急性胃腸炎の発熱|39度まで上がる!?どう対処する?ノロウイルスやロタウイルスかも

更新日:2022-08-12 | 公開日:2020-02-28
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急性胃腸炎の発熱|39度まで上がる!?どう対処する?ノロウイルスやロタウイルスかも

胃腸炎は、下痢や嘔吐などの症状に加えて、発熱を伴うこともあります。
発症すると、大人でもつらいものです。

胃腸炎の種類はたくさんありますが、熱はどのくらい上がって、また、何日くらい続くものなのでしょうか?

この記事では、胃腸炎による発熱について、医師に解説していただきました。
対処法についても伺いましたので、ぜひ参考にしてみてください。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

なぜ?胃腸炎で熱が出る原因

熱

医師男性
細菌やウイルス等の病原体が体の中に入ってきたことが原因で、発熱すると考えられています。

体の中に害がある異物が侵入してくると、それらを排除するために免疫機能が働いて体温を上昇させます。

熱はどれくらい上がる?

医師男性
37度くらいの微熱から39度の高熱まで、様々です。

発熱の程度は、感染しているウイルスや細菌等によって異なるケースが多いです。

高熱が出るときは…

 

39度以上の高熱が出る場合は、ロタウイルス、サルモネラ菌、カンピロバクターなどが原因として考えられます。

 

<感染経路>

  • ロタウイルス:汚染された水、二枚貝
  • サルモネラ菌:生肉(特に鶏肉)、加熱不足の卵等
  • カンピロバクター:生レバー、生の鶏肉、馬刺し等

発熱は、いつまで続く?

医師男性
1日で解熱するケースもあれば、2~3日ほど症状が続くケースもあるようです。

ただし、原因となるウイルスや細菌の種類、現れている症状により異なるため、一概には言えません。
39度以上の高熱が出ている場合は、平熱に戻るまで2~7日程度かかることが多いです。

熱が下がらない…なぜ?

細菌やウイルスを排除するために免疫機能が働いている状態です。

胃腸炎で発熱したときの「3つの対処法」

睡眠

医師男性

胃腸炎で熱が出ているときは、

  1.  こまめに水分を摂る
  2.  消化の良いものを食べる
  3.  十分に睡眠をとる

といった対処をおすすめします。

水分補給は、下痢や嘔吐による脱水症状を防ぐために大切です。
体内に吸収されやすい「経口保水液」や「スポーツドリンク」を常温で飲むと良いでしょう。

また、栄養をとってたっぷりと休息をとることで、感染症の改善が促されます。
胃腸に負担をかけると治りが遅くなるため、「うどん」「おかゆ」といった胃腸にやさしいものを食べてください。

こんな行動はNG!熱をぶり返すかも

 

体を冷やすと抵抗力が下がってしまいます。寝汗で服が湿っているときは、着替えてください。
また、無理して働くと、疲労によって熱をぶり返しやすくなります。
体調が優れないときはしっかりと休み、体を回復させましょう。

市販の解熱剤は使用しても良い?

医師男性
胃腸炎で発熱があるときは、市販の解熱剤の使用を控えましょう。

熱を上げ、細菌やウイルスを排除するために免疫機能が働いている状態ですので、解熱剤の服用により、症状が長引くリスクがあります。
胃腸炎の改善を早めたいのであれば、医療機関を受診し、症状に合った治療を受けることをおすすめします。

内科を探す

こんなときは病院へ

医師男性
次の症状がある場合、早急に病院を受診しましょう。

嘔吐、下痢が止まらない

  • 血便が出る
  • 脱水症状(水分が摂れない状態)
  • 意識低下
  • 38度以上の高熱が3日以上続く
  • 痙攣が続く(繰り返す)

