子どものインフルエンザの初期症状と対処。風邪との違い|小児科専門医監修

更新日:2022-12-16 | 公開日:2022-02-28
19

本サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。コンテンツ内で紹介した商品が購入されると売上の一部が還元されることがありますが、コンテンツは自主的な意思で作成しています。

子どものインフルエンザの初期症状と対処。風邪との違い|小児科専門医監修

「もしかしてインフルエンザ?」
「風邪かな、インフルエンザかな?」
インフルエンザの初期症状の特徴と、インフルエンザにかかったらとるべき対処法をお医者さんが解説します。

監修者
武井 智昭 先生

高座渋谷つばさクリニック
院長

武井 智昭先生

経歴

公益社団法人 日本小児科学会 小児科専門医

2002年 慶應義塾大学医学部を卒業
2002年 慶應義塾大学病院 にて小児科研修
2004年 立川共済病院勤務
2005年 平塚共済病院小児科医長として勤務
2010年 北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室勤務
2012年 横浜市内のクリニックの副院長として勤務
2017年 「なごみクリニック」の院長として勤務
2020年 「高座渋谷つばさクリニック」院長就任

COVID‑19 banner

子どものインフルエンザの初期症状

インフルエンザにかかった場合、以下のような初期症状が出ることがあります。

<よくある初期症状>

  1. 発熱
  2. 頭痛
  3. 関節痛
  4. 倦怠感
  5. 咳・くしゃみ
  6. 鼻水
  7. 吐き気・嘔吐
  8. 下痢

インフルエンザと風邪の違い

「インフルエンザ」と「よくある風邪」の症状の違いは、いったいどういったことがあるのでしょうか?

  インフルエンザ 風邪
症状 発熱、頭痛、咳、喉の痛み、鼻水、関節痛、倦怠感等 発熱、喉の痛み、鼻水、くしゃみ等
進行の早さ 急激に進行する
(A型は特に)
緩やかに進行するケースが多い
発熱 38度以上の高熱 微熱
または37度台の発熱
症状がでる体の部位 全身に症状が現れる 主に上気道炎症状喉(喉、鼻)

「インフルエンザ」と判断するポイント

  1. 38度以上の高熱が出る
  2. 激しい悪寒
  3. 強い倦怠感・疲労感
  4. 頭痛
  5. 関節痛
  6. 地域の学校、幼稚園、保育園、会社等でインフルエンザが流行しているかどうか
医師男性
上記は目安なので、気になる症状がみられる場合は医療機関を受診してください。

小児科を探す

インフルエンザ初期の対処法

インフルエンザにかかったら、どう対処すればいいのか。インフルエンザ感染初期の過ごし方と自宅ケアの方法を解説します。

早く治すための過ごし方

  1. 安静にする。
  2. 睡眠を十分とる。
  3. 水分補給をこまめに行う。
  4. 高熱が出ている場合はお風呂に入らない。
  5. 食欲がある場合は、免疫力を高めるため食事を摂る。
  6. 部屋が乾燥しないように注意する。

家族にうつさない方法

医師男性
家庭内パンデミックを防ぐために、以下のことを気をつけましょう。
  1. 手洗い、うがいをこまめに行う。
  2. マスクを付ける。
  3. 手指をアルコールで消毒する。
  4. 感染者とは違う部屋で寝るようにする。
  5. 免疫力を高めるために、十分な栄養と睡眠をとる。
  6. 部屋の中は適度な湿度を保つようにする。

インフルエンザは自然治癒する?

