妊娠中、食べ物・飲み物によっては母体や胎児に悪影響を与えたりするものもあります。
そのため、絶対に食べてはいけないわけではありませんが、控えた方が安心な食べ物があります。
食べるのを控えた方が良いもの、飲まない方が良いものを、しっかり知っておきましょう。
妊婦のNG食品一覧
妊婦が食べるのを控えた方が良いもの、食べる量を制限される食べ物・飲み物の一覧はこちらです。
食べるのを控えた方がよいもの
生もの |
生魚、生肉、生卵、加熱していない貝類、明太子、魚介の寿司、生ハム、ナチュラルチーズ 等 |
アルコール飲料 |
ビール、日本酒、焼酎、ワイン、カクテル 等 |
食べる量を制限されるもの
水銀を多く含む魚 |
キダイ、マカジキ、ミナミマグロ、金目鯛、メカジキ 等 |
ビタミンAを多く含む食べ物 |
レバー、うなぎ 等 |
辛いもの |
キムチ、タバスコ、スパイス 等 |
加工肉・インスタント食品 |
ハム、ソーセージ、カップラーメン 等 |
海藻 |
昆布、わかめ、ひじき、ところてん 等 |
コーヒー |
コーヒー |
カフェインを含むお茶 |
烏龍茶・日本茶・紅茶 等 |
ハーブティー |
カモミールティー、ハトムギ茶 |
それぞれ、食べてはいけない理由と、摂取量について解説します。
妊婦が食べるのを控えた方がよいもの

妊婦が食べるのを控えた方がよいものの多くは、妊娠をしていなくても食べ過ぎに注意するべきものです。
生もの
(例)生魚、生肉、生卵、加熱していない貝類、明太子、寿司、生ハム、ナチュラルチーズ 等
加熱していない食品は、常に食中毒を発症するリスクがあります。
非妊娠時の体は、ある程度のウイルスや細菌に打ち勝つことができる免疫がありますが、妊娠していると免疫力が低下することが多くなります。
また、肉類の生食や加熱不十分なもの(馬刺、牛刺、鳥刺、レバ刺、レアのステーキやローストビーフ 等)、不十分な洗浄の生野菜、果物には、トキソプラズマという寄生虫がいる場合があります。
妊娠中にこのトキソプラズマが体内に入ると、低い確率ではありますが、胎児に感染し、流産や死産、または新生児の重篤な障害になる恐れがありますので、注意が必要です。
アルコール入り飲料
(例)ビール、日本酒、焼酎、ワイン、カクテル 等
アルコールは、胎盤を通して赤ちゃんに届きます。過度に飲酒すれば赤ちゃんの発達に影響しますので、妊娠中はできるだけ飲まないようにしましょう。
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妊婦が食べる量を制限されるもの
水銀を多く含む魚
(例)キダイ、マカジキ、ミナミマグロ、金目鯛、メカジキ 等
水銀は、魚の体内に残留しており、食べると私たちの体に取り込まれます。
妊娠していれば、胎児にも水銀が送られ、胎児の発達に影響を与えるとされています。
妊娠中に特に注意が必要な魚は、厚生労働省から発表されています。
1週間に、切り身の半分〜一切れ程度以内の摂取を呼びかけています。
ビタミンAを多く含む食べ物
(例)レバー、うなぎ 等
ビタミンAは、妊娠初期に摂りすぎると赤ちゃんの形態に異常を引き起こす場合があります。
辛いもの
(例)キムチ、タバスコ、スパイス 等
胃に負担がかかります。
胃痛で食べ物が取れなる・体調管理しなくてはいけなくなるなどのリスクがあります。摂りすぎには注意してください。
加工肉・インスタント食品
(例)ハム・ソーセージ、カップラーメン 等
食塩が多く使われているので食べすぎると高血圧症の原因になります。
(他の食品との兼ね合いもありますが)週3回以上カップラーメンのスープまで飲むといった場合は、食べ過ぎにあたると考えられます。
海藻類
(例)昆布、わかめ、ひじき、ところてん
特に昆布には、ヨウ素が多く含まれています。
ヨウ素は、過剰に摂取すると赤ちゃんの甲状腺機能の低下につながります。
もともと日本人はヨウ素の摂取量が諸外国に比べ多いので、妊娠中に積極的に毎日摂取するのは控えた方が良いですね。
<摂取量の目安>
摂取推奨量は240μg/日、耐容上限量は2,000μg/日です。
上記の含有量をご参考に、2,000μg/日を超えないようにするのが安心です。
<各食材のヨウ素量の目安>
昆布(乾燥)5cm角(5g) ヨウ素10,000μg
ひじき(乾燥)(5g) ヨウ素 2250μg
ところてん 1人前(100g)ヨウ素240μg
わかめ(水戻し) 1人前(10g)ヨウ素190μg
コーヒー
妊娠中は、WHO(世界保健機構)によると、妊婦の場合は300mg/日(コーヒー2杯程度)までにするように発信されています。眠る前に飲むのは避けて、上手に利用しましょう。
カフェインを含むお茶
(例)烏龍茶・日本茶・紅茶 等
いずれもカフェインが含まれています。
それぞれ1日2〜3杯程度までにしましょう。
<ワンポイント・アドバイス>
カフェインは、摂りすぎるとイライラする・疲れやすくなるというデメリットがあります。それらは、質の良い眠りが取れなくなり不眠となる原因です。
最近は「デカフェ」「ノンカフェイン」といって、カフェインが入っていないコーヒーも多くありますので、これらを活用するといいですね。
ハーブティー
例)カモミールティー、ハトムギ茶
子宮収縮作用のあるハトムギやカモミールも、少量なら大丈夫ですが、過度に取らない方が安心です。多くてもマグカップ2杯くらいの目処が安心です。購入前に注意書きを確認し、主治医にも確認をしてください。
<注意>
カモミールティーは、ジャーマンカモミールなら大丈夫ですが、ローマンカモミールは要注意です。
【妊娠初期】食べ物に関する注意点

免疫が低下しやすい時期ですので、生での摂取は控えましょう。
また、赤ちゃんの発育が著しい時期です。神経管の発育に必要な葉酸、貧血予防の鉄分などをしっかり摂取しましょう。
葉酸は、吸収率のよいサプリメントで摂取することが推奨されています。
妊娠中に避けるべき食べ物は避けて、母体と赤ちゃんの発育がスムーズになるようにしましょう。
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【妊娠中期】食べ物に関する注意点
つわりがおさまり、食欲が出てくるころです。
塩分の過剰摂取や、カロリー過多にも気を使いましょう。
妊娠初期同様に、生物は食べないようにして体調管理をしましょう。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を避けるためにも、食事の質や量にも気をつけてください。
<食事の質に気をつけよう!>
・薄味を意識する
・素材の風味を生かした料理にする
・新鮮な食材を使う
・油や調味料を使いすぎない
・同じ調理、同じ食材ばかりではなく、色々な食材、調理法で食事を楽しむ
【妊娠後期】食べ物に関する注意点
食事の量に気をつけていないと、一気に体重が増える時期です。
肥満は、難産や病気の原因となりますので、要注意です。
妊娠初期〜中期同様に、カロリーの摂りすぎを避け、生物は食べないようにして体調管理をしましょう。
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