脱水や意識低下など命の危険があります。

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「発熱を引き起こす」急性胃腸炎3タイプ

医師男性

発熱を引き起こす急性胃腸炎には、

  1. 感染性胃腸炎
  2. 細菌性胃腸炎
  3. 寄生虫

の3種類が考えられます。

それぞれの症状について解説します。

① 感染性胃腸炎

医師男性

ウイルスや細菌による感染性腸炎は

  • ノロウイルス
  • ロタウイルス
  • アデノウイルス

などの病原体が原因です。

ウイルスや細菌の感染により胃腸炎が起こります。
急な腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱等の症状が出現するのが特徴です。

<ノロウイルス>

 

  • 潜伏期間
    1~2日間
  • 主な感染源
    生ガキ(二枚貝)、井戸水等
  • 症状
    初期段階で嘔吐や下痢がひどい場合が多いが、2~3日経つと改善するケースが多いです。腹痛、発熱(微熱)を伴うケースもあり、年長児、成人に多く発症がみられます。
    また、子どもや高齢者は重症化する場合があるので特に注意が必要です。
  • 対処法
    体を暖かくし、安静にして過ごしましょう。
    嘔吐や吐き気が落ち着いたら、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ体に入れ、水分補給をしましょう。
    食欲が出てきたら、うどんやおかゆなど消化に良いものをとりましょう。

<ロタウイルス>

 

  • 潜伏期間
    1~3日
  • 主な感染源
    汚染された水、二枚貝
  • 症状
    初期段階で39度以上の高熱が出るケースがあります。
    嘔吐は、1~3日で止まるケースが多いですが、下痢だけは1週間程度続く場合があり、脱水を起こす恐れがあります。ロタウイルスに感染すると、便の色がレモンのような色になったり、重症化すると白っぽくなったりする場合があります。
    また、痙攣を起こす場合もあります。
  • 対処法
    体を暖かくし、安静にして過ごしましょう。
    嘔吐や吐き気が落ち着いたら、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ体に入れ、水分補給をしましょう。
    食欲が出てきたら、うどんやおかゆなど消化に良いものをとりましょう。

<アデノウイルス>

 

  • 潜伏期間
    3~10日
  • 主な感染源
    プール、汚れた手指やタオルの共有、呼吸器からの飛沫など
  • 症状
    嘔吐や発熱の症状は弱い場合が多いですが、腹痛や下痢の症状は強い傾向にあります。
    (熱が出たとしても高熱ではなく、38度くらいです)
    主な症状が下痢のみというケースもあります。
    症状が重症化するケースはあまりないですが、下痢症状だけは1週間ほど続く場合があります。
    2歳未満の子どもへの感染が多いです。
  • 対処法
    ロタウイルスへの抗ウイルス薬はありません。
    水分補給・栄養補給がメインとなります。下痢症状がありますが、回復が遅れる可能性があるので、おすすめしません。

② 細菌性胃腸炎

医師男性

細菌性胃腸炎には、

  • 病原性大腸菌
  • サルモネラ菌
  • カンピロバクター

などの病原体が考えられます。

細菌性胃腸炎の主な症状は、腹痛、下痢、血便等下腹部の症状です。
また、熱を伴うケースもあります。
感染性胃腸炎の主な原因はウイルス性ですが、ときに細菌感染が原因で発症するケースがあります。

<病原性大腸菌>

 

  • 潜伏期間
    12~72時間程度
  • 主な感染源
    食肉類・内臓肉等の生や加熱不十分なもの(牛肉などの生レバー、ユッケ、馬刺し、鶏肉など)
  • 症状
    主な症状は、腹痛、下痢、発熱、嘔吐です。
    腸管出血性大腸菌(O-157)の場合は、大腸菌がベロ毒素を作ることで大腸壁をただれさせて出血が起こります。
    激しい腹痛、血便等の症状が起こり、重症化する場合もあります。
  • 対処法
    体を暖かくし、安静にして過ごしましょう。
    嘔吐や吐き気が落ち着いたら、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ体に入れ、水分補給をしましょう。
    食欲が出てきたら、うどんやおかゆなど消化に良いものをとりましょう。

<サルモネラ菌>

 