医師男性
インフルエンザを発症しても、症状が軽い場合は自然治癒するケースがあります。

検査のタイミング

健康診断

医師男性
(症状や病状にもよりますが)発熱などの症状が出てから12時間以上~48時間以内の受診が適しているといわれています。

インフルエンザが疑われる場合、迅速判定キット等を用いることで診断できます。

近年、迅速判定キットの性能が向上したため、以前より正確に診断できるようになったようですが、基本的には、インフルエンザの症状が現れてから12時間ほど経過していないと正確な診断ができない場合があります。

すぐに病院を受診した方がいい場合

医師男性
以下のような症状がある場合は、すぐに時間外でも病院を受診してください。
  1. 息苦しそうにしている
  2. 水分を摂れない
  3. 呼びかけても反応が薄い
  4. 顔色が悪い
  5. 嘔吐や下痢が治まらない
  6. 排尿量が少ない
  7. けいれん

小児科を探す

合わせて読みたい
1歳のインフルエンザ予防接種。時期や間隔、副反応は?|小児科専門医監修
2022-02-28
1歳の子どものインフルエンザの予防接種のスケジュール(時期や間隔)や費用などを紹介します。 そもそも1歳児に予防接種は必要なのか、発熱や卵アレルギーの場合はどうすべきなのかも解説するので参考にしてくださいね。 1歳児に予防接種は必要? 1歳になったら、インフルエンザの予防接種を受けた方がいいのでしょうか? 乳幼児は、病気に対する免疫が未熟なため、インフルエンザ等の病気に感染すると、重症化(インフルエンザ脳症や肺炎など)したり、命の危機に晒されたりする恐れがあります。 そのため、病気を予防し、子どもの健康を守るという観点から、予防接種を受けることが推奨されています。 予防接種を受けるか受けないかは、それぞれの家庭により考えが異なるため一概には言えませんが、重症化のリスクも下げられる等を考慮したうえで決めるケースが多いです。 予防接種のスケジュール(時期・回数・間隔) 予防接種の時期や回数、2回目を受けるまでの間隔など解説します。 予防接種をうける時期 10月以降~12月前半までに2回の接種を終わらせておくのが望ましいです。 インフルエンザの流行期は、12月~4月頃で、ピークが1月~3月頃です。 予防接種の回数 生後6か月以上3歳未満の場合は、2回接種が推奨されています。 予防接種の間隔 接種の間隔は、2~4週間が目安ですが、免疫力を考慮すると4週間後が望ましいと考えられています。 2回目のタイミングを逃した場合 2回目接種のタイミングで子どもが発熱してしまい、予防接種に行けませんでした。もういちど最初から受けなおすべきですか? 接種間隔が4週間以上あいてしまっても、ワクチンの効力はあります。 1回目から受けなおす必要はないと考えられています。子どもの体調がよいときに予防接種を受けてください。 予防接種の料金 費用目安は、1回あたり3000円以上~4000円未満です。 ※各医療機関により異なります。 ※インフルエンザ予防接種は、健康保険適用外です。 予防接種の副反応 予防接種後は、どんな副反応がありますか。 インフルエンザ予防接種の副反応は、一般的に軽いと考えられています。 子どもも大人も、副反応に大差はありません。 <代表的な副反応の症状> ワクチン接種部分の腫れ、発赤、痛み 発熱 頭痛 倦怠感 悪寒 アレルギー反応(湿疹、蕁麻疹、かゆみ) ごく稀に、予防接種後30分以内に、アナフィラキシーショック(発疹、発赤、蕁麻疹、かゆみ、呼吸困難等)が起こるケースがあります。予防接種後30分は、急な副反応が生じる可能性があるので、医療機関やその付近で待機して、子どもの様子を観察しましょう。 発熱・風邪気味の場合は? 子どもが体調不良の場合、予防接種はどう判断したらいいのか解説します。 発熱中は受けられる? 予防接種時の注意事項には、37.5度以上の発熱時には受けられないと記されています。 しかしご自身での判断が困難な場合は、小児科等での相談をおすすめします。 小児科を探す 風邪ひき中は受けられる? 体温が37.4度以下で元気がある場合、多少の鼻水・せきが出ていても接種するケースが多いようです。 しかし、前日に38度以上の発熱があった場合や、かぜをひきやすい体質等、心配な場合は、医師に相談してから決めてください。 下痢中は受けられる? 