医師がやさしく解説!慢性疲労症候群(CFS)をみんなで知ろう!

公開日:2018-10-17 | 更新日:2020-10-05
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医師がやさしく解説!慢性疲労症候群(CFS)をみんなで知ろう!

慢性疲労症候群という状態をご存じですか?「誰だって疲労はたまっているもの…」と、さほど重い状態だと考えない人が多いのではないでしょうか?
しかし、慢性疲労症候群は予想している以上に症状が重く、治療が困難な病気なのです。

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監修者

岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

重くなると「寝たきり」に…

慢性疲労症候群は「筋痛性脳脊髄炎」とも呼ばれています。
微熱、筋肉痛、頭痛、倦怠(けんたい)感、リンパの腫れや痛み、睡眠障害、思考力低下、ひどい疲労感、うつなどの症状が長期にわたって続きます。
期間の目安は6ヶ月以上になります。
突然、上記のような症状に襲われ、仕事や家事に支障をきたすこともあります。
重度の場合は、寝たきりになってしまうケースまであります。

慢性疲労症候群を引き起こす原因はまだはっきり解明されていませんが、遺伝的要因やストレスによる神経、免疫系、内分泌の変調が原因なのではないかと考えられています。

慢性疲労症候群は、血液検査や尿検査などで病気を特定することができないため、現れている症状から他の病気の可能性が全部否定された段階で初めて慢性疲労症候群ではないかと診断されます。

20~50歳台女性の発症が多く、アレルギー疾患を伴うケースが多くあります。
国内におよそ36万人もの患者がいるといわれていますが、医療や福祉体制がいまだ整っておらず、国の難病指定を受けることもできていません。

現役の医師でも理解があるとは限らない?

上述したように、慢性疲労症候群はまだはっきりした原因が分かっておらず、症状を確定するための検査も確立されていません。
そのため、この病気を専門にしている医師が少ないのが現状です。

具体的な症例

慢性疲労症候群と診断されたAさんは、「自分の意思で思うように体が動かない、一時的に起きることはできるが、体に力を入れ続けることが困難、体中が弱っているような感覚」と訴えたほど深刻な状態に見舞われています。

検査を受けても異常は見つからず、慢性疲労症候群と診断できる医師がほぼいないこともあり、病院を転々とした末にやっと専門医の診断を受けることができ、病名が判明しました。

しかし、やる気がないとか怠けているといった偏見や誤解を受けることも多いのです。
慢性疲労症候群は、発症した当人しかわからない体と心の苦しみがあります。
頑張ろうと思っているのに体がついて行かず、気持ちと体が一致しない苦しみです。
ケアをする人や周囲の人には、慢性疲労症候群という病気についての知識を深めていただきたいと思います。
そして、「怠けようとしているわけではない」と理解してあげることが最も重要です。

どんな薬が処方されるの?

薬物療法が慢性疲労症候群の主な治療法になります。

漢方薬

疲れやすい人に煎じられる補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの漢方薬を服用し、身体の免疫力を高めることを目的とした治療法です。

ビタミンC

体の中の活性酸素が細胞を傷つけるのを防ぐために、強い抗酸化作用をもつビタミンCを服用します。

抗ウイルス薬、免疫調整剤

これらの薬物は免疫系の回復を促進する治療法です。

抗うつ剤、精神安定剤

うつ病に用いられる薬物が効果的な場合もあるため、症状に合わせて服用するケースがあります。

今後の治療はどうなる…?

現段階では、慢性疲労症候群の明確な原因が分かっていないため、今後も引き続き原因の解明が求められています。そして、診断法、治療法の早急な確立が期待されます。

慢性疲労症候群を患っている人は、「心の病気ではないのか?」「ただ怠けているだけでは?」と自分で自分を責めて悩み、周りからの心無い言葉に苦しい思いをすることもあります。
身体的な苦しみだけでなく、このような心の痛みまで抱えているのは本当につらいだろうと思います。
その苦しみを軽減するには、周囲の人々の正しい理解が必要です。

そして、一日も早い診断法、治療法の確立と、国や地域の支援体制の強化が望まれます。

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