  • 潜伏期間
    4~72時間程度
  • 主な感染源
    生肉(特に鶏肉)、加熱不足の卵等
  • 症状
    主な症状は、下腹部痛、血便を伴う下痢、嘔吐、37~40度の発熱(38度以上の場合が多い)です。
  • 対処法
    体を暖かくし、安静にして過ごしましょう。
    嘔吐や吐き気が落ち着いたら、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ体に入れ、水分補給をしましょう。
    食欲が出てきたら、うどんやおかゆなど消化に良いものをとりましょう。

<カンピロバクター>

  • 潜伏期間
    2~11日程度
  • 主な感染源
    生レバー、生の鶏肉、馬刺し等
  • 症状
    主な症状は、腹痛、血便を伴う下痢、37~39度の発熱です。
  • 対処法
    体を暖かくし、安静にして過ごしましょう。
    嘔吐や吐き気が落ち着いたら、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ体に入れ、水分補給をしましょう。
    食欲が出てきたら、うどんやおかゆなど消化に良いものをとりましょう。

カンピロバクターの治療には、マクロライド系の抗生物質等が有効な場合があります。

③ 寄生虫

医師男性

寄生虫には、

  • ランブル鞭毛虫
  • クリプトスポリジウム・パルパム

の2種類が考えられます。

<ランブル鞭毛虫>


腸内に寄生しているランブル鞭毛虫は、腸粘膜に侵入する寄生虫です。

  • 症状
    下痢、吐き気、嘔吐、倦怠感等を起こす場合があります(ジアルジア症)。
  • 潜伏期間
    経口摂取してから1〜3週間ほどです。
  • 感染源
    糞口感染ですが、汚染された食品(生野菜、生ジュースなど)や水、性行為などでも感染します。
  • 対処法
    ニトロイミダゾール系の薬剤を投与します。
    家庭内では二次感染を防ぐため、洗濯は別にしたり、熱湯をかけてから洗濯したり、入浴は最後にして湯船の水は捨てましょう。

<クリプトスポリジウム・パルパム>

 

  • 症状
    水溶性の下痢を起こして、吐き気、嘔吐、腹部痙攣、軽度の発熱を生じる場合があります。(クリプトスポリジウム症)
  • 潜伏期間
    摂取してから2〜10日ほどです。
  • 感染源
    糞口感染ですが、汚染された生の食品や水などで感染します。
  • 対処法
    特効薬がないため、対処療法を行います。
    家庭内では二次感染を防ぐため、洗濯は別にしたり、熱湯をかけてから洗濯したり、入浴は最後にして湯船の水は捨てましょう。

「胃腸炎以外の病気」の可能性も

医師男性

胃腸炎と似た症状に発熱が伴う場合は、

  • 虫垂炎(盲腸)
  • りんご病
  • プール熱
  • インフルエンザ

などの病気の可能性もあります。

虫垂炎(盲腸)

主な症状は激しい腹痛ですが、症状が進行すると下痢・嘔吐・発熱を伴う場合もあります。
虫垂炎と胃腸炎は症状がとても似ており、自己判断では区別がつかないこともあります。

痛みが右下腹部に移動していったり、痛みが強くなってきた場合は虫垂炎の可能性が高いです。
痛みよりも、嘔吐や激しい下痢などが症状としてある場合は胃腸炎の可能性が高いです。

りんご病

流行性発疹症で、頬や腕、足に多形性紅斑が出現する疾患です。
主な症状は、発熱・頭痛・筋肉痛・のどの痛み等ですが、下痢や嘔吐の症状が現れる場合もあります。皮膚の発疹、両頬がりんごのように赤くなることがあります。

プール熱(咽頭結膜熱)

アデノウイルスが原因で発症するプール熱の症状としては、吐き気・下痢・頭痛・高熱・のどが腫れる等が挙げられます。

胃腸炎であれば、喉が腫れるということはほとんどありません。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる感染症で、主な症状は、発熱・せき・鼻水・のどの痛みに加えて胃腸炎を起こす場合もあります。

インフルエンザの場合、発熱は4日以上続くことが多いですが、胃腸炎は3日ほどで落ち着きます。

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