子どもが下痢をしています。予防接種を受けても大丈夫でしょうか…? 少しの下痢程度であれば、予防接種を受けるケースが多いようです。 しかし、37.5度以上の発熱を伴う場合や、その他の症状も見られる場合には、医師にその旨を説明し、状態を確認してもらいましょう。 卵アレルギーの場合は? 子どもが卵アレルギーです。予防接種を受けられますか? 卵アレルギーの程度によりますが、ほぼ問題なく接種できることが多いです。 近年ワクチンの精製が高度になり、卵の卵白の残存成分がほとんどないためと考えられています。 ただし、重篤な卵アレルギーの場合は、稀にアレルギー反応が生じるケースがあるため、予防接種を受ける医療機関で相談してください。 他の予防接種も受ける場合 おたふく風邪やMRワクチン、水痘ワクチンなど、他のワクチンと同時に接種することはできますか? 同時接種の組み合わせや本数に制限はありません。 予防接種の同時接種の安全性は高いと考えられているため、デメリットは特にありません。 注意点としては、予防接種を受ける間隔を把握しておきましょう。 原則として、生ワクチン接種後は4週間(中27日)以上、不活化ワクチン接種後は1週間(中6日)以上間隔をあける必要があります。 予防接種後の生活で気をつけること お風呂や保育園への登園など、日常生活で気をつけるポイントを解説します。 お風呂の入浴はOK? 予防接種の後、お風呂に入っても大丈夫でしょうか? 予防接種後の入浴は問題ありません。接種後2時間程度あけるようにしてください。 また、接種部位をこすり洗いしないでください。 保育園の登園はOK? 予防接種の後、保育園に登園させても大丈夫でしょうか? 体調や機嫌がよければ、保育園に登園させても大丈夫です。 ただし、予防接種後(接種後30分間は様子を観察する必要がある)保育園に登園する場合は、接種した医療機関の医師から注意事項を確認したうえで保育園にその旨を伝えてください。 ※保育園によっては、予防接種後の登園は認めないところもあるため、事前に確認してください。 その他の注意点 <予防接種後に日常生活で気をつけること> 予防接種当日は激しい運動はしない。 接種後、1週間は副反応に注意して様子を観察する。 接種した部分に何らかの異常が見られる場合は、早急に医療機関を受診する。 ▼参考 インフルエンザQ&A|厚生労働省 公益財団法人母子衛生研究会 予防接種Q&A |公益財団法人東京都医師会
合わせて読みたい
2歳児のインフルエンザの症状・対処法。高熱や咳、下痢も|医師監修
2022-02-28
2歳の子どもがインフルエンザになった! 熱や咳、下痢などの症状別の対処法をお医者さんに聞きました。病院受診のタイミングや風邪との違いも聞いたので、参考にしてくださいね。 2歳児のインフルエンザの「症状」 インフルエンザは、感染後1〜2日で発症する場合が多いので、感染の疑いがある場合は、数日体調を見てあげてください。発症前から感染力を持っている場合もあります。 インフルエンザは、感染すると高熱、関節痛、咳、鼻水、悪寒といった症状がみられます。 子どもインフルエンザは、免疫機能が低く、重篤化する場合もあります。重篤化するとインフルエンザ脳症や肺炎を引き起こし、手遅れになると死亡する場合もあります。 人にうつす期間は、発症後1週間程度持続するとされています。 2歳児のインフルエンザの「対処法」 2歳の子どもがインフルエンザにかかったら、ママとパパはどう対応するべきか、解説します。 基本の対処法 2歳児がインフルエンザになったときの、基本の対処法を教えてください。 インフルエンザに感染したような症状(悪寒や高熱、全身の痛みなど)が出た場合は、発熱をして12時間程度を目安に小児科を受診して治療を受けましょう。 検査で陽性となり薬が投与されれば数日で、症状はおさまることが多いです。熱があるうちは、呼吸症状・脱水症状に注意してください。こまめな水分補給が必要です。 熱が下がれば、食欲も戻りますので、食べやすいものや喉越しの良い食べものを与えてください。 入浴も熱がある時は避けてください。入浴は、体力を使うので、元気になってから入れましょう。 小児科を探す 熱が高いときの対処法 38度以上の熱が数日間下がらない場合は、再度病院を受診してください。 細菌感染を合併しているなどの可能性もあり、適切な対応をしてもらいましょう。