「朝、起きれない…これって大丈夫?」
「仮病じゃないのに、朝からだるい…」
朝、起きられないのはストレスが原因かもしれません。
原因と対処法について、お医者さんに聞きました。
何科で受診すべきかもご紹介します。
監修者
経歴福島県立医科大学卒業
「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。
産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。
「朝起きれない…」ストレス過多のサインかも
ストレスがたまると、睡眠が浅くなるなど、睡眠の質が悪くなります。
その結果、疲れがとれず、気持ちよく起床できないという症状があらわれます。
ストレスで朝起きられないときの対策
ストレスで朝起きられないときは
- 朝日を浴びる
- 熱めのシャワーを浴びる
といった対策をとってみましょう。
その① 体内時計を整える
朝になったらカーテンと窓を開けて、朝日を浴びてください。
朝日を浴びると体内時計が調節されて、脳や体が活性化します。
体内時計が整うと、自然と朝に目が覚めます。
体内時計が整っていないと、強いだるさや日中に眠気が残ることが多いです。
その② 熱めのシャワーを浴びる
朝起床後に熱め(40~42度)のシャワーを浴びましょう。
首・背中・足首などを温めると、血流が良くなり、すっきりと目を覚ますことができます。
また、熱めのシャワーには交感神経を優位にさせる効果もあるため、活動しやすくなります。
こんな症状は…「無理せずに病院で相談を!」

- 朝起きられない状態が、数日〜1週間程度続いている
- 朝起きられないことで、日常生活や仕事に支障が出ている
という場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
上記の症状には、うつ病など心の病気も考えられます。
無理してしまうと、症状が悪化して社会生活を送れなくなる恐れがあります。
悩みは一人で抱え込まず、医師に相談してみましょう。
カウンセリングを受けたり、お薬を服用したりすることで、症状が和らぎやすくなります。
「ストレスで朝起きられない」病院は何科?
ストレスが原因で朝起きられないときは、心療内科・精神科を受診してください。
お医者さんに伝えるポイント
- いつ頃から朝起きられないのか
- 何かきっかけはあったか
- 朝起きるとき、何がつらいか
- 最近楽しいことはあるか
- よく眠れているか
- 頭痛、微熱、めまい、吐き気など体調不良はあるか
診察では、上記の点を聞かれることが多いです。
上手く話せるか心配な場合は、メモにまとめておくとスムーズになってよいでしょう。
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朝起きられなくなる2つの病気
朝起きられないことが続く場合、
- うつ病
- 起立性調節障害
等の病気の可能性があります。
病気① うつ病
気分の落ち込みをはじめ、うつ病の症状は、朝に強く出やすいです。
そのため、朝起きられないという症状があらわれます。
重圧やプレッシャーなど、精神的なストレスが発症の引き金になります。
しかし、何も原因がわからないまま、うつ状態になることもあります。
主な症状
- 朝、起きられない
- だるくて疲れやすい
- 音に敏感になる
- 気分が沈む、なにをしても楽しくない
- 肩こり、首こり
- 頭痛、めまい
- 食欲が湧かない
- 息苦しい
- 喉の違和感
どんな人に多い?
- 生真面目で期待に応えようとする人
- ストレスを感じやすい人
- 人の意見を気にする人
病院は何科?
うつ病が考えられる場合は、心療内科・精神科を受診してください。
病院での治療方法
まずは生活指導を行い、体と心を休ませます。
症状に応じてお薬での治療やTMS治療(※1)などを行います。
重度の場合は、入院や電気けいれん療法(※2)で治療します。
※1 TMS治療…
脳に磁気を当て、脳の特定部位を活性化させる治療方法です。
お薬よりも効果が高く、副作用が少ないです。
※2 電気けいれん療法…
電気で頭部を刺激し、脳をけいれんさせて脳機能の回復をさせる治療方法です。
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病気② 起立性調節障害
自律神経のバランスが崩れている状態です。
血圧が上がりにくいため、朝起きられないという症状があらわれます。
昼過ぎや夕方ごろから元気になることが多いので、仮病と勘違いされやすい病気です。
起立性調節障害の発症には、ストレス・運動不足・水分不足・塩分不足などが関係していると言われています。
主な症状
- 朝、起きられない
- 立ち上がると立ちくらみ、失神する
- 動悸・息切れがする
- 午後になると動ける
- 顔色が悪い
- 食欲がなくなる
- 腹痛
- 疲れやすい
- 乗り物酔いをする
- 集中力が低下する
どんな人に多い?
- 起立性調節障害を発症している家族がいる人
- 10~16歳の思春期の男女
病院は何科?
起立性調節障害が考えられるときは、心療内科・精神科を受診しましょう。
病院での治療方法
睡眠指導や食事療法を行います。
場合によっては、カウンセリングなどを含む精神療法で治療していきます。
食事療法では、水分摂取と塩分摂取を促します。
運動をすすめられる人もいます。
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