう。

これはダメ!睡眠を妨げるNG習慣

医師男性
  • 夕方以降にカフェインを摂取する
  • 寝る直前に夕食を食べる
  • 寝酒をする

といった習慣は、睡眠を浅くしやすいので避けましょう。

夕方以降は、カフェイン入りの飲みもの(コーヒー/紅茶/エナジードリンクなど)は控えましょう。

また、夕食の時間と就寝時間の間隔が短すぎると、食べたものを十分に消化できず、睡眠を妨げる要因となります。夕食は、寝る2~3時間前までに済ませるのが理想です。

寝酒もやめましょう。お酒を飲むとアルコールの代謝によって生じる「アセトアルデヒド」によって、睡眠の質が悪くなりやすいです。
「眠りにつきやすくするため…」とお酒を飲むのはおすすめできません。

セルフケアで改善しないときは、「婦人科」で相談を

医師男性

セルフケアで不眠が改善しないときは、「婦人科」で相談してみましょう。

更年期による不眠の症状は、病院で治療を受けると徐々に改善していくケースが多いです。

漢方薬

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

などの漢方薬を用いた治療法。
睡眠障害は心と体のバランスの乱れが原因で起こるケースが多いため、漢方薬の使用により症状改善が期待できると考えられている。

ホルモン補充療法

分泌が減少している「エストロゲン」を補充する治療法。
のぼせ・発汗ほてり等により睡眠障害が起きている場合に有効と考えられている。

プラセンタ注射

ヒトの胎盤から抽出した「プラセンタエキス」を注射する治療法。
プラセンタのもつ、ホルモンを調整する内分泌調整作用や、自律神経のバランスを調整する自律神経調整作用などが役立っていると考えられている。

プラセンタ純末エキス

1日1本を目安に、「プラセンタエキス」を服用する治療法。
プラセンタのもつ、ホルモンを調整する内分泌調整作用や、自律神経のバランスを調整する自律神経調整作用などが役立っていると考えられている。

エクオール

エストロゲンと似たような作用をもつ「大豆イソフラボン」をサプリメントとして摂取する治療法。

漢方薬を使った治療、ホルモン補充療法、プラセンタ注射(※条件有り)には、保険が適用されます。
「プラセンタ純末エキス」、「エクオール」は保険適用外です。

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