新生児の視力の発達。見え方は？いつからどのくらい見える？｜医師監修

赤ちゃんの「目」がいつから、どれくらい見えるのか、どのように発達していくのかも紹介します。
ママ・パパが知っておくべき「よくある目のトラブル」や「目の病気のサイン」についても解説します。

監修者

高座渋谷つばさクリニック

院長
武井 智昭 先生

経歴

公益社団法人 日本小児科学会　小児科専門医

2002年　慶應義塾大学医学部を卒業
2002年　慶應義塾大学病院 にて小児科研修
2004年　立川共済病院勤務
2005年　平塚共済病院小児科医長として勤務
2010年　北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室勤務
2012年　横浜市内のクリニックの副院長として勤務
2017年　「なごみクリニック」の院長として勤務
2020年　「高座渋谷つばさクリニック」院長就任

生まれてすぐの視力

ほぼ見えていないとされています。

ぼやっとした影で認識していて、色の区別もまだつきません。黒やグレー、白のみ認識できます。

生まれて1週間頃の視力

目の前によく来るママやパパの顔を認識し始めます。

体を動かすこともできるようになった赤ちゃんは、目も発達して、よく見るものを認識すると微笑んでくれることもあります。

生まれて3ヶ月頃の視力

動くものを目で追うということができるようになります。

幾何学模様といい、三角形や四角、六角形、円、楕円などの図形を組み合わせたりしたものを認識します。この月齢に見せる絵本にこれらの形式を取り入れたものが多くあります。

また、色の認識力も格段にアップします。色とりどりのおもちゃや絵に興味を示します。

生まれて4ヶ月頃の視力

はっきりと目が見え、奥行きがあることがわかるようになります。

触りたいものを認識し、手を伸ばし触るといった行動もできるようになります。

生まれて12ヶ月頃の視力

１歳を迎える頃には、目と動作に加え、記憶力も強くなり、様々な場所や物を覚えています。

以前にやったことのある行動、遊んだおもちゃを覚えていて、同じことができるようになります。

この時期は、おもちゃを使い、手と目の動作を協調させる力を養いましょう。

目が合わないけど･･･大丈夫？

生まれたての頃から、「目が合わないからおかしいのではないか」と心配する親御さんもいますが、生まれたての赤ちゃんは目が見えないのです。

徐々に見えるようになりますから、毎日目を合わせ、声をかけ、見えるようになっている実感を楽しんで子育てをしてください。

目の病気のサイン

赤ちゃんがなりやすい「目の病気」の代表的な例と「兆候（初期症状）」を紹介します。

結膜炎

結膜にウイルス、細菌が感染し、炎症を起こします。

＜結膜炎の特徴＞
・目の充血
・黄色の目やにが大量に出る
・涙が止まらない
・発熱や喉の痛みや下痢など全身に症状が現れる場合も

ウイルス性結膜炎は、細菌性の結膜炎よりも強い痛みがあります。赤ちゃんが感染すると痛みにより機嫌が悪く、泣くことも多いでしょう。

先天性鼻涙管閉塞症

鼻涙管（余分な涙の通り道）が、生まれつき詰まっている病気です。

＜先天性鼻涙管閉塞症の特徴＞
・常に目に涙がたまっている
・目やにがたまりやすい

このような症状があれば、眼科を受診してください。

赤ちゃんは、辛い症状があっても、泣く、機嫌が悪くなる以外、お母さんに伝えられません。呼吸や発熱などは、心配でよく確認するお母さんたちも多いのですが、目も重要な器官です。毎日、チェックしてあげましょう。

毎日見ていると、発達段階におかしいところがあると早く発見できます。

「最近赤ちゃんの目がおかしいな」と感じたら、一度、眼科を受診してください。

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