「舌のできもの」は何科の病院に行くべき？痛みがないときは要注意！

舌にできものは何科で相談すればいいのか、歯医者さんに聞いてみました。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

「舌のできもの」は何科の病院で受診する？

舌にできものができたら、歯科で受診しましょう。

歯科で診察を受けると、まず舌の状態を確認してもらえます。
舌のできものが「口内炎」であれば、抗炎症剤等を処方したり、レーザー照射で焼いたりして改善を促します。

また、稀に「白板症」「舌がん」といった病気が隠れているケースもあります。
必要であれば、舌の組織の一部を切除する組織検査・血液検査・CT検査・MRI検査などを行い、重い病気か否かを診断します。

「痛みがある」「白色の潰瘍」「赤い腫れ」は口内炎の可能性大

舌のできものは、口内炎のケースが多いです。

特に上記症状に当てはまる場合は、口内炎の可能性が高くなります。

口内炎ができる「原因」

• 睡眠不足
• ストレス過多
• 栄養不足（特にビタミンB2）
• 矯正器具・入れ歯の接触
• 舌を頻繁に噛む
• 熱すぎるものによる刺激
• 喫煙習慣

などが挙げられます。

口内炎はどうすれば治る？

• きちんと歯磨きして口の中を清潔に保つ
• 十分な睡眠時間を確保する
• ビタミンB2・ビタミンCを積極的に摂取する

といった対処を行うと、口内炎の治りが早くなります。

よくある「アフタ性口内炎」の場合、10日程度で治ることが多いです。

舌のできものに「痛みがない」場合は要注意！

• 白板症（がん化するリスクがある）
• 舌がん

といった病気の場合、舌に「痛みのないできもの」が発生しやすいです。

特に舌がんは命に関わる病気なので、早めに治療を受けることが重要になります。

要注意な病気①　白板症（がん化するリスクがある）

白板症は、舌に白いできものができる病気です。

表面の状態が不均一の場合、がん化するリスクが高いと考えられています。

白板症の原因

• 義歯が合っていない
• 虫歯の放置
• 金属の詰め物
• ビタミン不足
• 喫煙

等が原因で発症すると考えられています。

特に舌の粘膜に長期的に何らかの刺激が加わると、発生しやすくなると考えられています。

40歳以上の男性に発症しやすい傾向があります。

白板症かもと思ったら

白板症が疑える場合には、歯科、口腔外科で受診してください。

がん化するリスクがあるため、早めの診察が必要です。

治療では、舌に刺激を与える部分の調整、がん化しているかを確認するための検査等を行うケースが多いです。
外科的手術により切除する場合もあります。
手術により切除した時点で症状が改善されるケースが多いですが、再発の可能性があるため、3～6か月は通院が必要です。

要注意な病気②　舌がん

舌がんは、舌にできる悪性腫瘍です。

進行するとがん細胞が周囲に広がり、命を落とす危険性があります。

舌がんの原因

• 歯・入れ歯による刺激
• 虫歯や歯周病
• アルコールの過剰摂取
• 喫煙習慣
• 舌粘膜を頻繁に噛む癖
• 栄養不足（特にビタミン、鉄分）

等が発症に関係していると考えられています。

舌がんの発症は、40歳以上の男性に多い傾向があります。

「舌がんかも」と思ったら早めに病院へ

舌がんを疑う症状がある場合には早急に病院で受診してください。

舌がんは命に関わる病気です。

主な治療法としては、外科手術、放射線治療、抗がん剤治療が挙げられます。

また、レーザー療法、免疫療法、温熱療法等が行われる場合もあります。
上記の治療法を組み合わせて行うケースが多いです。

「できものが2週間以上治らない」ときは早めに病院へ！

• 2週間以上続く口内炎
• 痛みのないしこり
• 舌のしびれや麻痺、出血
• 味覚障害　

などの症状が出現している場合は、早急に病院を受診してください。

上記症状には、白板症・舌がんといった病気が疑われます。

症状が悪化して舌を切除する手術が必要になったり、口の中の機能に多大な悪影響を与えたりするリスクが高まると考えらえます。
特に舌がんの場合、命に関わるような状態に陥る恐れもあります。
自己判断で放置せず、少しでも心配な症状がある場合には病院で相談しましょう。