「臭いと言われてる気がする」自己臭恐怖症とは。克服するにはどうすれば?

更新日:2023-01-13 | 公開日:2018-12-05
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「臭いと言われてる気がする」自己臭恐怖症とは。克服するにはどうすれば?

「周りから臭いと思われてるかも…」
「臭かったらどうしよう…」

自己臭恐怖症について、お医者さんに聞きました。
症状や治療法についても解説します。

監修者
丸井 友泰 先生


医学博士

丸井 友泰先生

経歴

2010年名古屋大学医学部卒。2018年同大学院博士課程修了。医学博士。
名古屋大学医学部付属病院精神科などを経て、現在は複数の企業と契約し、労働者の総合的な健康状態の向上を目指して、助言や指導、研修や衛生講話を通じた安全衛生教育などといった産業保健活動に取り組んでいる。
また、総合病院心療内科にも勤務し、がん患者の終末期医療も担当している。その他、Webマガジン「現代ビジネス」で、メンタルヘルスを主なテーマに、記事の執筆・監修を行っている。

「臭いと言われてる気がする」自己臭恐怖症とは

医師男性
自己臭恐怖症を発症すると、自分の体から嫌な臭いがしている気になり、「周りの人々に嫌われている」「避けられている」「不快感を与えている」などの悩みを抱えるようになります。

どちらかというと若い世代に発症することが多く、恐怖症の一つとも考えられます。

他人の何気ない行動が恐怖に

医師男性
他人の何気ない言葉や行動の原因を、自分の臭いによるものだと捉えてしまうのです。

自己臭症を発症すると、
「周囲の人が、咳払いをする」
「会話中に、顔を背けられる」
「目の前の人が鼻をすする」
などの他人の行動が過剰に気になり、恐怖を感じてしまいます。

自己臭恐怖症の症状

体臭

  • 実際に臭いを発しているわけではないのに、自分の口臭や体臭のせいで周囲の人から嫌がられているのではないかと妄想してしまう。
  • 周囲の人の行動(せきばらいをする・鼻をかむ・鼻をすする・鼻に手を当てるなど)に対して、自分の臭いのせいではないかと過剰に反応してしまう。
  • 周囲の人々の行動に対する恐怖心から、生活の質が低下していく。
  • 重症になると社会生活から逃避しようとする。
  • 人が密集する場所(教室・公共交通機関・エレベーターなど)に行くことや人との会話に大きな恐怖を感じてしまう。
  • 臭いを抑制しようとして、気になる部分を1日に何度も洗う。
  • 下着を頻繁に替える。
  • 消臭剤を過剰に使うといった強迫的行為がみられる。

「私は本当に臭い」と感じることも

医師男性
幻臭(※実際は存在しない臭いを感じること)を伴う場合もあります。

「うつ病」を併発することも

医師男性
自己臭恐怖症をきっかけに、うつ病を併発すると、継続的に気持ちが落ち込み、好きだったことも楽しめなくなってしまいます。

「完璧主義者」は発症しやすい可能性あり

体臭

医師男性
自己臭恐怖症は、完璧主義傾向の人がかかりやすいとも言われているため、カウンセリングや集団心理療法を行い、完璧主義傾向と上手に向き合えるように、サポートすることもあります。

病院は何科?

医師男性
自分の臭いが気になる方は、日常生活が困難になる陥る前に、精神科心療内科を受診し、相談しましょう。

自己臭恐怖症を発症すると、自分は周囲の人々から嫌がられる臭いを発していると強く思い込んでしまうため、自分の意思で精神科や心療内科を受診することは多くないようです。治療が難しいと言われてきた自己臭恐怖症ですが、根気よく治療を続ければ、通常の社会生活を送れるようになると期待されています。

心療内科を探す

どんな治療をするの?

体臭

医師男性
自己臭症の治療は、心理面へのアプローチが必要になります。
基本的には、面接による心理療法が行われます。

心理療法により、自分の体臭や口臭が原因で、周囲の人々に嫌われているのではないかという考えを修正していくのです。
人が密集する場所や、会話が必要な場面など、苦手な状況にあえて身を置き、恐怖心を徐々に取り除いていく暴露療法も、有効な場合があります。

お薬による治療を行うこともあります

医師男性
心理面だけが原因ではなく、セロトニンという脳内神経伝達物質の不足も、原因の一つとも考えられています。そのようなときは薬物療法を行う場合もあるでしょう。

薬物療法

  • セロトニン量を調節する抗うつ薬
  • 不安・緊張を緩和する抗不安薬

など

自己臭恐怖症の症状が進行すると引きこもりがちになり、日常生活および社会生活が困難になる場合もあります。自分の臭いが気になる方は、そのような状態に陥る前に、精神科や心療内科を受診し、相談しましょう。

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