切れ痔を放置するとどうなる?自宅で治したい。繰り返すと「手術」のリスクも

公開日:2020-10-08 | 更新日:2020-12-18
24
切れ痔を放置するとどうなる?自宅で治したい。繰り返すと「手術」のリスクも

切れ痔になってしまった…。

自分で治したい!
切れ痔を病院に行かずに放置するとどうなる?

ちょっと人には聞きにくい話を、お医者さんに聞きました。


監修者

白畑 敦 先生

しらはた胃腸肛門クリニック横浜
院長

白畑 敦先生

経歴

平成14年5月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
平成16年5月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
平成18年6月  幕内会 山王台病院 外科
平成19年6月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
平成20年6月  関東労災病院 外科
平成21年6月  昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
平成24年10月  横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
平成29年11月 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任

放置しても…大丈夫?

医師男性
ほとんどの切れ痔は、急性裂肛と呼ばれるものです。急性裂肛は、4~5日で自然と治ることが多いです。

急性裂肛になると、排便中や排便後に肛門に痛みを感じ、その後数時間続くことがあります。出血量は少なく、鮮やかな赤い色の血がトイレットペーパーにつくくらいです。

自分でできる「切れ痔の対処法」

切れ痔になったときは、次のように対処してください。

患部を清潔に保つ

肛門が不衛生な状態だと、症状の悪化や、切れ痔から感染して肛門周囲膿瘍を起こすことがあります。また、浸出液によって、肛門周囲に皮膚炎を起こす場合もあります。

※過度の洗浄(シャワートイレや市販のおしりふきなどによる)は逆に肛門粘膜・皮膚を乾燥させ、裂肛の原因になるため注意が必要です。

便秘や下痢を起こさない

便秘予防では、肉類の過剰摂取を避け、水分や食物繊維をしっかり摂りましょう。下痢予防として、冷たい飲み物やアルコール、香辛料などの過剰摂取は避けてください。

入浴や坐浴を行い、清潔を保つ

湯船にゆっくりと浸かる、下着の上からカイロで温める、温座パッドをあてるなどして患部を温めると良いです。温めることにより、血流が良くなり、傷がはやく治ったり、痛みが改善されたりします。

「自分で治せる?」それとも「病院で治療すべき?」

医師男性
排便中や排便から数時間以内の肛門の痛みや少量の出血であれば、自宅ケアで治せる可能性があります。

ただし、かゆみがある、便が出にくいなどの症状がある場合、切れ痔が慢性化している可能性があります。病院での治療をおすすめします。

また、薬を使っても治らない、痛みがあるといったときも、病院へいきましょう。

切れ痔で肛門がいびつな形になっていたり、むくんでいたりして難治性の切れ痔潰瘍の可能性がある場合は、クローン病、結核、扁平上皮癌、悪性黒色腫梅毒、白血病、HIV感染症などの病気の可能性もあります。一度病院で診てもらいましょう。

放置してはいけない切れ痔

かゆみがある、便が出にくいなどの症状がある場合、慢性の切れ痔(慢性裂肛)の可能性があります。慢性の切れ痔は治りにくく、2~3か月以上かかる場合もあります。

また、次のような切れ痔は、自然治癒が困難です。病院を受診してください。

脱出性裂肛

いぼ痔や肛門ポリープがくりかえし肛門から脱出するときに、肛門上皮が引っぱられてできる切れ痔。

症候性裂肛

クローン病など、全身性疾患※の症状の一つとして、切れ痔が起こる。

※全身性疾患:症状などが全身の臓器などにあらわれる病気のこと。

慢性の切れ痔を「放置するリスク」

医師男性
慢性の切れ痔は、放っておくと肛門ポリープ潰瘍肛門皮垂(肛門周囲の皮膚のたるみ)が生じます。

肛門ポリープ

ポリープが大きくなると、排便時に飛び出すようになります。排便のたびに脱出を繰り返すと、根元が裂けて痛みや出血を起こし、日常生活に支障をきたします。

潰瘍

潰瘍で肛門が狭くなり、さらに排便しにくくなったり、排便時に激しい痛みが起こったりします。これにより、排便を我慢するようになり、さらに悪化するという悪循環に陥ります。

肛門皮垂

肛門を清潔に保つことが難しくなり、症状の悪化や肛門周囲膿瘍※を起こすことがあります。
※肛門周囲膿瘍:肛門の周囲に膿が溜まった状態。

全身性疾患による症候性裂肛の場合、疾患が進行する可能性があります。

よくある悩み「切れ痔を繰り返す」

切れ痔 放置
切れ痔を何度も繰り返します…。どういった問題が起こるでしょうか?
女性
医師男性
切れ痔を繰り返すと肛門狭窄※を起こして、スムーズに排便できなくなります。肛門狭窄は、手術での治療が必要になります。

※肛門狭窄:肛門が狭くなって、広がりにくい状態のこと。

病院へ行くべきケース

医者

医師男性
・かゆみがある
・便が出にくい
・数か月治らない
・切れ痔を繰り返す
などの症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。

適切な治療を受けることで、傷や痛みの改善が期待できます。また、他の病気の症状の一つとして切れ痔が起こっている場合、病気の早期発見・早期治療にも繋がります。

病院での治療法

病院では、切れ痔に対して次のような治療を行います。

薬物療法

局所麻酔薬やステロイド含有の注入軟膏や座薬を使用して治療を行います。症状によっては、鎮痛薬や抗炎症薬などの飲み薬を使用することもあります。

外科的治療

肛門の狭窄に対しては、外科的治療を行います。外科的処置は、内肛門括約筋の痙攣で障害や病変の原因が特定できる機能的狭窄と、肛門上皮および内肛門括約筋の硬化で起こる器質的狭窄によって異なります。

機能的狭窄

肛門拡張術:症状の軽い機能的狭窄では、肛門に指を入れて、広げます。

器質的狭窄

側方内括約筋切開術:肛門の皮膚からメスを入れて、狭くなった内括約筋を切り開きます。

肛門皮膚弁移動術:切れ痔が起きている部分や肛門ポリープ、イボを取り除いて、肛門の外側の皮膚の一部を移動し、肛門をひろげます。器質的な肛門狭窄の場合、この方法を用います。

\この記事は役に立ちましたか?/
役に立った! 24
不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

修正箇所
メールアドレス
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
不正確な箇所についてのご指摘
※「上から2番目の画像が不鮮明」「最初の段落の◯◯という情報の追加を希望する」等、問題箇所についてご指摘いただけたら幸いです。

貴重なご意見をありがとうございます
Medicalookはよりお役にたつ情報をお伝えできるよう、ご意見を参考にサイトの改善を行って参ります。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
送信エラー
大変お手数ですが、ページを更新いただき、再度ご意見をご送信ください。
更新後も再び送信エラーが発生する場合は、 お問い合わせページ からご連絡いただけますと幸いです。

関連キーワード

キーワード