妊婦の手足口病｜胎児への影響がないか心配…。 治療は？妊婦検診は？

「大人なのに、手足口病に感染…？」
「妊婦中だけど、お腹の赤ちゃんは大丈夫…？」

妊婦さんが手足口病になった場合、どう対処すればいいのか、お医者さんに聞きました。

大人の手足口病は、自然に治るの？それとも病院へ行った方がいい？
「妊婦検診は行ってもいい？」という質問についても答えます。

内科を探す

監修者

ルサンククリニック銀座院

長谷川 佳子 先生

経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院　形成外科、藤沢湘南台病院　形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター　形成外科
を経て横浜栄共済病院　形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任

形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
学会、大学病院、研究施設などへのアプローチ発表など、常に手を尽くして研究を行っている。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。

大人にも手足口病はうつる？

大人にも手足口病はうつります。
手足口病のウイルスは何種類もあるので、一度感染してもまた感染します。

しかし、大人はそれまでに何度もこれらのウイルスに感染しています。大人になってからも発症する人はあまりいません。ただし子どもから大人に感染する事例は多いです。

感染したら…胎児への影響は？

妊娠中に手足口病に感染しても、手足口病そのものが胎児に影響を及ぼすことはないと現在考えられています。

手足口病自体が、胎児に影響を与えることはほぼないと考えられますが、手足口病は、大人が感染すると高熱や全身症状（喉の腫れ・倦怠感・関節痛・発疹・水疱など）が子どもよりも強く出ることがあります。

高熱が何日も続くと、胎児に影響が出る場合があり、早産や流産に繋がることもあります。また、妊婦の場合は、使用できる薬が限られるので、できれば感染は避けたいところです。

感染した！どうすればいい？

妊婦ですが、手足口病の症状がでています。
どう対処すればいいでしょうか？

手足口病には、特効薬がありません。
重症化しないように、早めに病院に行って対症療法を受けましょう。

早く治すためにできること

安静にして、ゆっくり休みましょう。

消化がよく栄養価の高い食事（卵や野菜入りのスープやおじやなど）を食べ、しっかり眠る必要があります。

無理して動くと、発熱や発疹などの症状が悪化する事もあるので注意が必要です。

手足口病は、自然治癒する？

基本的に手足口病は、自然治癒するものです。

発熱・発疹・倦怠感などの症状がほぼなく、体につらさがなければ早く快方に向かうでしょう。

こんな症状は病院を受診！

• 高熱（40度以上の熱が2日以上下がらない）
• 水分補給ができなくなり、脱水気味
• 意識障害がある
• 発疹がつらい（かゆい・痛い）
• 呼吸が苦しい（ゼーゼー呼吸）

といったつらい症状があるときは、自然治癒を待たずに早めに治療を受けましょう。

何科を受診すればいい？

まずは、かかりつけの産婦人科に連絡を入れ、指示を仰ぎましょう。他の妊婦さんにうつさないよう、診察する部屋などを分けることもあります。

または、他の内科で治療を受けることもできます。
内科を受診する場合は、妊娠していることを必ず伝えましょう。

内科を探す

妊婦検診には行ってもいい？

手足口病にかかっても、妊婦検診には行ってもいいですか？

他の妊婦さんにうつしてしまうので、検診は日をずらして、体調が戻ってから受けましょう。

症状が治まってから、病院へ事前に伝え了承を得ましょう。念の為マスクを着用して受診してください。

家族にうつさないためにできること

マスクの着用と手洗い・うがいをしっかり行います。

お風呂は入ってもいい？

症状が重い場合は、入浴は避けましょう。

できれば家族との入浴は避けましょう。水疱が潰れてウイルスが飛び散り、家族に感染することもあります。また、入浴は至近距離になるので、感染リスクはあります。また、タオルの共有は避けましょう。