乾癬はうつるの?体の皮がむける病気。原因や初期症状は?|医師監修

公開日:2019-01-24 | 更新日:2020-09-15
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乾癬はうつるの?体の皮がむける病気。原因や初期症状は?|医師監修

乾癬(かんせん)は、発疹が繰り返し生じる疾患です。患者の「生活の質」を著しく低下させます。
根治が困難なため、長い付き合いになるケースも多くあります。
乾癬と上手に付き合っていくためには、つらくても現実を受け止め、悪化する原因を把握することです。
そして、改善できるところは改善し、根気よく治療を続けていくことが必要です。
そのためにはまず、乾癬という疾患を知ることが重要です。

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監修者

長谷川 佳子 先生

小田原銀座クリニック
形成外科医

長谷川 佳子先生

経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
平成26年よりKO CLINICに勤務
平成29年2月より小田原銀座クリニックに勤務

主な症状は、皮がむける・痛み・かゆみなど

【医師が解説】乾癬ってどんな病気?不衛生でも、うつる病気でもない
乾癬は、皮膚の代謝異常です。
後天性の角化症(※)の中で、角質化した皮膚に炎症が起きる疾患です。
角化症:かかと、ひじ、ひざなどの皮膚が厚く、硬くなる症状

乾癬には、次のような症状が現れます。

  • 皮膚が赤くなる
  • 角質が厚く、硬くなる
  • 皮膚の皮がむける
  • 痛みやかゆみ、発熱を伴う場合もある

ひじ・膝頭・頭などに、銀白色の分厚い角化した皮疹が現れるのが、乾癬の特徴です。
乾癬は、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)の時間が著しく短くなります。
次から次へと新しい皮膚細胞が産生され、皮膚の表面にある角質が、何層にも重なって厚くなると、発症します。

5つの種類と症状に分けられる

【医師が解説】乾癬ってどんな病気?不衛生でも、うつる病気でもない

尋常性乾癬

乾癬の約90%は、この「尋常性乾癬」です。
肘や膝、髪の生え際などに多く発生します。

また、爪に穴が空く、爪が変形する場合もあります。
初期は赤く小さい皮疹が現れ、大きくなると鱗屑(※)が付着した状態になります。

鱗屑(りんせつ):皮膚の表面の角質細胞が剝がれ落ちたもの

滴状乾癬

溶連菌(※1)感染に伴い、生じるタイプの乾癬で、主に小児にみられます。
手足の付け根や背中、おなかなどに生じやすく、1cmほどの小さい角化した紅斑(※2)がみられます。

※1:溶連菌(ようれんきん):細菌の一種。感染すると、発熱・喉の痛みなどを生じる
※2:紅斑:皮膚にできる淡紅色の発疹

膿疱性(のうほうせい)乾癬

尋常性乾癬を発症した後に、続けて膿疱性乾癬を患う場合があります。
膿疱性乾癬の症状は重篤で、膿(うみ)を含んだ水疱(すいほう)ができ、破れると、びらん(※3)を形成します。
低タンパク血症(※4)を誘発して、急速に全身状態(※5)が悪くなる恐れがあります。
膿疱が全身におよぶと、次のような症状が起きることがあります。

  • 高熱
  • 全身倦怠感

※3:びらん:ただれること
※4:低タンパク血症:血液中のタンパクが減り、むくみなどを起こしてしまうこと
※5:全身状態:体調のこと

乾癬性紅皮(こうひ)症

乾癬性紅皮症を発症すると、皮疹が体中に広がり、全身の皮膚が真っ赤になって剝がれ落ちます。
尋常性乾癬や膿疱性乾癬になると紅皮症を起こすことも多く、次のような症状が出ます。

  • 低タンパク血症
  • 低カルシウム血症
  • 脱水など

乾癬性関節炎

関節症状(※)をきたす乾癬で、乾癬患者の約10%に、この症状が見られます。
全身の関節に炎症が起こり、関節リウマチのような症状になります。

  • 変形
  • こわばりなど

※関節症状:関節に炎症を起こし、手足の指先・かかと・足裏の腱(けん)あたりに痛み・腫れなどが起こること

また、次のような症状が生じる場合もあります。

  • 睡眠を妨げるほどの痛み
  • 発熱
  • 全身の関節に炎症・こわばりなどが起こる

女性は10歳台・50歳台での発症が多い

【医師が解説】乾癬ってどんな病気?不衛生でも、うつる病気でもない

全国には、約50~60万人(人口の約0.4~0.5%)万人の患者がいると推測されています。
病院での治療経験がある患者を、性別でみると、2:1で男性の方が多い傾向にあります。
男性は30歳台、女性は10歳台・50歳台での発症が多いとされています。

