歯からくるリンパの痛み・腫れ|病院は何科？放置するとどうなる？医師監修

歯だけじゃなくて、リンパ節まで痛い！
病院は何科に行けばいい？
歯医者さんでも大丈夫？

リンパ節まで痛むときは、早く治療する必要があります。
受診する診療科、痛みの原因、治療法などをお医者さんにお聞きしました。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯からくるリンパの痛みや腫れは、何科の病院に行くべき？

歯の痛みがリンパ節まで及ぶときは、歯科口腔外科を受診してください。

リンパ節まで痛む場合は、「虫歯」や「歯周病」、「親知らず」による炎症の症状が、かなり重い状態だと考えられます。できるだけ早く歯医者さんをしましょう。

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なぜ？歯が原因でリンパ節が痛くなる理由

「虫歯」「歯周病」「親知らず」を放置していると、歯周ポケットから細菌が体内に侵入します。

歯周ポケットから侵入した細菌がリンパ節まで達すると、体は防御反応として炎症を起こします。

このように、歯が原因で、歯の周囲や顎のリンパ節が痛んだり、炎症を起こしたりすることを「歯性感染症」といいます。

お医者さんに症状を伝えるポイント

歯医者さんには、「①痛む部位」「②痛み方」「③いつから痛いのか」を、できるだけ具体的に伝えてください。

いつから痛みが続いていて、どのように痛いのか、詳しく医師に伝えてください。
原因と思われる歯がわかる場合には、その歯の過去の治療歴についても伝えましょう。

また、「歯性感染症」の場合、薬を処方される可能性が高いです。アレルギーや基礎疾患がある人は、忘れずに伝えるようにしてください。

どんな治療を受けるの？

歯からくるリンパ節の痛みで多い原因は、①虫歯、②歯周病、③親知らず（智歯周囲炎）などです。それぞれの治療法について解説します。

その①　「虫歯」の治療

抗菌薬の内服・炎症部分の洗浄など行います。
原因となっている虫歯を治療し、原因菌がいなくなれば、炎症は治まり、リンパ節の痛みは次第に治まっていきます。

リンパ節が痛むレベルの虫歯の場合は、虫歯が悪化して「根尖性歯周炎（こんせんせいししゅうえん）」になって、歯の根の先から、骨・リンパ節にまで細菌感染が及んでしまった状態だと考えられます。早めに治療を受けることをおすすめします。

その②　「歯周病」の治療

歯周ポケットを洗浄・消毒し、抗菌薬の内服で炎症を抑えます。
歯周ポケットの細菌が減少すると炎症が落ち着くため、リンパ節の痛みもおさまっていきます。

炎症が落ち着いた後は、再発防止として抜歯をするケースが多いです。

「歯周病」が進行すると、歯を支えている骨が溶けて、歯と歯茎の間の歯周ポケットが大きくなります。そこから細菌が歯の周囲の組織に侵入すると、リンパ節まで炎症が波及し、腫れや痛みが生じます。

その③　「親知らずによる炎症（智歯周囲炎）」の治療

親知らず（智歯：ちし）の周囲を洗浄・消毒し、抗菌薬を使って炎症を抑えます。

歯磨きで届かない場所の汚れを取り除き、清潔にすることで細菌が減少します。すると次第に炎症が治まり、リンパ節の痛みも落ち着きます。症状が落ちついた後、再発防止のため、抜歯をするケースが多いです。

「親知らず」が斜めに生えてきたり、生えている途中で歯肉が被っていたりすると、きれいに歯みがきすることが難しいため、汚れがたまりやすい状況になります。すると歯と歯茎の中で細菌が繁殖し、親知らずまわりが炎症を起こします。これが「智歯周囲炎」です。この炎症が悪化すると、リンパ節まで炎症が及び、痛むことがあります。

放置するとどうなる？

「歯性感染症」を放置し、リンパ節や顎の骨まで炎症が広がるほど重度になると、入院や手術が必要になる場合があります。

また、リンパ節から細菌が全身に回り、敗血症になると、命にかかわることもあります。リンパ節が痛むほど痛い場合は、できるだけ早期に治療を始めることが大切です。

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