肺気胸の初期症状|息苦しさや肩・鎖骨周辺の違和感は要注意!病院は何科?

更新日:2022-08-31 | 公開日:2021-03-08
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肺気胸の初期症状|息苦しさや肩・鎖骨周辺の違和感は要注意!病院は何科?

胸が痛くて呼吸がしづらい…。
その異変は、肺気胸の初期症状かもしれません。

「どんな人に多いの?」
「病院は何科に行けばいい?」

お医者さんに詳しく聞いてみました。

監修者
荒牧 竜太郎 先生

荒牧内科
院長

荒牧 竜太郎先生

経歴

福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業

肺気胸の「初期症状」

肺気胸の初期段階では

  • 息苦しさ
  • 胸の痛み
  • 咳が出る
  • 肩・鎖骨周辺の違和感
  • 背中の痛み

といった症状が突然あらわれるケースが多いです。

医師男性
突然、発症した肺気胸を「特発性自然気胸」と呼び、多くの人がこちらに当てはまります。

軽度であれば、自然治癒することもあります。その場合は、穴が塞がるまで安静にします。

特発性自然肺気胸に「なりやすい人」

10代後半~30代の痩せ型で長身、胸板の薄い男性に多くみられます。

若い人に発症することが多いです。
40代以降で初めて発症する人はあまりみられません。
高齢者で発症する場合は、栄養状態が悪く、痩せている人にみられます。

特発性自然気胸の「原因」

医師男性
肺気胸で最も多い「特発性自然気胸」の原因はわかっていません。
突然、肺の先端の一部に穴が空き、空気が漏れます。

ダイビングなど気圧の変化が起こった時の他にも、ストレッチなど軽い運動中や安静時にも発症します。

ストレス・喫煙・遺伝的な要因も、発症に関係しているといわれています。

特発性自然気胸かも?病院いくべき?

医師男性
肺に違和感や胸の痛みがあり、特発性自然気胸の疑いがある場合は、早めに病院へ行きましょう。

小さい穴はすぐに閉じることが多いですが、大きくなると穴が塞がらずに、空気が漏れ続けることもあるため注意が必要です。

軽度の症状であれば、検査後は安静にして様子をみる程度で済むことも多いです。
ただし、症状が進むと、入院して胸腔ドナレージ(胸にたまったものをチューブで排出する治療)などを行なう必要があります。

