冷湿布?温湿布?薬剤師が成分から湿布の違いを徹底比較

公開日:2019-08-30 | 更新日:2020-07-07
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冷湿布?温湿布?薬剤師が成分から湿布の違いを徹底比較

湿布は数ある薬の中でも特に身近な存在と言えます。

湿布は打ち身や捻挫などの痛みに使う場合が多く、風邪薬と同じように若い世代の方でも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。また、高齢者になると腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みが出てくることも多いので老若男女問わずに使われることが多いですよね。

そんな身近な湿布ですが、皆さんは湿布にもいろんな種類があることをご存知ですか?

今回は、湿布に含まれている成分からその違いについて解説していきます。

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執筆者

廣瀬 安國 先生


薬剤師

廣瀬 安國先生

経歴

薬剤師。広島の大学を卒業後に福岡の調剤薬局に就職。現在は広島市内の調剤薬局にて勤務。ライターとしては2018年10月から活動開始。

1.そもそも湿布とは?

湿布は、紀元前のギリシアにも記録が残っており、古くには打ち身を冷やすために馬肉をスライスしたものを貼り付けたり、布に薬を塗りつけて貼り付けていたものが起源となっています。

湿布は痛みを抑える薬剤が含まれていて皮膚から吸収されて効果を発揮します。飲み薬に比べると痛みのあるところにだけ効果を発揮するので副作用が少ないというメリットがあります。また、痛みのあるところに貼り付けるだけと使用法がとても簡単で便利なものになっているのも特徴です。

1-1. 湿布に含まれる主な成分と効果

湿布に含まれている成分としては次のようなものがあります。

①サリチル酸メチル

古くから使われている鎮痛薬で関節痛や打撲、捻挫などの症状をやわらげる効果があります。現在では温湿布や冷湿布に使われることが多いです。

②カプサイシン

温湿布に含まれる唐辛子由来の成分になります。カプサイシンが皮膚を刺激することで血管が広がり血流量が増えるので湿布を貼ったところを温める効果があります。

皮膚を刺激して感覚神経を鈍らせて痛みを感じにくくする効果もありますが、ヒリヒリしてしまうので肌が敏感な人や炎症が起きている場合には使用を避けたほうがいいでしょう。

③メントール

冷湿布に含まれていることが多い成分で独特の清涼感を持っています。

実際に温度が下げるわけではなく、神経の冷たさを感じる部分に作用して冷たく感じさせます。

しかし、実際に体を冷やした時と同じ反応を示して感覚を鈍らせるので痛みをやわらげる効果があります。

④非ステロイド性抗炎症薬

インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナクなどは現在市販されている湿布や処方が必要な湿布に含まれていることが多い成分です。

これらの成分は非ステロイド抗炎症薬に分類されていて、高い鎮痛、抗炎症作用を示します。

現在販売されているほとんどの湿布は、非ステロイド性抗炎症薬が使われています。

2.湿布の種類

湿布には大きく分けてパップ剤とプラスター剤(テープ剤) が存在しています。それぞれ特徴があり下記の通りになっています。

パップ剤

水分を多く含んでいるのが特徴で、パップ剤に含まれている水分が蒸発することで熱を下げる効果があります。また、肌との密着性が低いのでかぶれにくいというメリットがあるのですが、同時に剥がれやすいというのがデメリットになっています。

見た目は白くて厚いことが多いです。

プラスター剤(テープ剤)

肌との密着性が高く剥がれにくいのが特徴になっています。

メリットとしては関節などよく動く場所に貼っても剥がれにくいので貼り直す手間が少なく長時間使用することができます。

デメリットとしては剥がすときに皮膚を痛めたり、長時間の使用でかぶれやかゆみが出ることもあるので注意が必要です。

見た目は肌色で薄いことが多いです。

温湿布と冷湿布の使い分けは?

捻挫や打撲、ぎっくり腰などの急に起きた怪我の場合は熱を持ったり腫れたりして赤みを帯たりすることがあります。この場合は熱を下げて炎症を抑えることが効果的なので冷湿布を使うのがいいでしょう。腫れや赤みが引くまでを目安に使ってみてください。

