春から夏にかけて流行するウイルス性の感染症「ヘルパンギーナ」。
子どもの夏風邪の代表としても知られています。1歳代の感染者が多いとされていまが、0歳の赤ちゃんが感染することもあります。
ヘルパンギーナに赤ちゃんが感染してしまったら、どういった症状がでるのか、どう対処すべきか、お医者さんに聞きました。
赤ちゃんのヘルパンギーナの「症状」
よくある初期症状
- 急な高熱
- いつもよりよだれが多い
- 機嫌が悪い
- ミルクを飲みたがらない
- いつもより元気がない
ヘルパンギーナは、高熱と同時に喉の粘膜に水ぶくれができ、この水ぶくれが潰れると、浅いびらん・潰瘍となり、痛みを感じるようになります。
赤ちゃんの場合、喉の痛みや口の中にできた水疱のせいで、よだれが増える子もいます。
ミルクを飲む量が減る赤ちゃんも多くいます。
ヘルパンギーナは、自然に治る?
自然に治るものなのでしょうか?

はい。
ヘルパンギーナには特効薬はないため、安静にして自然治癒を待ちます。
熱は、長い場合2〜4日間続き、その後徐々に快方に向かいます。
こんな症状、どう対処する?
泣き止まない…
痙攣や嘔吐などがないか、急激に体調が悪化していないか、注意深くみてください。寝かせようとしても、泣いてしまい眠れないのであれば、無理に寝かせようとせず気がそれるように遊んであげてもいいでしょう。
嘔吐した…
嘔吐をしたら…
- 飲食を一時中止する
- 1〜2時間後に水分をスプ−ン1杯程度から飲ませてみる
- その後も5~10分おきくらいに少量ずつ与える
塩分などナトリウムが含まれた経口補水液がよいです。
お茶・真水・麦茶などは吸収が悪いので可能であれば避けてください。
このように処置をしても、4〜5回以上嘔吐が続く・ぼんやりしている・眠りがちな場合は脱水症状が強い可能性があるので病院を受診してください。
食べない・飲まない
ひどくなると脱水症状を起こすので、水分補給が重要です。
脱水症状を避けるため、少しずつでいいので、口に含ませるようにしてください。
母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんは、離乳食がなくても栄養が取れています。食べないのであれば、無理に食べさせなくても大丈夫です。水分だけはこまめに与え、脱水症状を避けましょう。
食べ物は、ゼリーや短く切ったうどんなど、食べたがるものは与えてください。
こんな症状が出ていたらすぐ病院へ!
救急を受診する症状
- けいれん
- 意識がもうろうとしている
- 嘔吐
- 呼吸が不安定
- 顔色不良
稀ですが、ヘルパンギーナは重度の合併症(髄膜炎・脳炎など)を起こす場合もあります。
赤ちゃんは小児科を受診しましょう。
どんな治療をするの?
どんな治療法がありますか?
また、赤ちゃんでも使える薬はありますか?

ヘルパンギーナには、特効薬はありません。
病院を受診しても対症療法が行われます。
特に脱水症状に注意をし、こまめに水分補給を行います。熱が高い場合は、解熱剤を使用しながら免疫の力で快方へ向かうのを待ちます。
小児科を探す
保育園や幼稚園は行ってもいいの?
ヘルパンギーナは、「何日休むべき」という出席停止の日数は制限されていません。
そのため、ママ・パパが最終的な判断をしなければならず「どこで判断したらいいのだろう」と困ってしまう方も少なくないようです。
以下の2つにあてはまるときは、登園を控えましょう。
<登園を控える症状>
- 熱がある。(解熱して24時間経過するまで)
- 喉の痛みで、飲食ができない。
ヘルパンギーナはどううつる?

ヘルパンギーナの感染ルートは以下の3つです。
- 飛沫感染:くしゃみ・唾液による感染
- 接触感染:手をつなぐ・子どもが口に入れたおもちゃの共有・指をしゃぶった手を洗わずに触ったもの(ドアノブやリモコンなど)に他者が触ると感染します。
- 糞口感染:ヘルパンギーナの症状がおさまった後も、数週間にわたり、便からは、ウイルスが排出されています。
いつまでうつる?
くしゃみや熱がおさまっても、便からウイルスが2〜4週間排出されているので、その期間までは、うつりやすい期間と言えます。
大人にもうつる?

ヘルパンギーナは、大人にもうつります。
予防するためには、第一に、うがい・手洗い・手指消毒をこまめに行いましょう。
また、赤ちゃんのおむつ替えで、大人の方にもうつりやすいので注意してください。おむつ替えの後は、必ず手指消毒・うがい・手洗いを行いましょう。