もくじ
おたふく風邪は、冬から初夏ごろまでが感染が多い時期です。
大人にうつると重症化しやすい傾向があります。
「どういう感染ルートからうつるのか」「いつからいつまで感染するのか」をお医者さんに聞いてみました!
もくじ
おたふく風邪の感染ルートは「飛沫感染」と「接触感染」の2つです。
人にうつしてしまう期間は、耳下腺の腫れがでる数日前~腫れが引くまでです。
おたふく風邪の病原体はムンプスウイルス(mumps virus)です。このウイルスの潜伏期間は2~3週間。「おたふく風邪だ」と気がつく前から、ウイルスを排出しています。
▼おたふく風邪の経過(目安)
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症状 |
日数目安 |
潜伏期間 |
なし |
2~3週間程度 |
発症 |
耳の周り・あごの下・舌の周りなどに腫れ、高熱 女性:下腹部痛、吐き気、不正出血 男性:急激な精巣の痛み・腫れ・発熱・倦怠感 |
1~2週間程度 (発熱は2〜3日程度、痛みのピークは腫れが出てから数日間) |
回復 |
上記症状が少しずつ改善される |
おたふく風邪の原因のムンプスウイルスは感染力がとても高いです。免疫がない人は容易に感染します。そのためおたふく風邪から子どもを守れるのは、現在予防接種だけです。
また、おたふく風邪が流行る時期はマスクの着用・手洗い・うがいを行わせましょう。
これまで、おたふく風邪にかかっていないのであれば、予防接種を受けることが最善といわれる予防策です。過去に一度おたふく風邪にかかっている場合は、免疫ができているので、基本的には再びかかることはありません。
もし感染してしまった場合は、消化に良いものを食べ、自宅で安静に過ごしましょう。
基本的には、子どもが1歳を過ぎたら、予防接種を受けさせましょう。予防接種を受ければ、万が一発症しても軽い症状で済みます。
1回の予防接種では免疫がつかない場合があるので、2回接種を行ってください。日本では任意予防接種ですが、1歳以上であれば予防接種を受けられます。費用目安は5000円前後であることが多いです。(医療機関や為替の変動によっても異なります。)
おたふく風邪の予防接種はなぜ任意なの?
ワクチン接種後の無菌性髄膜炎等の問題があり、1993年に定期接種は中止されました。
ワクチンの副反応はあるものの、重篤な副反応の頻度は0.1%未満ですので、安全性は高いと考えて良いでしょう。
しかし、症状があきらかな患者のうち10%程度が髄膜炎を発症すると推定されているため、油断は禁物です。その他にも脳炎・難聴などの合併症も一定数あります。
女性の場合は卵巣炎・男性の場合は精巣炎を合併することもあります。すぐに回復した場合は問題ないこともありますが、悪化すると不妊につながることがあるので、注意が必要です。
▼卵巣炎の症状
下腹部痛・吐き気・不正出血など
→すぐに婦人科を受診してください。
▼精巣炎の症状
精巣の痛みや腫れ・発熱・倦怠感など
→すぐに泌尿器科を受診してください。
また、妊娠早期で感染すると流産することもありますから、大人になってからの感染は注意が必要です。
※稀に、免疫ができないと、再びかかる人もいます。
おたふく風邪の免疫ができているかどうかは、検査すればわかります。
おたふく風邪の免疫があるかどうか自分ではわからないという方は、医療機関で血液検査をして、抗体があるかを検査しましょう。
おたふく風邪と間違いやすい症状が出る病気に「反復性耳下線炎」があります。おたふく風邪にかかったことがある/予防接種をしたのにおたふく風邪のような症状が出ている場合、この病気であることが多いです。
▼「反復性耳下腺炎」の症状の特徴
※反復性耳下腺炎は、人から人にはうつりません。
自宅で安静に過ごしてください。お食事は消化の良いものを食べましょう。口を開けるのがつらい期間は、流動食がおすすめです。
スープ、プリン、ゼリー、お粥、うどんなどが良いでしょう。ただし、酸っぱい食べものは、唾液腺を刺激して痛みが出るので、避けてください。
このころには、熱も下がり、食欲も出ているはずです。それまでは安静に過ごしましょう。
危険な合併症を引き起こしている可能性がある症状として
などが挙げられます。
合併症として難聴・内耳炎・髄膜炎・睾丸炎・乳腺炎などを引き起こしている場合があります。特に難聴は治らない場合もあります。
これらの症状がある場合は、夜間でも救急で受診しましょう。