慢性的に続く痛みについては筋肉の緊張や血行の悪さによって凝ることが原因の場合が多いので血流を良くして温める効果がある温湿布が効果的になります。

しかし、温湿布、冷湿布は両方とも鎮痛作用を持っているので使用感の良い方で選んでも問題はありません。

3.湿布の選び方 症状別で解説

※市販薬は、比較的症状が軽度で、短期間の使用に向いています。症状がひどい場合には、できるだけ早めに医療機関を受診し、正しい治療を受けるようにしましょう。

3-1. 症状別で選ぶ

①腱鞘炎

手首の腱鞘炎の場合は関節部分で比較的動きが大きいため剥がれにくいテープ剤がおすすめです。

ビーエスバンFRテープV

ビーエスバンFRテープV 7×10cm

ビーエスバン
  • 廣瀬安國

  • 数あるテープ剤でも「ビーエスバンFRテープV」は非ステロイド性抗炎症薬のフェルビナクが配合されている上に伸縮素材を使っており、手首の動きに合わせて伸びるため剥がれにくくなっています。

 

②ぎっくり腰

ボルタレンEXテープ

ボルタレンEXテープ

ボルタレン
  • 廣瀬安國

  • 急性腰痛とも呼ばれていて欧米では魔女の一撃などと例えられています。強い痛みがあり炎症を伴っている可能性もあるので強い鎮痛消炎作用が期待できる「ボルタレンEXテープ」がおすすめです。ボルタレンは長時間作用するのが特徴で一日一回貼るだけで十分な効果が持続します。

 

③慢性的な腰痛

フェイタスシップ温感

フェイタスシップ温感

久光製薬
  • 廣瀬安國

  • 慢性的な腰痛は血行の悪さと筋肉の凝りによって起きることが多いため温めて血行をよくすることが効果的です。「フェイタスシップ温感」は非ステロイド性抗炎症薬であるフェルビナクとカプサイシンを含んでいるトウガラシエキスが配合されているので温める効果が高いと言えます。

 

④肩こり

ハリックス

ハリックス55EX温感A

ハリックス55
  • 廣瀬安國

  • パソコンなどの作業で同じ姿勢を長時間続けることが慢性的な肩こりに悩まされる方が多いですが血流改善を目的にするなら温湿布がいいでしょう。その中でもハリックス55EX温感Aは痛みを抑えるサリチル酸グリコールと炎症を抑えるグリチルレチン酸という二つの成分を含んでいて温感成分のトウガラシエキスを含んでいるので上記のフェイタスシップ温感と合わせてオススメの温湿布になります。

3-2. シーン別で選ぶ

①皮膚が弱く、すぐかぶれてしまう方

かぶれにくさで選ぶなら水分を多く含んで密着性が低いパップ剤を選ぶのがいいでしょう。

その中でも「クールリフェンダ」は冷感タイプのパップ剤で肌と同じ弱酸性の材質になっているため比較的低刺激な湿布になっています。それでもかぶれる場合は塗り薬などを検討してみてください。

②匂いをできるだけ抑えたい方

湿布には独特の匂いを持つものが多いですが「のびのびサロンシップα無臭性」は商品名が示す通り、匂いが少ないのが特徴です。匂いを気にする接客業などの方にはオススメと言えます。

 

4.湿布使用時の注意点

湿布かぶれがひどい場合はどうすればいい?

かぶれが酷い場合は湿布を貼るのは避けてかぶれに対応する塗り薬を塗りましょう。痛みが気になる場合は湿布ではなく塗るタイプの鎮痛剤に切り替えることも検討してください。

どうしても湿布を使用するのであればガーゼをかぶれたところに貼りその上に湿布を貼る方法があります。

湿布かぶれを予防するには汗をよく拭く、入浴前後30分くらいは皮膚を休ませる、日光に当てないことがあります。

5.こんなときは早めに病院へ

次のような症状が見られる場合には、早めに病院を受診してください。

・腫れや赤みが治らない

・電気が走るようなピリピリした痛み

・かぶれが酷い場合

・痛みがかなり強い場合

・痛みが治まってもしばらくしたら痛みが再発する

・改善が見られない場合

上記のようなこと以外でも湿布を使用してから体調変化がある場合は早めに専門の病院へ受診してください。

6.おわりに

湿布は患部に貼り付けるだけと使用法が簡単で高齢者だけでなく若い世代の人でも使ったことがある人が多い最も身近な薬の一つと言えます。

そんな身近な薬である湿布にもたくさんの種類があります。それぞれの特性を理解することで、より効果的に湿布を選択して利用することができますので今回の解説を参考にしてみてください。


執筆者

廣瀬 安國 先生


薬剤師

廣瀬 安國先生

経歴

薬剤師。広島の大学を卒業後に福岡の調剤薬局に就職。現在は広島市内の調剤薬局にて勤務。ライターとしては2018年10月から活動開始。

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