乾癬発症には、脂・動物性脂肪の多い食事が、憎悪(ぞうお)因子(※)となるため、近年の食の欧米化などによって、患者数は増加傾向にあります。
※憎悪因子:状態を悪化させるもの

治療法は塗り薬・内服薬・紫外線照射など

【医師が解説】乾癬ってどんな病気?不衛生でも、うつる病気でもない

感染治療は、症状に合った治療法を選択するのはもちろんですが、患者一人ひとりのライフスタイルを考慮する必要があります。
患者の苦痛をできる限り軽減し、皮膚をよりよい状態にできるようにしていきます。

外用療法

乾癬の基本治療法です。
ステロイドや活性型ビタミンD3を、皮膚や発疹にじかに塗ります。
現在は、この二つの薬剤の合剤が利用できるようになり、発疹の治療には非常に有効です。

光線療法(紫外線照射)

紫外線を、皮膚や皮疹に照射する治療法です。
現在は、中波長紫外線が使用できるようになり、これが主流になっています。
光線療法は、効く人と効かない人がいますが、乾癬を抑制する作用が認められています。

内服療法

乾癬の皮疹が、中等度から重度に進行した場合に、内服療法が行われるケースが多いです。
外用療法と光線療法とを、併用するケースも、あります。

主な内服薬は、次のとおりです。

  • エトレチナート(レチノイド)
  • シクロスポリン
  • メトトレキサートなど

生物学的製剤(注射)

遺伝子組み換え技術を駆使して、人工的に作られたタンパク質製剤です。
体内で分泌される特定分子を標的にするので、腎・肝障害が起こりにくいとされています。
一方、免疫を抑制する作用があるため、感染症への注意が必須です。

新薬「アプレミラスト」

アプレミラストとは、経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬(※)で、過剰な炎症反応が抑制され、乾癬症状の改善が期待されています。
重度の副作用も少なく、内服による簡便で、有効な治療が行えるのも利点です。

経口ホスホジエステラーゼ4:体に存在する酵素の1つで、炎症や免疫にかかわる免疫細胞・脳などに多く存在する

不衛生でも、うつる病気でもない

【医師が解説】乾癬ってどんな病気?不衛生でも、うつる病気でもない

乾癬は皮膚に現れるので、人目を気にしてしまい、それが大きなストレスになることがあります。
また、鱗屑がぽろぽろ剥がれ落ちるせいで、不衛生だと思われたり、うつると思われたりしないかと、苦痛にもなります。
特に接客業などでは、夏場でも肌を隠すために、長袖を着用している人もいます。
肌を見られて、同情されることなども、ストレスになります。

乾癬は、うつる病気ではありません。
周囲の人たちは、乾癬を恐れないでほしいと思います。
乾癬という疾患をしっかり理解し、心のサポートをしていきましょう。

まとめ

近年では、乾癬の研究がどんどん進み、新薬や新しい治療法も開発されました。
治療の選択肢が、大きく広がっています。

その結果、皮疹が出現しない状態を継続できたり、関節の痛み・腫れといった関節症状が治まったりするなど、日常生活に支障が出ないようになるケースも増えています。

ご自分のライフスタイルに合う治療法を、担当医師と相談しながら選択してください。
症状を確認しながら治療を進めるのが、乾癬を良好な状態に戻す第一歩になります。

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【参考文献】
公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「乾癬」
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/
公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「乾癬」Q1より
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q01.html
公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「乾癬」Q8より
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q08.html

健康保険組合レセプト情報を利用した乾癬の実態調査
照井正1), 中川秀己2), 江藤隆史3), 小澤明4)
1)日本大学医学部皮膚科学分野皮膚科, 2)東京慈恵会医科大学皮膚科学, 3)東京逓信病院皮膚科, 4)東海大学医学部専門診療学系皮膚科
臨床医薬 30(3): 279 -285 2014
http://mol.medicalonline.jp/archive/search?jo=an9cltmd&vo=30&nu=3

Semantic Scgolar「Epidemiology of psoriasis and palmoplantar pustulosis: a nationwide study using the Japanese national claims database」
Kiyoshi Kubota, Yukari Kamijima, +4 authors Hidemi Nakagawa Published 2015 in BMJ open


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長谷川 佳子 先生

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長谷川 佳子先生

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