大人も感染する百日咳に注意!重症化するのは乳幼児と高齢者

公開日:2018-11-19 | 更新日:2020-02-12
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大人も感染する百日咳に注意!重症化するのは乳幼児と高齢者

百日咳(ぜき)とは、主に百日咳菌・パラ百日咳菌という菌により、引き起こされる病気です。
百日咳が疑われる症状が出るころには、すでに体内に侵入した百日咳菌が減少していることがあります。
そのため、病気の特定は簡単ではありません。

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百日咳は、子供の急性感染症の中でも、はしかに次いで、または同等くらいに感染力が高い病気です。
ワクチンを接種していない乳児や新生児、百日咳にかかったことのない子供は感染しやすくなります。
子供間でまん延しやすい疾患ですが、大人も感染することがあります。
周囲にうつす恐れがある期間は、咳(せき)が始まってから1~3週間前後と考えられています。


監修者

武井 智昭 先生

なごみクリニック

武井 智昭先生

経歴

平成14年に慶應義塾大学医学部卒業

百日咳ではどのような症状が出るの?

百日咳は、飛沫(ひまつ)感染で発症します。
百日咳菌は、鼻・のど・気管・気管支粘膜に侵入し、繊毛(※)の働きを低下させる毒素を産生して、百日咳特有の発作的な咳を引き起こすと考えられています。
※繊毛:ゴミやホコリを除外して気道を守っている細かな毛

それでは、一般的な症状の経過をみていきましょう。

①カタル期(前駆期:軽度の咳症状)

症状が出始めるのは、百日咳菌に感染した後、約10日間の潜伏期間を経てからの約2週間です。
発症初期には次のような症状が出ます。

  • 軽い咳
  • 喉の痒(かゆ)み
  • くしゃみ
  • 鼻水など

②痙咳期(けいがいき/もっとも咳が出る時期)

百日咳特有の、咳発作の症状が出ます。
短めの咳が連続して起こります。
息を吸うときに、ヒューヒューという音が出る発作が、繰り返し起こるようになります。
激しい咳が続くので体力の消耗も激しく、次のようなことが起こることがあります。

  • 痰(たん)がからんだ咳がでる
  • せきこみ過ぎて嘔吐(おうと)する
  • 顔がむくむ
  • 顔が赤くなるなど

咳の発作が激しく、食事や睡眠が困難になることもあります。

③回復期

咳発作はおよそ1ヶ月で小康状態に向かいます。
しかし、百日咳菌による気道の炎症や激しい咳によって、気道には粘膜の損傷が生じています。
それらが完治するまでは、次のような少しの刺激でも、咳が起こりやすい状態が続きます。

  • ホコリ
  • たばこの煙
  • 乾燥した風
  • むせやすい食事など、

完全に咳が治まるまでには、何か月もかかることもあります。
これが百日咳の症状ですが、乳幼児ではこのような経過をたどらないことも多々あるため、注意深く症状を観察する必要があります。
また、生後3か月までの乳児では百日咳特有の咳症状が生じず、次のような症状が出ることがあります。

  • 無呼吸
  • チアノーゼ(急に顔色が悪くなる症状)

最悪の場合はけいれんや脳症を起こし、命の危機に陥ることもあります。

最近の百日咳の傾向について

2014年以降、百日咳の患者数は増加傾向にあります。
2016年では15歳以上の患者数が25%を占めています(国立感染症研究所HPより)。
三種混合ワクチン・四種混合ワクチン(※)の接種歴がある成人の間でも、流行が散発的にみられることも問題視されています。
※三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)
四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)

2018年1月から、百日咳と診断された患者さんがいれば、医師は7日以内に最寄りの保健所へ届け出を提出し、全例報告する制度になりました。

百日咳は、主に乳幼児が発症する病気ですが、成人での発症も増加しています。

2017年以降、百日咳と診断される患者が急増傾向にあります。

百日咳は、今までは12月~1月、4月~6月に多く発生していましたが、近年では、季節によっての流行(ピーク)が無くなり、通年発生するようになっています。

子供が罹患した場合の注意点

百日咳の抗体(免疫のもと)は、母体から胎児に十分に行き渡らないため、生後すぐの乳児でも感染することがあります。
特に、生後6ヶ月未満の乳児が百日咳に感染すると、次のような症状を起こすことがあります。

  • チアノーゼ
  • 呼吸が停止しそうになる
  • けいれんを起こすなど

また、咳だけではなく、肺炎や脳症などの合併症を起こし。命を失う危険な状態になる可能性もあります。
咳がひどくて食事ができないときは、少しでもいいので、水分だけはできる限り取るようにしてください。

百日咳の治療法について

百日咳の治療には、主に抗菌薬が使われます。
エリスロマイシンやアジスロマイシンという抗菌薬をカタル期に使用すると、菌の排せつ量が減少し、感染のリスクを下げることができます。
カタル期の頃に薬を飲んでおけば、おおよそ5日後には菌の排出ができます。
再発を考慮して、抗菌薬を2週間服用する必要があると考えられています。

痙咳期に、気道が閉塞(へいそく)して息苦しさがある場合は、気管支拡張剤を用います。
咳や痰を取り除く場合は、鎮咳去痰剤などが用いられます。
重症化した場合は、ガンマグロブリンというたんぱく質の一種を大量に投与して、免疫力を高める方法も検討されます。

まとめ

成人では百日咳の症状が軽く済むことが多く、大きな合併症もほぼありません。
そのため、自分が感染していることに気づかず、周囲に移してしまうこともあるといいます。

重症化しやすい乳幼児やご高齢の方が近くにいる場合には、接触をしないようにしてください。
百日咳の症状がなくても、抗生物質を予防的に服用できるかを医師に相談するなど、注意するようにしてください。
なお、その際はお薬手帳も忘れずに持って行くと良いでしょう。

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監修者

武井 智昭 先生

なごみクリニック

武井 智昭先生

経歴

平成14年に慶應義塾大学医学部卒業

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