【きれい好き】清潔すぎる環境で育つと、アレルギーになりやすい?

公開日:2018-12-27 | 更新日:2020-05-21
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【きれい好き】清潔すぎる環境で育つと、アレルギーになりやすい?

スーパーやドラッグストアでは、さまざまな除菌グッズが販売されています。
一部では、菌やウイルスを“全くないものにするのが正しい”という考え方が、増えています。
しかし、その一方で、年々アレルギー疾患が増えているのを、ご存じでしょうか?
清潔な空間で過ごしているはずなのに、アレルギー疾患を抱えている人が増えているのです。
実は、この清潔すぎる環境が、アレルギー疾患に関係しているともいわれています。

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監修者

荒牧 竜太郎 先生

荒牧内科
院長

荒牧 竜太郎先生

経歴

福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業

アレルギー疾患があるのは、2人に1人

平成28年2月に、厚生労働省で報告された「アレルギー疾患の現状等」には、次のようにあります。
「日本の全人口の約3人に1人がなんらかのアレルギー疾患に罹患(りかん)している」(平成17年
「日本の全人口の約2人に1人がなんらかのアレルギー疾患に罹患している」(平成23年
このように、アレルギー疾患者は、増加傾向にあります。


※「アレルギー疾患の現状等」(厚生労働省)( https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf )を加工して作成

清潔にしすぎると、アレルギーになる?

除菌していても、アレルギー疾患は増える

一般的に、不潔・汚い環境のほうが、病気になるリスクがあると思いますよね。
ここ数年、国内では、アレルギー疾患者数が増加傾向にあります。
では、それに合わせるように、汚い環境も増えているのでしょうか?
ドラッグストアではさまざまな除菌グッズが並び、「除菌」や「殺菌」の文字をよく目にします。
清潔になっているはずなのに、アレルギー患者数は増加傾向と、逆の結果が出ているのが現状です。

きれいにしすぎると、免疫力が育たない

アレルギーが発症するメカニズムは、まだまだ研究段階ですが、このように考えられています。
イギリスの疫学者ストラカンの仮説は、「乳幼児期の衛生環境によって、アレルギー体質になるかどうか、決定される」というものです。
除菌グッズが増え、きれいで、清潔な環境で過ごす今の子供たちにとって、清潔な環境は、アレルギーの発症を抑えているように見えます。
ところが、この清潔な環境にこそ、問題があったと言われています。
乳幼児期に、清潔な環境で過ごしていると、細菌・ウイルスに対する抵抗力・免疫力が十分に育ちません。
ひいては、それがアレルギーの発症に、大きく関係すると言われているからです。

症状は、軽度でも吐き気・頭痛など

アレルギーが原因で起こる病気を、アレルギー疾患といいます。

  • ぜんそく・気管支炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 花粉症
  • アレルギー性皮膚炎
  • じんましんなど

食物アレルギーによる症状も、アレルギー疾患に含まれます。
軽度のものから重度のものまで、さまざまな症状が現れます。

 軽度のもの

  • 皮膚の赤みやブツブツ
  • 鼻水・鼻づまり
  • くしゃみ
  • 目のかゆみ・充血・涙
  • 吐き気・嘔吐(おうと)
  • 便秘・下痢・血便・腹痛
  • 頭痛
  • 疲労感など

 重度のもの

  • 呼吸困難
  • 意識障害
  • 神経障害
  • アナフィラキシーショック

動物とふれあうと、免疫力がつく?

動物のフンに含まれている細菌が…

エンドトキシンは、細菌が作り出す物質で、以前は危険なものとされていました。
動物のふん便に多く含まれており、これがアレルギーと関係していると、考えられています。
エンドトキシンが、一度に、大量に体内に入ると、発熱します。

動物園で、免疫力をつける

幼児期に、細菌などを全く排除してしまい、影響を受けない環境にいる子供は、成長とともに、免疫力が形成されにくいと言われています。
このため、すべての細菌などを排除してしまうのはよくないと、考えられています。
例えば、動物園など、動物が多くいる場所に、小さいころから行っていると、ある程度の免疫力がつくとも考えられています。
小さいころから、動物と適度に触れ合うようにするのも、予防の方法です。

免疫力が育たないまま、成長すると…

発症原因は研究段階ですが、幼児期から、あれもこれもと清潔にしすぎると、免疫力が十分に育ちません。
その状態で成長すると、ちょっとしたことで過敏に反応してしまい、アレルギーを発症すると、考えられています。

きれい好きは、世界でもトップクラス

至るところで殺菌・除菌・抗菌

世界でも、日本の清潔さはトップクラスといわれています。
水資源が豊かでもあるので、シャワーやお風呂に入る頻度が高い国民性があります。
外食すれば、店員さんがアルコールスプレーを使って、テーブルを丁寧に噴き上げる光景を目にすることもあるでしょう。
公共施設やホテルなどでは、「抗菌マーク」を目にする機会も、多くなります。
このように、日本ではさまざまな場所で、殺菌・除菌・抗菌をしています。

きれいにするのが正しいとは限らない

殺菌・除菌・抗菌は食中毒を防ぎ、さまざまな感染症を予防できるのは事実です。
ただ、小さいころの育った環境によって、備わっていく免疫力が変わってきます。
予防接種は、少量の菌・ウイルスを体内に入れることで、実際に感染したときに大きな病気を引き起こさないように、免疫力を育てています。
必要以上に何もかも、殺菌・除菌・抗菌するのが、100%正しいとは言えないのです。

掃除は、やりすぎない・神経質にならない

簡単な掃除を、1日1回

1日に1回、サッと簡単な掃除で埃(ほこり)を落とし、整理整頓ができていれば、特に問題はありません。

  • 埃まみれの部屋で過ごす
  • 汚れた食器が山づみ
  • トイレ掃除ができず、汚れがこびりついていたりする

これらの環境は、清潔とはいえません。
しかし、1日に何度も掃除したり、汚れが残らないように、しっかりこすって、その都度除菌スプレーを吹きかけたり、1時間おきに掃除機をかけたりするのは、明らかにやりすぎです。

しっかりした掃除は、1週間に一度

家の中を掃除すれば、ある程度の時間がかかります。
毎日の掃除はサッと埃やゴミをとる程度で、1週間に一度、しっかり掃除するようにすれば十分でしょう。
次が、毎日の掃除の目安です。

  • 掃除機で埃をとる(最低でも週に一度は掃除機をかける)
  • 便器に汚れの付着がないか確認し、汚れを拭き取る
  • 週に1回は洗剤をつけて磨く
  • キッチンの生ごみは毎日処分し、排水溝の掃除は週に1回程度

目に見えない細菌・ウイルスから身を守るために、家の中は清潔にしておきたいと思うものです。
しかし、それがアレルギー疾患につながる恐れがあります。
ある程度の清潔さは大切ですが、必要以上に神経質になりすぎていないか、見直してみましょう。

【参考文献】
「アレルギー疾患の現状等」(厚生労働省)( https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf )を加工して作成

時事メディカル
https://medical.jiji.com/topics/245

『アレルギーの9割は腸で治る!』藤田紘一郎著(大和書房)

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