茶色い乳歯は「虫歯？それとも着色汚れ？」放置するのは…｜歯科医監修

乳歯が茶色い…！
「これって虫歯？着色汚れ？」

乳歯が茶色くなるのはなぜか、歯医者さんが詳しく解説します。

茶色くなった乳歯を放置すると永久歯への影響も…！

この茶色いのは…「虫歯？それとも着色汚れ？」

虫歯は磨いても取れませんが着色汚れは、よく磨けば取れる場合もあります。
ただし、虫歯か着色汚れなのかは自宅で判断するのはなかなか難しいです。

虫歯という可能性もあるので放置は危険です。自己判断で虫歯が悪化するといけないので、まずは歯医者に行くことをおすすめします。

▼虫歯（歯の表面が溶けて、茶色に見える）

▼着色汚れ（歯の表面に茶色汚れがついている）

乳歯の虫歯は「白い」って聞いたけど…

「白い」虫歯は超初期の段階です。
虫歯菌が増殖して歯を溶かしていけば、虫歯は、茶色（グレー・黒い場合もあります）に変化します。

白い初期虫歯であれば、フッ素の塗布や歯磨きなどでケアできる場合もあります。
まずは、医師の診断が必要です。乳歯に白い部分を見つけたら歯科を受診しましょう。

“着色汚れ”は、どうすれば落ちる？

専用の歯磨き粉を使用するか、歯科でクリーニングを受ければ落とすことができます。

“虫歯”の場合は、どうすれば？

虫歯が進行しているため、歯医者での治療が必要です。できるだけ早く受診しましょう。

どんな治療をするの？

歯医者での治療は、茶色い部分を削り取り、薬を入れてカバーをかぶせれば完了です。
（ただし数回の通院による治療が必要です。）

この段階では、まだ痛みは感じていないことが多いので治療も負担ではないケースが多いです。

お家でできる虫歯ケアはある？

自宅では入念に歯磨きを行い、虫歯菌を減らすように努めましょう。

甘いおやつを減らす・食事をダラダラ食べないなども、虫歯の悪化を防ぐことに繋がります。

乳歯が「虫歯になりやすいタイミング」

乳歯が生え始めたタイミングは、歯が柔らかく虫歯菌に弱いため特に虫歯になりやすいと言えます。

虫歯はミルクしか飲んでいない赤ちゃんでもなります。
“乳歯が生えてきたらいつでも虫歯になる”可能性があると覚えておきましょう。

乳歯が「虫歯になりやすい場所」

特に、

• 前歯の裏
• 前歯の隙間
• 奥歯の隙間

が虫歯になりやすい場所です。

それぞれ詳しく解説していきます。

乳歯が虫歯になりやすい場所「前歯の裏」

前歯の裏は、離乳食を始めていなくとも、母乳や哺乳瓶を含んでいれば、ミルクが残りやすく、虫歯になりやすい場所です。

また、母乳やミルクを飲んだまま眠ってしまうことも前歯の裏に虫歯ができる原因になります。

乳歯が虫歯になりやすい場所「前歯の隙間」

前歯の隙間は、ミルクが残りやすく、離乳食やおやつも前歯で噛むことが多いので、虫歯になりやすい場所です。

歯と歯の隙間なので、上手く歯磨きができないことも虫歯ができる原因になります。

乳歯が虫歯になりやすい場所「奥歯の隙間」（※もしあれば）

奥歯の隙間は、見えにくく歯も小さいため、磨き残しができやすく虫歯になりやすい場所です。

乳歯の虫歯の進行レベル

虫歯の進行レベルは、

• C0：初期の虫歯
• C1：エナメル質（表面）の虫歯
• C2：象牙質（内側）の虫歯
• C3：神経まで進行した虫歯
• C4：歯全体まで進行した虫歯

の5段階に分けされることが多いです。

5段階の進行レベルごとの症状を詳しく解説します。

C0：初期の虫歯

歯の表面が濁りザラつきが出てくる段階で虫歯の穴はありません。

歯医者でのフッ素の塗布・ブラッシングケアでよくなる場合があります。

歯医者さんに相談し、フッ素の塗布・ブラッシング指導を受けましょう。

C1：エナメル質（表面）の虫歯

歯の表面のエナメル質に虫歯が進行して、穴が空いてきて、小さな茶色や黒色の点々などが確認できるようになります。

歯医者での治療が必要です。

歯医者を受診し、適切な治療を判断してもらいましょう。

C2：象牙質（内側）の虫歯

象牙質にまで虫歯が進行して、食べ物・飲み物によってはしみる感じがします。歯医者での治療が必要です。

できるだけ早く歯医者を受診し、治療を受けましょう。

C3：神経まで進行舌虫歯

神経の近くにまで虫歯が進行していて、炎症が起きて痛みを感じます。すぐに治療が必要です。

放置すれば痛みは強くなり、神経まで虫歯菌が進行してしまいます。
早急に歯医者を受診しましょう。

C4：歯全体まで進行した虫歯

歯全体が虫歯になり、根っこの部分に膿が溜るようになります。根まで進行していると歯を残すのは難しく、抜歯が必要になります。

放置すれば、周りの歯にも虫歯が移りそちらも治療が必要になります。
早急に歯医者を受診しましょう。

乳歯の虫歯は「進行が速い！」

乳歯は脆く、弱いためその分虫歯の進行が早いです。乳歯の厚さは永久歯の半分ほどなので進行も永久歯の２倍の速さで進むと言えます。

乳歯の虫歯なら「放置してもいいのでは？」

乳歯の虫歯は、根っこを伝わって下で作られている永久歯にも影響します。放置はNGです。

乳歯がひどい虫歯だと永久歯は、発育不全を起こし茶色く変色してしまうことがあります。一生物の永久歯が悪影響を受けるリスクが上がるので乳歯の虫歯は放置しないでください。

こんな茶色い歯を見つけたら「歯医者さんに相談を！」

“歯磨きをしても取れない”茶色い歯を見つけたら歯医者を受診して相談しましょう。

虫歯は、治療が早ければ治療自体の痛みはあまりありません。進行すれば、炎症の痛みや治療自体も麻酔が必要になり、子どもへの負担も大きくなります。

乳歯の茶色い虫歯「どんな治療をするの？」

虫歯の部分を削って、その後、薬などを詰めてカバーをする治療を行います。

また、お家では丁寧な歯磨きを行い、子ども向けのキシリトール配合のガムや飴があるので活用してみるのもおすすめです。
キシリトールは、歯の再石灰化を促してくれるので初期虫歯をなくせる場合もあります。

仕上げ磨きはママ・パパが行い、虫歯や歯並びの異常を見つけ、早期治療が受けられるようにしましょう。

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