「妊娠初期も葉酸は必要？」摂取量は？いつまで飲む？とりすぎ注意ってホント？

「妊娠初期に葉酸が必要だって聞くけど、まだいいかな？」
という妊婦さんは必読です。

妊娠初期に「葉酸がどうして必要なの？」と管理栄養士さんに聞きました。

監修者

望月 理恵子

経歴

管理栄養士

1999年　東京家政学院短期大学　生活科学科　食物栄養学科　卒業　準学士
1999年　調剤薬局にて栄養カウンセリング
2001年　管理栄養士　取得
2005年　健康食品・化粧品の会社にて学術担当
2012年　株式会社 Luce 代表取締役

なぜ、葉酸は必要なの？

妊娠初期に葉酸はなぜ必要なんですか？

葉酸は、胎児の正常な発育に必須の栄養素だからです。

葉酸は、赤血球の形成や、細胞の分化に関わる栄養素です。妊娠を計画している女性や妊娠の可能性のある女性が葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害になるリスク低下に繋がります。

そのため、妊娠の1カ月以上前～妊娠 3 カ月までの間にしっかりと葉酸を摂ることが必要です。

まだお腹が大きくなっていないけど…必要？

お腹も大きくなっていないですが、それでも葉酸は必要なのでしょうか？

赤ちゃんの神経管は、妊娠してすぐの早い時期にできあがります。お腹が大きくなっていなくても、葉酸を摂るようにしましょう。

葉酸が不足すると、赤ちゃんが神経管閉鎖障害になるリスクが上がります。神経管閉鎖障害とは、無脳症・二分脊椎・髄膜瘤などの先天性異常のことで、妊娠して6週目ごろに発症します。脳や脊髄の働きに障害が起きる病気です。

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いつからいつまで必要？

特に「葉酸を摂ろう」と意識しておくべき期間を教えてください。

妊娠1ヶ月以上前から妊娠して3ヶ月までの期間は、神経管閉鎖障害のリスクを減らすために、食事にプラスしてサプリメントなどの健康食品からの積極的な葉酸摂取が推奨されています。

妊娠の1ヶ月以上前ということは、妊娠を計画している、もしくは妊娠の可能性がある場合も含まれます。

また、妊娠3ヶ月以降も、貧血の予防のためにも、日頃の食事から葉酸をとるように心がけましょう。

知っておこう！「葉酸には2タイプある」

葉酸には、
食事から摂取できる「ポリグルタミン酸型」とサプリ等から摂取できる「プテロイルモノグルタミン酸型」があります。

普段口にする食品に含まれるのは、「ポリグルタミン酸型の葉酸（食事性葉酸）」で、これが体内で消化されると、モノグルタミン酸型の葉酸となります。

「プテロイルモノグルタミン酸型の葉酸」とは、サプリメントなどに添加されている葉酸のことです。そのまま体内に吸収されるため、吸収率が高いのが特徴です。

妊娠初期は、食事で積極的に葉酸をとりつつ、＋αとしてサプリメントで葉酸を摂取することが推奨されています。

妊娠初期に必要な葉酸の摂取量

妊娠初期、葉酸はどれくらい必要になりますか？

妊娠3ヶ月までは、一日あたりの葉酸の推奨量は食事から一日240μg、それに加えサプリメントで400μgです。

葉酸は、ほうれん草や小松菜、海苔、とうもろこしなどに多く含まれています。

葉酸は水に溶けやすいビタミンのため、調理の際は炒める・揚げる方法がおすすめです。また、食材を大きめに切る方が栄養素が流れにくくなります。

ただし、240μgという推奨量を食事から摂ろうとした場合、例えば以下の食品であれば、こんなに食べなくてはいけません。

• ゆで枝豆…約92g
• 焼き豚コマ肉…8kg
• イチゴ…266g
• 調整豆乳…774g

葉酸ばかり気にして食べると、エネルギー過剰になったり、食べる量が多すぎて、他の栄養素が不十分になったりすることもあります。

妊娠初期に葉酸を食べ物だけで摂ることはお勧めできません。
厚生労働省が通達しているよう、サプリメントをとり入れることが勧められます。

サプリから葉酸をとるメリット

サプリメントから葉酸をとる大きなメリットは2つあります。

1つ目は、サプリメントは効率が良いことです。
サプリメントを活用することで、体の中でそのまま吸収されるプテロイルモノグルタミン酸型の葉酸を簡単に摂ることができます。400μgのプテロイルモノグルタミン酸型の葉酸を摂るには、通常の食事から摂取するポリグルタミン酸型葉酸(食事性葉酸)を800 μgもとらなくてはなりません。

2つめは、葉酸以外の栄養素を含むサプリメントであれば、妊娠期に必要なその他の栄養素（カルシウムや鉄　等）もいっしょに摂ることができるという点です。

※他の栄養素が過剰摂取にならないように注意は必要です。

「とりすぎもよくない」と聞いて心配

葉酸の過剰摂取もよくないと聞きました…。

サプリ等に含まれるプロテイルモノグルタミン酸の葉酸を1日で5mg以上摂った場合には、神経症状があらわれることがあります。

また、過剰摂取によってビタミンB12欠乏を見逃してしまうリスクもあります。

食事から摂るポリグルタミン酸型葉酸（食事性葉酸）の摂りすぎによる健康障害は現状では報告がありません。

ただし、サプリメントの摂り過ぎには注意が必要です。サプリの葉酸含有量を確認してから飲むとよいでしょう。特に他の葉酸を含むサプリメントなどを併用している場合は、摂りすぎないように気を付けましょう。

心配であれば、医師、薬剤師、管理栄養士に相談してみるとよいですよ。

葉酸だけじゃない！「鉄分」も不足しがち

葉酸以外にも鉄分が不足しやすいです。

鉄は、赤血球の血色素として、酸素や栄養素を運ぶうえで重要な役割を果たしているため、母体の健康維持や赤ちゃんの成長にとって必要な栄養素です。

赤ちゃんの成長、臍帯や胎盤のための鉄貯蔵、循環血液量が増えることによる赤血球量の増加から、妊娠中は鉄の必要量が多くなります。

鉄分が不足することによって、妊婦さんが貧血になってしまうだけでなく、赤ちゃんに酸素や栄養素が行き渡らず、成長を妨げることに繋がります。

サプリメントの選び方

過剰摂取を防ぐためにも含有量が書かれており、どれだけ摂ったか把握できるものを選びましょう。

含有量や成分がはっきりわからないもの、過剰な期待が書いてあるもの、明らかに安価すぎるものなど何か不安要素があるものは、避けた方が良いでしょう。また、飲みやすいものを形状を選ぶと良いです。

「お問い合わせ窓口」がある、信頼ができるサプリメントを選ぶことが大切です。

飲み方（タイミング）

また、サプリメントは薬とは違うので、飲むタイミングは決まっていません。
食後、寝る前など、「自分が忘れずに飲めるタイミング」を決めて摂るとよいですね。

※一日の目安量は商品によって異なりますので、表示を確認しましょう。

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