公開日:2020-08-04 | 更新日:2021-04-16
「立ち上がると痛い…」
「赤ちゃんのお世話をするとき、膝が痛い…」
産後のつらい“膝の痛み”にどう対処したらいいのか、お医者さんに聞きました。
産後の膝の痛みの「原因」

妊娠・出産により、「体」や「生活習慣」が変わったのが膝痛の原因と考えられます。
一概には言えませんが、妊娠をするとお腹が大きくなるに従って、運動量が減り、足の筋肉も落ちてしまう人が多くいます。
また、出産すると赤ちゃんを抱いたり、寝かせたりする動作が増え、膝関節に負担がかかります。
また、妊娠によって体重が大きく増加してしまうと、出産後動くようになった際に膝に負担がかかり、膝の痛みを発症する場合もあります。
痛みを「やわらる方法」

まずは、安静にしてください。
「腫れ」や「熱」を感じる場合は、冷やしてあげるとよくなります。
産後、運動が急激に増えたことによって、痛みが出ていることが多いです。
冷やして症状が良くなったら、その後はゆっくり温かいお湯に浸かり、膝を温めるようにします。血行が良くなると老廃物も取り除かれ、関節もほぐれて膝が動かしやすくなります。
こんな対処はNG!

痛みや熱感があるときに、無理やり動かすのは悪化する原因になります。
また、あまり冷やしすぎると関節が固まり動かしにくくなるので、冷やすのは腫れや熱感が取れるまでにしてください。
ストレッチなどの「改善対策」
改善対策①「太もも伸ばし」
- 壁に片手をついて立つ
- 片方の膝を曲げ、つま先を掴む
- つま先をおしり側に引き寄せて、太ももの前側を伸ばす
- 息を吐きながら30秒程度キープ
1日に左右2~3セットを目安に行いましょう。
改善対策②「すね&ふくらはぎ伸ばし」
- 座って、両足を伸ばす
- つま先を伸ばし、すねを伸ばす(ゆっくり)
- つま先を手前に戻して、ふくらはぎを伸ばす
1日に10回を目安に行いましょう。無理のない範囲で回数を徐々に増やしましょう。
膝が痛くなったら…「腰痛対策」もはじめよう
膝が痛くなると、それをかばうように姿勢が悪くなります。
体を支える腰を守るように立つ、しゃがむという動作を身につけると、膝にも負担がかかりにくくなります。
<しゃがむときは…>
前かがみになるのはNG!
上体を起こし、下腹部と仙骨と床がまっすぐ垂直になるようにしましょう。
<立ち上がるときは…>
膝に手を置いて腕の力を利用するのはNG!
上体を起こしたまま立ち上がりましょう。
こんなときは病院へ!


・自分で処置をしても痛みが毎日続いている
・日々、痛みが強くなっている
といった場合は、早めに病院を受診しましょう。
ただの関節炎だとしても、症状が進行してからだとそれだけ治療に時間がかかります。
放置すると…「膠原病」のリスクも

稀ではありますが、出産を機に発症する病気に膠原病というものがあります。
免疫反応の異常が起きる病気で、様々な種類があります。
症状には筋肉の炎症が起きる「関節リウマチ」や「全身性エリテマトーデス(関節・腎臓・皮膚・軟膜などに炎症を起こす指定難病)」があります。出産後に発病することがあります。今までになかった痛みや違和感があったら、早めに病院の診察を受けましょう。
病院は何科?

整形外科を受診しましょう。
通常の関節炎であれば、原因に沿った生活習慣のアドバイスや鎮痛薬の処方が行われます。
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参考
産後ママの心と体をケアする本―出産した女性が本当にしておきたい(監修:池下 育子/宗田 聡/原田 優子/吉岡 マコ)
OMRON 痛みwith 膝痛の軽減に効果的なストレッチ方法
https://www.healthcare.omron.co.jp/pain-with/knee-pain/stretch/
難病情報センター 全身性エリテマトーデス(指定難病49)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/53