どうにもこうにも辛い花粉症。
「くしゃみや鼻水が止まらない!」「目がかゆい…涙が出る…」
このような症状を緩和できる食べ物や飲み物があったら、知りたいですよね。
そこでこの記事では、花粉症の改善や予防におすすめの食事をご紹介します。
妊娠中・授乳中で薬が飲めないという方も、ぜひ参考にしてください。
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
食べ物や飲み物による花粉症の改善や予防は、薬とは異なり、即効性の有無の判断は難しく、個人差もあります。
ただ、免疫機能や皮膚粘膜の健康維持に関与する栄養素はあります。
バランスの良い食事を基本とし、その上でそれらを取り入れることで、花粉症対策に繋がると考えて、ご紹介いたします。
花粉症の改善・予防におすすめの食べ物は次の通りです。
抗炎症、抗アレルギー作用があります。
マウスを用いた実験では、アレルギー性結膜炎の改善に繋がる可能性があるという結果が出たそうです。
そのため、目の症状への作用が期待できると言えるでしょう。
粘膜の状態が悪いと花粉が体内に入りやすくなり、花粉症の症状も悪くなると考えられます。
皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるビタミンAを摂ると良いでしょう。
ビタミンCは、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの分泌を抑える働きがあると言われています。
そのことから、ビタミンCを摂取することで、症状が緩和される可能性があります。
ビタミンCは水溶性なので、一度にたくさん摂っても排泄されてしまいます。こまめにとるようにしましょう。
免疫機能を調整するビタミンDを摂ることで、免疫機能を正常に保つことができます。
免疫機能が正常に働くことで、花粉症の改善や予防に繋がると言えるでしょう。
アレルギー物質である花粉が体内に入ってきた際に、免疫グロブリンというタンパク質の一種であるIgE抗体が過剰に作られることで、アレルギー反応が生じます。
善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂り、腸内環境を整えることで免疫機能を正常に保ち、IgEの生産を抑えられると考えられます。
発酵食品は善玉菌を含み、腸内環境を整え、免疫機能を正常に保ちます。
株式会社ヤクルト本社によると、乳酸菌(シロタ株)はIgEの産生を抑える働きがあることが動物実験により分かり、ヒトでの実験においてもアレルギーの症状が悪化するのを遅らせることができるという結果が出ています。
花粉のアレルギー物質と似たタンパク質を持つ生の野菜や果物を食べた時に、アレルギー反応を起こしてしまう口腔アレルギー症候群というものがあります。
シラカバ・イネ・スギ花粉症の人に見られる症状だと言われています。
また、口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性のある食べ物は、アナフィラキシー※を起こす可能性もあります。
※アナフィラキシー…アレルギー反応により蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、ゼーゼー、息苦しさなどの呼吸器症状が複数同時に、かつ急激に出現した状態。
口腔アレルギーやアナフィラキシー※を引き起こす原因となる食品と関係の強い花粉(食材)は次の通りです。
肉や魚は花粉症に良いとされる栄養素を含むものも多いですが、動物性たんぱく質を摂りすぎると悪玉菌のエサとなり、腸内環境を悪くします。
適度に摂る分には構いませんが、食事から摂取するたんぱく質が動物性由来のものに偏らないようにしてください。
口腔アレルギー症候群やアナフィラキシーを引き起こす可能性があるので控えた方が良いでしょう。
アルコールが分解されるとできるアセトアルデヒドという物質が、アレルギー反応を引き起こす原因であるヒスタミンを増やします。
その結果、症状が悪化する可能性があります。花粉症シーズンは、お酒を控えましょう。
帽子やマスク、メガネをつけると良いでしょう。
花粉が頭や顔についたり、吸い込んだりするのを防ぐことができます。
なかでも花粉症用のマスクやメガネは、一般的なものよりもバリア機能が高いのでおすすめです。
また、コンタクトレンズは目を刺激し、症状を悪化させることがありますので、やはりメガネを使うと良いですよ。
服装は、花粉がつきにくいツルっとした素材のものを選びましょう。
また、花粉が多い日は不要な外出を控えることも対策の一つになります。
服に着いた花粉を落としてから家に入りましょう。
顔や喉についた花粉を落とすためにうがいや洗顔をしましょう。
部屋はこまめに掃除しましょう。換気をするなら、窓を全開にせず、カーテンなどで花粉が部屋に入るのを防いでください。
洗濯物も部屋干しがおすすめです。定期的にカーテンの洗濯も行うと、より良いです。
規則正しい生活をし、自律神経を整えることで症状を和らげることができます。
しっかりと睡眠をとり、バランスの良い食事を心がけましょう。
リフレッシュをし、ストレスを溜めないようにしてくださいね。
また、鼻の粘膜を傷つけてしまうので喫煙者の方はタバコも控えましょう。
《参考文献》
花粉症対策
厚生労働省 的確な花粉症の治療のために(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf
厚生労働省 はじめに~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/ookubo.html
口腔アレルギー症候群
日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会 食物アレルギー診療ガイドライン2016 ダイジェスト版 口腔アレルギー症候群(OAS)
https://www.jspaci.jp/allergy_2016/chap11_2.html
乳酸菌飲料
株式会社ヤクルト本社 プロバイオティクスの花粉症に対する効果
https://www.yakult.co.jp/institute/report/pdf/science_No5.pdf
厚生労働省 4 食物アレルギー・アナフィラキシー
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03_003.pdf