布マスクにウイルスを防ぐ効果は？正しい付け方・外し方・洗い方も【医師監修】

「布マスクってウイルスを防ぐ効果はあるの？」

布マスクの正しい使い方解説します。
「どうやって洗うの？」「何回まで使える？」

清潔に使用して、ウイルス・細菌の感染から身を守りましょう。

受付予約できる病院を探す

監修者

荒牧内科
院長

荒牧 竜太郎先生

経歴

福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年　埼玉医科大学　卒業
平成10年　福岡大学病院　臨床研修
平成12年　福岡大学病院　呼吸器科入局
平成24年　荒牧内科開業

布マスクはウイルスを防ぐの？

布マスクは、ウイルスの侵入自体を防ぐ役割は兼ね備えていないと考えられています。

感染者のせきやくしゃみにより放出されたウイルスはとても小さいため、マスクの網目を通過してのどへと入り込む恐れがあります。

だからといって「布マスクをつける意味はない」というわけではありません。
「感染予防」の観点から見ると、様々なメリットがあります。

布マスクの本当の役割

布マスクには、主に3つの役割があります。

1.手と口や鼻の接触を防ぐ

マスク使用により、ウイルスが付いている可能性がある手で、口や鼻に触れる機会が減るため、接触による感染を防ぐために有効と考えられています。

2.感染者の飛沫の飛散を防ぐ

感染者がマスクを使用することで、周囲の人々への唾液の飛沫を防ぎ、ウイルスの拡散を防ぐ役割を果たしてくれると考えられています。

3.ノドを保湿してくれる

布マスクは保湿に有効と考えられているため、のどの乾燥の予防が期待できると考えられています。

布マスクの正しい使い方

1. まずは、マスクをつける前に手をきれいに洗います。
2.  鼻～アゴまで、できるだけ隙間ができないようにして覆うように装着しましょう。

注意！
一度装着した布マスクには触れないようにしましょう。

布マスクの「外し方」

1. 耳にかけているヒモ部分に指をかけます。
2. 片耳ずつ、そっとマスクを外しましょう。
3. マスクを外した後には手を洗います。

注意！
このとき、マスク表面には触れないようにしてください。マスク表面には、ウイルスが付着している可能性があります。

食事をするときの注意点

布マスク装着後に飲食する際は、マスクの耳紐の部分を指で外し、テーブルをウェットティッシュ等で清潔な状態にして、ティッシュを引いてから置くようにします。

こうすることで、マスクの内側を清潔に保てます。

やりがち！これはNG

マスク部分をアゴにもっていくことは避けましょう。

また、マスクに飲食物をこぼして濡らさないように注意しましょう。

布マスクは何回使えるの？

布マスクは、しっかり洗浄することで再利用が可能です。

＜交換の目安＞

• マスクの耳にかける紐が伸びた
• マスクの色が変わってきた
• 見た目に汚れが目立つ
• マスクをはめると隙間ができる

洗浄後何回使用できるかについては、各販売メーカーにより基準が異なります。使用する前に、製品に付いている取り扱い説明書などを確認してください。

再利用の注意

マスク消毒用のスプレーが販売されていますが、使ってもいいですか？

使っても大丈夫です。
ただし、1度使用した後に再利用する場合は、なるべく洗ってから再度使用することが推奨されています。

消毒用スプレーを使用する場合は、人体に悪影響がない成分であるかをしっかり確認してください。

マスクと口の間にガーゼやティッシュをあてて、ガーゼだけ取り替えて使用するのはOKですか？

あまりおすすめできません。
最低限、1日1回洗うようにしましょう。

ただし、どうしても洗う時間がとれない場合は、何枚か重ねたガーゼを布マスクの下に挟むことで、多少なりともマスクに汚れが付着することは防ぐことはできるでしょう。

NG！こんなつけ方では意味がない！

せっかく布マスクを付けていても、間違った付け方では、効果が大きく下がってしまいます。

次のことに気を付けましょう。

• 顔の大きさとマスクの大きさが合っていない
• マスクの紐が緩い
• 鼻を出した状態でマスクを装着している
• 顔とマスクの間に隙間が多い
• マスク装着後、マスクの表面を触る(マスクの位置を調整する際等)
• 飲食時にマスクをアゴにもっていく
• 一度外したマスクをカバンや衣類のポケットに入れてから再度使用する

布マスクの洗い方

布マスクは正しい手順で洗浄して、再利用しましょう。

洗い方の手順

1. 洗面器に衣料用洗剤と水を入れてよく溶かす
2. ①の中に使用したマスクを入れて10分間浸しておく
3. 10分後、優しく押し洗いする
4. 洗面器から水をゆっくり流す
5. また水を入れて、洗剤をすすぎ、水分をきる
6. 塩素系漂白剤に水を入れてよく溶かす
7. ⑥の中にマスクを10分間浸しておく
8. 10分後、洗面器の水をゆっくり流す
9. また水を入れてマスクを充分すすぎ洗いする（2回程度）

※マスクを洗うときはビニール手袋等を使用してください。
※マスクを洗った後は、手もしっかり洗いましょう。
※洗剤や漂白剤の使用方法は、それぞれの製品によって異なるために使用する製品の使用上の注意などを参考して使用してください。

干し方

洗ったマスクを、清潔な状態のタオルに挟み、よく水分をきってください。
その後、形を整えて日陰に干し、しっかり乾燥させましょう。

※湿度をある程度保った環境下で、紫外線に2分間程度当てることによりウイルスの活性化が抑えられるなどの報告もありますが、まだ確証的なデーターは出ておりません。

NG！こんな洗い方では意味がない！

洗剤を使用せず水洗いのみにすると、ウイルスや汚れが残る恐れがあるので、必ず衣料用洗剤を使いましょう。

また、もみ洗いをすると型崩れを起こして、装着の際に隙間が生じる可能性があります。

干すときのNG例

乾きがあまいとカビが発生する恐れがあるため、しっかり乾かしましょう。