脇汗がない無汗症が、うらやましい?無汗症の本当のこと教えます!

公開日:2019-03-25 | 更新日:2020-05-21
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脇汗がない無汗症が、うらやましい?無汗症の本当のこと教えます!

少しずつ暖かくなってきました。これからは汗が気になる方もだんだん多くなってきます。 汗は、臭いが気になるなどあまりイメージはよくありません。 ですが、汗には、私たちが健康に過ごすための、重要な働きがあるのをご存じですか? 汗をかかなければ、私たちの体は、大きなトラブルに見舞われることもあるのです。 ここでは、汗をかけない「無汗症」という病気について、説明します。

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監修者

長谷川 佳子 先生

小田原銀座クリニック
形成外科医

長谷川 佳子先生

経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
平成26年よりKO CLINICに勤務
平成29年2月より小田原銀座クリニックに勤務

暑くても、汗をかけない無汗症

無汗症とは、全身的に発汗がない(汗をかかない)状態を言います。 次のような障害に起因して、起こります。

  • 汗の分泌障害
  • 排出障害など

無汗症は、高温多湿の環境下でも、汗をかきません。 原因は多岐にわたり、中には、原因が不明なものもあります。 汗をかかないので、皮膚が乾燥し、かゆみが出やすくなります。 高温になると、体温調節障害により、次のような症状が出ます。

  • 発熱
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 動悸(どうき)
  • 脱力など

熱中症を、引き起こす場合もあります。 そのせいで、暑い時期に外出ができない、行く場所が限られるといった、生活に支障をきたす方もいます。  

主な症状は「ほてり感・顔面紅潮・頭痛」

女性は特に、汗をダラダラかいてしまうのを、不快に感じがちです。 できれば、サラサラ状態で過ごしたいと、思うものですよね。 汗をかかない無汗症は、都合がいいと考えてしまうかもしれません。 しかし、それは大きな間違いです。 汗には、次のような、とても重大な働きがあります。

  • 体温調節機能
  • 保湿機能
  • 免疫機能など

これらの機能に異常が生じると、次のような症状が起こります。


・運動や暑熱環境で「うつ熱(※)」が生じる 
※うつ熱:高体温状態になり、40度を超える熱が出ることもある

  • ほてり感
  • 体温上昇
  • 顔面紅潮
  • 頭痛
  • めまいなど


重症化すると、熱中症を発症します。 汗をかかないということは、生活するうえで、致命的といっても過言ではありません。

成長してから、汗をかけなくなることも

無汗症は、次の二つに分けられます。

全身性無汗症

<先天性> 先天性無汗症には、次のような症状があります。

  • 先天性無汗性外胚葉形成不全(せんてんせい・むかんせい・がいはいよう・けいせいふぜん)
  • 先天性無痛無汗症
  • ファブリー病など


<後天性> 後天性の無汗症は、大人になってから、汗をかけなくなる疾病です。 血圧が低下するなどの、症状があります。 先天性同様、汗をかけないため、高温環境では、体温が上昇しやすく、熱中症になりやすいです。 しかし、発汗以外の、体の異常はありません。 後天性無汗症には、次の疾病があります(いずれも原因は不明です)。

  • 特発性無汗症
  • 続発性無汗症

続発性無汗症の原因は、次のような疾患が考えられています。

  • エクリン腺異常(全身にある汗腺に何らかの異常が生じる)
  • 交感神経異常(自律神経に異常をきたす)
  • 自己免疫疾患(自分の細胞を異物と認識し、排除しようとする疾患)
  • 薬剤など  

ステロイド剤が効くことも

一部の場所ではなく、全身広範囲の無汗症は、次のことに気をつけて、体温調節を行います。

  • 運動制限
  • 涼しい状態などの環境維持

先天性無汗症には、治療法がありません。日常生活で、熱中症にならないように、注意します。 後天性無汗症の中で、基礎疾患(※)が原因で、後天性無汗症が発症している場合は、元になった疾患の治療が行われます。

※基礎疾患:ある病気になった時の原因の病気。 後天性特発性無汗症では、ステロイド剤の全身投与が有効な場合があります。 ステロイド剤の作用で、症状が軽くなったり、良くなったりする可能性があります。

できるだけ、涼しい環境で過ごす

無汗症の人は、運動後や、高温多湿なところに、長い時間滞在していると、熱中症を発症する恐れがあります。 できるだけ、涼しい環境で過ごすようにしてください。 特にこれから暑い時期などは、いつでも体を冷やせるように、ペットボトルの携帯を心掛けてください。

まとめ

汗っかきで困っている人にすれば、無汗症は汗が出なくて、うらやましいと思っているかもしれません。 汗には、次のような重要な働きがあります。

  • 体温を調整する
  • 老廃物は排せつする

このように、生きていく上で、重要な働きを担っています。 現在、無汗症の病態を解明する研究が、進められています。 気になる症状がある場合には、専門医療機関を受診して、医師の指示に従って、治療を受けましょう。  

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【参考文献】

特発性後天性全身性無汗症 難病情報センター
・特発性後天性全身性無汗症
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/h28-1-024.pdf
特発性後天性全身性無汗症診療ガイドライン改訂版-日本東洋医学会
https://www.jsom.or.jp/medical/ebm/cpg/pdf/A18.pdf
先天性無痛無汗症-国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/028.html

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