2021-03-17
右の背中が痛い…!これは肝臓が原因?
右の背中の痛みと肝臓の関係を、お医者さんに聞きました。
倦怠感や疲労感、食欲の低下を伴う方は、進行した肝臓病の疑いが高くなります。
肝臓病以外の病気も考えられるため、痛みが気になる方は要チェックです。
この痛みは肝臓が原因?
右側の背中に痛みが出る病気は様々ありますが、その中の1つとして肝臓病も考えられます。
「肝臓病」の場合、
皮膚のかゆみ
体のだるさ、疲労感
吐き気
食欲の低下
皮膚が黄色っぽくなる
といった症状を伴います。
肝臓は“沈黙の臓器”とも言われ、進行しないと自覚症状はほとんどありません。
そのため、右側の背中の痛みの原因が肝臓病の場合、病気が悪化している恐れがあります。
病院に行くべき?
痛みが数時間程度で収まる、軽減するといった場合は、一旦様子を見ても良いでしょう。
この場合、筋肉痛による一時的な症状の可能性が高いです。
ただし、
痛みが数日続く
痛みが出たり止んだりを繰り返す
痛みが軽減しない
といった場合は、肝臓病を含む何らかの病気が考えられます。
放置すると重症化して入院が必要になったり、命に関わる恐れもあります。
早めに病院を受診し、詳しい検査を受けましょう。
病院は何科に行けばいい?
肝臓による背中の痛みを疑う場合は、内科・消化器内科を受診してください。
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右の背中が痛くなる「肝臓の病気」
背中の右側が痛くなるのは
肝炎
肝硬変
などの肝臓病が進行している可能性もあります。
肝臓が原因の場合、初期だと自覚症状はほとんどありません。
肝臓の病気① 肝炎
肝炎とは、肝臓に炎症が起こっている状態を指します。
こんな症状がある方は要注意!
疲れやすい
肩こり
集中力低下
皮膚が黄色っぽくなる
お腹が張った感じがする
吐血
血便、黒っぽい便がでる
肝炎の原因
肝炎の原因には、
ウイルス感染
過度のアルコール摂取
肥満
糖尿病
薬の副作用
などが挙げられます。
現在、ウイルス感染による肝炎は減少傾向にあります。
お酒をたくさん飲む方や、太っている方は特に発症リスクが高いといえます。
どう対処すべき?
必ず、受診してください!
肥満や過度の飲酒に心当たりがある場合は、体重の減量や禁酒を行う必要があります。
ただし、右の背中に痛みがある方は、セルフケアの前に必ず受診してください。
肝臓病によって痛みが生じているのであれば、病気が進行している可能性が高いです。
放置すると、肝硬変・肝臓がんに悪化するリスクが高くなります。
肝臓病を疑うときは、内科・消化器内科で相談しましょう。
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肝臓の病気② 肝硬変
慢性的な炎症によって、肝臓の機能が低下している状態です。
肝硬変になると、本来柔らかい肝臓が硬く小さくなり、元に戻ることはありません。
こんな症状がある方は要注意!
食欲不振
倦怠感
皮膚が黄色っぽくなる
歯茎や鼻の出血
胸部や顔に発疹ができ、赤く見える
手のひらが赤くなる
お腹の張り
肝硬変の原因
お酒の飲みすぎ
脂肪分の摂りすぎ
肥満
暴飲暴食
ウイルス感染
薬の副作用
などが挙げられます。
肝硬変は肝炎・脂肪肝が進行して発症するケースが多いです。
最近では、脂肪肝が原因で重い肝硬変になる患者が増えています。
どう対処すべき?
必ず、受診してください!
肝硬変を疑う場合は、早急に内科・消化器内科を受診しましょう。
肝硬変の進行を食い止めるためには、病院での治療が必要です。
放置すると、肝臓がんを発症するなど命に関わる恐れがあります。
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肝臓以外の内臓に原因があることも…!
背中の右側の痛みが肝臓病でない場合、
肺炎
腎盂腎炎
といった病気が進行している可能性も考えられます。
原因① 肺炎
肺炎とは、空気と血液のガス交換を行う“肺胞”に炎症が起こっている状態です。
肺は左右対になっており、胸や背中のあたりにあるため、肩甲骨の下あたりが痛む可能性があります。
肺炎の症状
高熱
胸の痛み
息切れ
呼吸時に「ゼーゼー」と鳴る
肺炎の原因
細菌・ウイルス感染によって発症します。
疲労やストレスを溜めがちな方は免疫力が低下しやすいため、発症リスクが高まります。
病院に行くべき?
早急に呼吸器内科を受診してください。
肺炎の場合、抗菌薬の投与や入院が必要になるケースが多いです。
呼吸困難で死亡する恐れがありますので、放置は危険です。
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原因② 腎盂腎炎
腎盂や腎臓に炎症が起こっている状態です。
腎臓はお腹の背中側に位置しています。
腎臓は対になっているので、右側が炎症を起こした場合、右の背中に痛みが生じます。
腎盂腎炎の症状
排尿痛
頻尿
残尿感
発熱(高熱)
倦怠感
腰痛
吐き気、おう吐
腎盂腎炎の原因
膀胱から細菌が侵入し、腎盂や腎臓に感染することが原因です。
女性は尿道が短く、肛門と尿道との距離が近いため、女性に発症しやすい傾向があります。
病院に行くべき?
抗菌薬による治療が必要ですので、早急に泌尿器科を受診してください。
放置すると慢性腎炎になり、腎臓の機能が低下すると人工透析や腎臓移植が必要になる場合もあります。
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▼参考
日本消化器病学会ガイドライン 肝硬変の原因は何か?