「ストレスで記憶障害が起こるって本当…?」
ストレスと記憶障害の関係をお医者さんに聞きました。
記憶障害のセルフチェックリストも掲載していますので、心配な方は自分の症状と照らし合わせてみましょう。
病院は何科に行くべきか、どんな治療法があるのかもご紹介します。
監修者
しのだの森ホスピタル
理事長・院長
信田 広晶先生
得意分野 心療内科・精神科 「うつ」「自然治癒」
昭和61年 青山学院大学文学部教育学科心理学専修コース卒、平成6年東邦大学医学部卒、東京女子医大精神神経科入局などを経て、平成11年信田病院(現しのだの森ホスピタル)入職。現在しのだの森ホスピタル理事長兼院長を務める。
「もしかして、記憶障害…?」
心配な方は、次の症状に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
当てはまる症状が多い場合は、記憶障害の可能性が考えられます。
ストレスによって、起こる記憶障害には
の2種類が考えられます。
それぞれの症状の特徴を詳しく解説します。
女性や若い人に多いです。
自閉症スペクトラム障害(※)などの特性を持った人は発症しやすいといわれます。
「自分が誰であり、何をしていたのか」「誰と何の話をしたのか」等、自身のことや行動の記憶が失われます。
数日のうちに記憶が戻るケースもありますが、長期に及ぶ場合もあります。
また、抑うつ症状や睡眠障害など精神症状や、疲労や脱力感など体の症状を併発する場合もあります。
※自閉症スペクトラム:対人関係が苦手であったり、強いこだわりがあるなどの特徴をもつ発達障害の一つ
※大半は一生涯に一度しか発症せず、再発することは稀(約5~25%程度)です。
50~70歳の人に多く発症します。
発症の原因は不明ですが、ストレスなど心理的要因をはじめ、特定の薬を飲むこと、過度の飲酒、けいれん発作や血栓により脳への血流が滞ること、片頭痛などがきっかけで起こると言われています。(原因が特定されないことが多いです。)
不安になり、「今どこにいるのか」「何時なのか」といった同じような質問を何度もくり返すなど、混乱がみられることが特徴です。
<解離性健忘の場合>
大切な思い出や記憶、過去の情報が長い間思い出せなくなる場合があります。そのせいで日常的に支障をきたします。
また、様々な精神疾患を合併する恐れもあります。
<一過性全健忘の場合>
原因がわかっていないことが多いので、治療することも難しいです。ただ、予後は良好で、繰り返し起こることも稀のため、放置しても大丈夫なことが多いです。
特に、記憶がないことにより、日常生活や仕事に支障をきたしている場合は受診しましょう。
心療内科、精神科を受診しましょう。
まずは、記憶障害を引き起こしているストレスを緩和することが第一です。それぞれの患者さんに合わせて異なる治療が行われます。
<治療法の一例>