指の皮膚が硬化してひび割れ…よくある原因と対策。薬は？病院行くべき？

硬くなった指先が、ぱっくりと割れた…。

指のひび割れの原因と対処法を、お医者さんが解説します。
おすすめの市販薬や、塗り薬の正しい使用方法も要チェックです。

監修者

ルサンククリニック銀座院
院長

長谷川 佳子先生

経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院　形成外科、藤沢湘南台病院　形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター　形成外科
を経て横浜栄共済病院　形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任

指の皮膚の硬化の「原因」

指先の皮脂不足や乾燥が原因で硬化が起こります。
指先が硬化した状態で、曲げ伸ばしを行うとひび割れが起こります。

ひび割れは、ただの肌荒れではなく“皮膚疾患”です。

乾燥を招くのはこんな行動

• 40℃以上のお湯で水仕事を何度も行う
• 洗浄力が強い食器洗剤を使用している
• 手指消毒液を使い過ぎている
•  紙製品を繰り返し触る

ひび割れを発症しやすい人

• 主婦（夫）など水仕事が多い人
• 飲食業・美容師・花屋など水に触る機会が多い人
• ひんぱんに紙を触る仕事をしている人
• レジ打ちの仕事をしている人

指がひび割れて、痛い！どう対処する？

ひび割れ用の市販薬の使用をおすすめします。
市販薬を1週間程度使用しても、良くならない場合は皮膚科を受診してください。

どんな薬がおすすめ？

指の硬いひび割れには「保湿成分（セラミドやヒアルロン酸など）」「ビタミンE」「かゆみ止め」などが配合された塗り薬をおすすめします。

ビタミンEは血行促進をして早く快方に向かわせます。
保湿成分（セラミドやヒアルロン酸など）は不足している皮膚のバリア機能を補助します。

市販薬を1週間以上塗っても、症状が改善されないときは、皮膚科を受診しましょう。
症状にあった薬を処方してもらえるので、早めに改善することができるでしょう。

塗り薬の正しい塗り方

1. 指をきれいに洗い、水分をしっかり拭き取る
2. 両手に広がる程度の量の塗り薬を、手のひらや甲に出す　
3. 両手にしっかりと塗る、爪や爪の周りも乾燥しやすいのでしっかり塗る
4. 水仕事の後は繰り返し塗る（１日の中でも数回つけ直すと良い）

指のひび割れを悪化させるNG行動

細菌が繁殖していそうな場所・冷たい水・お湯に触れるのは避けましょう。
また、絆創膏を長時間の使用するのは控えてください。

ひび割れは、刺激や乾燥によって広がります。
ひび割れている箇所は皮脂膜がなくなり、刺激が入りやすくなっています。

絆創膏を長時間使用すると、蒸れてしまい細菌感染・症状悪化につながります。
入浴時などに、一時的に絆創膏を使用するのは構いません。

指の皮膚の硬化の「対策」

指が硬くひび割れているときは

1. 水仕事はぬるま湯で行う
2. 入浴する
3. 生活リズムを整える

ことを意識して生活しましょう。

対策①　水仕事はぬるま湯で行う

水仕事はゴム手袋を使用して、30℃前後のぬるま湯で行ってください。
冷たい水は刺激になり、熱いお湯は皮脂を奪うため、ひび割れの原因となります。

対策②　入浴

シャワーではなく、38～40℃の湯船につかってください。
入浴によって指先の血行が促進され、皮膚の再生が早まります。

対策③　生活リズムを整える　

1日7時間以上の睡眠、ビタミン・ミネラル・タンパク質を含む食事の摂取を心がけましょう。
十分な睡眠や栄養補給は、皮膚の生まれ変わりを促進します。
甘いものの摂りすぎは、皮膚や体の老化を促進させるので控えましょう。

睡眠環境の整え方

• 寝室の温度は16～26度を保つ
• 寝室の湿度は50％前後を保つ
• 睡眠前のカフェインを控える
• 睡眠前の飲酒を控える
• 体を締め付けない下着や服装を選ぶ
• アロマを焚くなど

おすすめの食材

• ビタミン…
  にんじん、ほうれん草、春菊、モロヘイヤ、かぼちゃ、オレンジ、キウイ、りんご、ゴーヤ、ブロッコリー、じゃがいも、ピーマン、パプリカ、マグロの油漬缶、アーモンド、落花生、オリーブオイル、ごま油
  
  
• ミネラル…
  牛乳、ヨーグルト、チーズ、ひじき、いんげん、小松菜、いんげん、オクラ、かぼちゃ、トマト、ニラ、にんじん、ピーマン、ブロッコリー、長芋、昆布、豚肉、豆類、ひじきなど
  
  
• タンパク質…
  鶏ささみ、ローストビーフ、牛もも肉、豚ロース、イワシ、かにかまぼこ、魚肉ソーセージ、卵、きな粉、納豆、油揚げ、豆腐、豆乳、プロセスチーズなど

病院に行く目安

• 市販薬を1週間以上使用しても改善しない
• 出血・痛みが続く（つらい）

というときは、皮膚科を受診しましょう

ひび割れは、ただの肌荒れではなく“皮膚疾患”です。
医師の指導を受けて正しく薬を使用すれば、スムーズに症状が快方に向かうので、たかが肌荒れと思わずに皮膚科に行きましょう。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。