「歯に穴が開いたら…どうする？」自分で埋める方法はない？小さい穴・大きい穴の治療法

「歯に穴が開いた！」
「これって虫歯？」

歯に穴が開く原因を歯医者さんに聞きました。

歯に穴が開くのはほとんどの場合、「虫歯」の可能性が。
穴をふさぐ方法はあるのか、虫歯の治療法についても解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯に穴が開いた…！これって虫歯？

歯に穴が開いていたら、ほとんどの場合「虫歯」だと考えられます。
虫歯による穴は、黒く見えることが多いです。

虫歯の場合、細菌が出す「酸」によって歯が溶けるため、歯に穴が開きます。
歯のケアが足りていないと、治る力（再石灰化）が追いつかなくなり、虫歯がどんどん進行していきます。

なぜ？歯に穴があるけど痛くない…

痛みを感じない場合、虫歯が歯の奥まで進行していないことが考えられます。

歯は何層にも層になっており、歯の表面の「エナメル質」までは痛みを感じないケースが多いです。

虫歯がさらに進行し、歯の内側部分の「象牙質」到達すると、次第に痛みを感じるようになります。

歯の穴を自分で埋める方法はないの？

歯の穴を自分で埋める方法はありません。

虫歯は、自然治癒せずに進行していく恐ろしい病気です。

仮に何らかのものを使い、ご自身で穴を埋めたとしても、虫歯を取り除いていないのでかえって虫歯を悪化させてしまいます。
自己判断で対処するのは止めましょう。

歯医者では、歯科専用のセメントなどをつかって穴を埋める方法があります。事前に虫歯を除去してから行うため、虫歯悪化のリスクも抑えられます。

歯科を探す

①「歯の穴が小さい」ときの治療法

エナメル質が溶けている状態です。
この状態は、痛みはない場合が多く、食べ物などがしみることもありません。

治療の際には、虫歯菌が付いている部分を治療器具で削り取り、歯科専用のプラスチックなどを詰めて補強します。

治療にかかる費用は？

保険適応で、1本2,000〜3,000円程度です。

使う機器や素材によって金額が異なるため、歯医者さんに確認しましょう。

治療にかかる期間は？

週1回の治療で、2週間ほどが目安です。

※1、2回の通院が必要です。

歯科を探す

②「歯の穴が大きい」ときの治療法

歯の内側の「象牙質」まで虫歯が進行している状態だと考えられます。
甘い食べ物、冷たい食べ物が歯にしみるように感じます。

虫歯菌が付いている部分を削り取ってから、詰めものをする治療を行います。

治療にかかる費用は？

保険適用で、1本3,000〜4,000円程度です。

治療にかかる期間は？

1ヶ月程度が目安です。

※3〜4回の通院が必要です。

歯科を探す

③「歯の穴が深く、神経まで達している」ときの治療法

歯の神経まで虫歯が到達している状態です。

• 常にズキズキと痛む
• 歯茎が腫れる
• 熱いものなどがしみる

などの症状を伴います。

治療では、神経を取り除いて歯の根菅の清掃を行った後、薬を詰めて被せものを行います。

治療にかかる費用は？

保険適用で、被せものは1本6,000〜7,000円ほどかかります。

治療にかかる期間は？

週1回の治療で、1ヶ月〜が目安です。

神経の根っこの治療回数は人によって違います。
また、選んだ被せものによっては、仕上がりまでさらに時間がかかることもあります。

歯科を探す

歯の穴に気づいたら早めに歯医者へ

初期の虫歯であれば、治療の痛みを感じにくいうえ、通院回数も少なく済みます。
治療の負担軽減のためにも、早めの受診をおすすめします。

虫歯が神経に到達すると、我慢できないほどの痛みに悩まされたり、抜歯が必要になったりするリスクがあります。
また、根菅治療が必要なほど進行してしまうと、通院回数も増え、時間もお金もかかります。

虫歯は自然治癒しない病気です。
「歯に穴が空いている」と気づいたときには、放置せず歯医者で診てもらいましょう。

歯科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。