背中のしこり|病院は何科?痛い・痛くないのは大丈夫?医師監修

更新日:2021-11-02 | 公開日:2021-03-29
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背中のしこり|病院は何科?痛い・痛くないのは大丈夫?医師監修

背中にしこりができている…!
これは一体なに?大丈夫?

しこりができる原因を、お医者さんが解説します。
「自然に治るのか」「悪性の場合もあるのか」などの疑問にもお答えします。

監修者
経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任

よくある2つの原因

医師女性

背中にできたしこりは

  • 脂肪腫(しぼうしゅ)
  • 粉瘤(ふんりゅう)

の可能性が高いです。

原因① 脂肪腫

医師女性
脂肪を作る「脂肪細胞」が異常増殖することで、触ると硬いしこりが形成されます。
1つの場合もあれば、前腕部・体幹・首など体のあらゆる場所にできるケースもあります。

誰にでも発症する可能性があります。
発症原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝が関係していると言われています。

しこりの特徴

皮膚に異常はなく、滑らかで、やわらかいこぶのような見た目をしています。
押すと痛いことがあります。
しこりの大きさは数mm~10cm以上とさまざまですが、多くが7.5cm以内のものです。

脂肪腫は自然に治る?

脂肪腫が自然に小さくなったり、消えたりすることはありません。
特に体への害はないので、気にならない場合は治療しなくても大丈夫です。

放置するとどうなる?

脂肪腫が大きくなると周囲組織を圧迫して違和感・痛み・痺れを引き起こすケースがあります。その場合は医療機関での切除をおすすめします。

病院での治療法

「通常手術」「スクイージング手術」など、外科手術によってしこりを取り除きます。

通常手術

しこりの上を、しこりの直径と同じくらいの大きさに切開します。そして、しこりを包む膜を破らないように、周りの組織から剥がして取り出す方法です。

スクイージング手術

脂肪腫の剥離・摘出用の器具が入る程度の必要最小限の切開(1~3cm以下)で、しこりを取り出す方法です。

原因② 粉瘤

医師女性
皮膚の下に、袋状のできもの(嚢腫)ができ、通常は皮膚から剥がれ落ちるはずの角質や皮脂が、剥がれ落ちずに袋の中にたまってしまうことで、しこりが形成されます。

粉瘤は女性よりも男性が発症しやすいです。
できやすさには、生まれつきの体質が関係します。

しこりの特徴

しこりの中央に黒い点のような開口部がみられることが多く、強く押すと、臭くてドロドロとした物質が出ることがあります。

粉瘤は自然に治る?

医師女性
粉瘤は自然に消えたりしません。
粉瘤は、徐々に大きくなります。

市販薬や塗り薬もないので、医療機関での切開手術が一般的な治療法です。

放置するとどうなる?

医師女性
放置すると角質や皮脂がどんどん蓄積され、時間の経過とともに少しずつ大きくなり、破裂する恐れがあります。

しこりの中央の開口部から細菌が侵入すると、化膿するケースがあります。
膿がたまった場合、皮膚の表面を少し切り開いて、膿を出さなくてはいけなくなります。

病院での治療法

医師女性
「へそ抜き法」と呼ばれる切開手術で、膿を出すことが多いです。

へそ抜き法(くり抜き法)

皮膚の表面から円筒状のメスを刺し込み、表面の皮膚と一緒に袋状になったできものの一部分をくり抜く方法です。
くり抜いた後は、内容物をもみだしながら、袋自体も可能な限りかきだします。
手術後の傷跡は、最終的にはにきび痕程度のへこみになり、目立ちません。

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悪性腫瘍の可能性は?

医師女性
背中のしこりは「脂肪肉腫」といった、悪性腫瘍の可能性も考えられます。
放置すると、がん細胞がほかの組織に転移し、命に関わるため、早急な治療が必要です。

脂肪肉腫とは?

脂肪肉腫とは軟部肉腫の1つで、脂肪組織から発生した悪性腫瘍です。
放置すると腫瘍細胞が増殖し、他の臓器への転移のリスクが高まります。
治療を行えば、再発や転移は比較的少ないです。

悪性か良性かを見分けるには?

医師女性
ご自身で判断するのは難しく、大変危険です。
医療機関で検査を受け、原因を詳しく調べましょう。

一般的に悪性腫瘍は良性腫瘍に比べて、しこりの成長スピードが早く、硬い感触であると言われています。

気になるしこりは、早期受診を!

早めに医療機関を受診することで、症状の悪化を防ぐことができます。
悪性腫瘍だった場合、命を落とす可能性もあるので、しこりが大きくなったり、炎症を起こしたりする前に皮膚科へ相談しましょう。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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