脱水症状に気をつけて、こまめに水分を補給させます。 咳がひどいときの対処法 子どもの「体勢」と「空気の乾燥」に気をつけてください。 喉の痛みや咳は、横になるとひどくなります。 布団を丸めて寄りかかるような体勢で休ませたり、うつ伏せの体制をとらせたりしましょう。 また、乾燥していると咳は益々ひどくなります。 部屋を加湿して、保湿してください。マスクの着用やのど飴を舐めさせても楽になります。 下痢がひどいときの対処法 水分・塩分の補給を心がけてください。 熱と同様に、下痢がひどいときも脱水に注意が必要です。 自然治癒するの? 自然に治ることはありますか? インフルエンザは、薬を取らなくても自然治癒します。しかし、体への負担が大きいので、できるだけ軽症に済ませるため、発症後は薬を投与するのが望ましいとされます。 病院受診のタイミング 自宅ケアでも大丈夫な場合 熱もなく、元気があり、食欲もあるという場合は診察を受けなくても問題ありません。 ただし、家族や近しい人に感染者がいた場合は、のちに発症する恐れがあります。体調の観察を続けてください。 すぐに病院行くべき症状 38度を超える高熱が出たら、12時間以内を目安に早急に病院を受診してください。 また、 下痢や熱が続いている ぐったりしている 肌や口が乾燥している 尿が少ない 意識が朦朧としている などの脱水の症状が現れる場合があります。このような場合もすぐに病院を受診して手当てを受けましょう。 小児科を探す 薬について 2歳児には、薬はどういったものが処方されますか? インフルエンザの薬には、タミフル(カプセル・粉薬)、があります。 リレンザやイナビルという吸引タイプもありますが、小さなお子さんには、吸引が難しいので粉薬のタイプの処方が多いでしょう。 インフルエンザと風邪の違い 普通の風邪との見分け方を教えてください。 発症力が高く急激に症状が進行します。 風邪の症状の多くが、鼻水や喉の痛みから発症し、発熱しても38度前後で済みますが、インフルエンザは全身の痛みや倦怠感が生じ、頭痛、ひどい咳、高熱(38〜40度以上)などが出ます。症状がおさまってくると鼻水が出るといった場合もあります。 風邪のウイルスと比べるとインフルエンザは、大変感染力が強いです。インフルエンザに感染した人がくしゃみをすればウイルスは空気中に飛び散り、その空気を吸えば感染します。 インフルエンザの予防のためにはマスクの着用、うがい手洗いの徹底をしてください。 特に流行している間は、小さなお子さんを連れて人ごみへ出るのは避けましょう。 2歳児のインフルエンザの予防接種 子どものインフルエンザの予防接種は、毎年10月ころから始まります。2歳児は「2回」予防接種を受けましょう。 ▼詳しくは、こちらの記事をご覧ください。 子どものインフルエンザ予防接種。時期と回数・間隔。副反応も|医師監修 ▼参照 IDSC国立感染症研究所 感染症情報センター パンデミック(H1N1)2009 インフルエンザQ&A

\国が承認した一般用抗原検査キット/
→Amazonで購入する

抗原検査キット


\この記事は役に立ちましたか?/
役に立った! 19
※記事の内容は公開日時点の情報です。掲載後の状況により、内容に変更が生じる場合があります。
不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

修正箇所
メールアドレス
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
不正確な箇所についてのご指摘
※「上から2番目の画像が不鮮明」「最初の段落の◯◯という情報の追加を希望する」等、問題箇所についてご指摘いただけたら幸いです。

貴重なご意見をありがとうございます
Medicalookはよりお役にたつ情報をお伝えできるよう、ご意見を参考にサイトの改善を行って参ります。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
送信エラー
大変お手数ですが、ページを更新いただき、再度ご意見をご送信ください。
更新後も再び送信エラーが発生する場合は、 お問い合わせページ からご連絡いただけますと幸いです。

もいもいさん 漫画

「やる気が出ない…」うつ病自己診断シート

一晩で下がる大人の発熱

おすすめ記事
関連記事