まずは、呼吸器の専門医がいる病院(呼吸器内科・呼吸器外科など)を受診することをおすすめします。

早急に空気を抜き、肺を膨らませる処置や止血処置の必要性があります。肺気胸の症状が疑われる場合は、自己判断せずに早めに病院を受診しましょう。

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女性の場合は「月経随伴性気胸」かも

医師男性
月経随伴性気胸は、月経に伴って発症する、特殊なタイプの気胸です。

気胸を起こす女性は珍しいため、女性の患者の場合は月経随伴性の気胸が疑われます。
30~40代の女性にみられます。

子宮内膜の組織が肺や横隔膜にでき、月経の際に剥がれて脱落。その際に肺に穴があくことで起こります。

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「胸が痛いし、なんだか息苦しい…」 「女性も肺気胸になることがあるの?」 女性でも、男性と同じように気胸を起こすことがあります。特に女性の気胸は、月経随伴性気胸のおそれがあります。 この記事では、女性特有の気胸の原因について解説します。 女性でも「気胸」になることがある? 女性でも、婦人系の病気が原因で肺気胸を発症することがあります。 肺気胸は男性に多い病気のイメージがありますが、女性でも「子宮内膜症」という病気によって気胸になることがあります。 大丈夫?病院行くべき? 胸の痛みが微弱なときは、安静にして一旦様子を見てもいいでしょう。 胸の痛みだけがある場合は、気胸とは限らず心因性の一時的な症状の可能性があります。 ただし、胸の痛みが強く、息苦しさを感じる場合は要注意です。早めに病院受診をしましょう。 女性の「気胸」の症状チェック 女性特有の気胸の場合は、気胸の症状に加えて、次のような子宮内膜症の症状が出ることが多いです。 ▼気胸の症状 胸の痛み 息苦しさ   ▼子宮内膜症の症状 月経周期に合わせて、息苦しさがでてくる 生理の出血量が多い(ナプキンが1時間もたない) ひどい生理痛が強い 不正出血 性交痛 排便痛 腰痛 腹痛 複数の症状に当てはまる場合は、女性特有の気胸を発症している可能性があります。 気胸を疑う場合は早めに病院へ 生理のたびに、 息が苦しい 呼吸が浅くなる 胸が痛む 咳が出る といった症状がある場合も早い受診が必要です。 また、呼吸困難の症状がある場合は、早急に病院を受診してください。 気胸の症状を放置すると… 気胸が重症化すると命に関わることもあります。胸の痛みや息苦しさがある場合は、早めに病院へ行きましょう。 呼吸器内科を探す 他にも、「月経随伴性気胸」や「リンパ脈管筋腫症」のケースも 女性が発症する気胸には、月経随伴性気胸やリンパ脈管筋腫症(LAM)があります。 ① 月経随伴性気胸 本来、子宮だけにある子宮内膜という組織が、肺や横隔膜などにできることで発症する病気です。 月経時に子宮内膜が脱落するのと同じように、月経時に横隔膜や肺の内膜も脱落し、穴が空いて気胸を発症します。特殊な気胸で、根本的な原因は「子宮内膜症」です。 月経随伴性気胸になりやすい人 子宮内膜症を患っている人に発症することがあります。 30代から40代前半の女性に多いと言われています。 症状の特徴 月経周期に合わせて、気胸症状があらわれる(※) 右胸に症状を訴える人が多い ※生理開始3日前~5日後の期間に症状が出やすい 必ず病院へ! 月経随伴性気胸の疑いがある場合は、すみやかに受診しましょう。 早急に手術が必要になる場合があります。 胸痛などの症状には痛み止めなども使用できますが、あくまで一時的な対処法です。早めに病院を受診しましょう。 本来とは異なる場所にできた子宮内膜は治癒しない限り存在するので、何度も再発を繰り返します。 呼吸器内科または婦人科を受診しましょう。 呼吸器内科を探す 婦人科を探す ② リンパ脈管筋腫症(LAM) LAM細胞が、肺や腎臓、リンパ節などで増殖して、肺に気のう胞という空気の袋ができ、それが破れて気胸などを起こす病気と言われています。 リンパ脈管筋腫症は、妊娠可能な年齢の女性に発症すると言われている病気です。 LAM細胞という細胞が、体内の臓器などでゆっくりと増殖していく、難病指定の病気です。気胸のほかに、息苦しさや咳、ゼーゼーという呼吸などの症状があります。 リンパ脈管筋腫症(LAM)になりやすい人 30代の半ばの女性に多いと言われています。 また、結節性硬化症(※)を患っている方は、リンパ脈管筋腫症を合併することがあるため注意が必要です。 ※結節性硬化症…腎臓や肺など、体のさまざまなところに腫瘍を作る病気のこと 症状の特徴 息苦しさ 咳 ぜーぜーと音のする呼吸 痰、血痰 など 気胸は繰り返し発症することがあります。 また、乳びと言われるリンパ液が、胸部や腹部にたまることもあります。 必ず病院へ! 体を動かしたときの息切れや、ぜーぜーと音のする呼吸、繰り返す気胸などがあれば、リンパ脈管筋腫症の疑いが高いので、病院を受診しましょう。 自力でできる処置はありません。 自然治癒する病気ではないので、病院でしっかり治療しましょう 呼吸器内科または呼吸器外科を受診してください。 呼吸器内科を探す ▼参考 慶應義塾大学医学部呼吸器外科

「呼吸器の病気」や「ケガ」が原因のケースも

医師男性

それ以外にも、肺気胸には

  1. 続発性自然気胸
  2. 外傷性気胸
  3. 医原性気胸

などがあります。
これらは病気やケガなどが原因で発症する肺気胸です。

① 続発性自然気胸

医師男性
肺気腫や肺がんなど、肺の基礎疾患をきっかけに発症します。

喫煙との関係もあると報告されています。
60代以降の高齢者が発症しやすいです。

② 外傷性気胸

医師男性
交通事故などで肺に肋骨や鋭利なものが刺さったり、肺がダメージを受けたりすると発症します。

両方の肺に気胸が起こると、命を落とす可能性があります。

③ 医原性気胸

医師男性
医療行為によって引き起こされる気胸です。肺生検(※1)などの検査や、中心静脈カテーテル(※2)を挿入する時に起こることが多いと言われています。

※1肺生検…肺の病変部に検針を刺し、組織を採取する検査です。肺がんの検査などで用いられます。
※2中心静脈カテーテル…鎖骨や腕、太ももなどにある静脈から、心臓に流れ込む太い静脈(中心静脈)へ挿入する点滴用の細い管

肺気胸かも…病院は何科?

肺気胸 初期症状

医師男性
肺気胸が疑われる時は呼吸器外科、呼吸器内科、内科を受診してください。

まずは、呼吸器の専門医がいる病院を受診することをおすすめします。
※月経随伴性の気胸の場合は、婦人科と連携して治療を行います。

放置すると…「血管が切れる」恐れも

肺気胸を放置すると空気が大量に漏れ、肺がしぼみ、心臓が圧迫されて血圧が下がり、ショック状態になるケースがあります。
また、肺がしぼむ時に、血管が切れて出血することもあります。
早急に空気を抜き、肺を膨らませる処置や止血処置の必要性があります。肺気胸の症状が疑われる場合は、自己判断せずに早めに病院を受診しましょう。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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