ソフロロジー式分娩の出産とは？メリット・デメリット、やり方も｜看護師監修

ソフロロジーって何？
出産の痛みが怖い･･･どうすれば？

そんな妊娠中の女性に知って欲しい「ソフロロジー式分娩」について看護師さんに聞きました。無痛分娩との違いも解説します。

ソフロロジー式分娩とは？

ソフロロジーって何ですか？

心と体をリラックスした状態へと導く分娩法です。

落ち着く音楽を聴きながら出産のイメージトレーニングをしたり、ヨガエクササイズを重ねたりします。呼吸法も重要で、｢フー｣というように長くゆっくり息を吐くことに意識をもっていきます。

リラックスすることで、体に力が入りにくくなり、出産がスムーズに進むと同時に、心地よさを感じて、出産の恐怖心を拭い去り、前向きに捉えられるようになるといいます。

ソフロロジー式分娩のメリット

ソフロロジー式分娩には、さまざまなメリットがあります。

メリット1　出産に前向きになれる

ソフロロジー式分娩により精神が安定すると、出産という未知の経験に対する恐怖心や不安感が除去され、痛みを受け入れて、前向きに出産に臨めるようになる。

メリット2　出産の痛みを緩和する

イメージトレーニング、ヨガエクササイズ、呼吸法を行うことで、麻酔をしなくても陣痛を緩和でき、分娩時の緊張を和らげて、筋肉の緊張も意識的にほぐせる。

メリット3　分娩がスムーズに進みやすい

ソフロロジー式の呼吸法(腹式呼吸)により、さらに心と体がリラックスした状態になり、分娩がスムーズに進むようになる。

メリット4　産後の回復を促進する

リラックスした状態を作れるため、体に過度の力が入りにくくなり、筋肉が柔らかくなる。すると、会陰裂傷を起こしにくくなり、産後の体調改善が早くなり、心に余裕が生まれる。

メリット5　赤ちゃんに酸素を送れる

ソフロロジー式の呼吸法(腹式呼吸)を行うと、お腹の赤ちゃんにたっぷり酸素を送れるので、出産直後に元気な産声を出せて、顔色もきれいなピンク色になるケースが多い。

ソフロロジーのデメリット

ソフロロジー分娩は、「練習すれば大丈夫！いいことづくし！」というわけではありません。デメリットになりえることも知っておきましょう。

デメリット1　面倒と感じるママには向かない

ソフロロジー式分娩法で重要になる｢イメージトレーニング｣等を繰り返し行うことを面倒と感じてしまう方にはあまり向かない方法。

デメリット2　出産本番に成果がでないこともある

ソフロロジー式分娩をしようと決めて、イメージトレーニング、ヨガエクササイズ、呼吸法等の練習を何度行ったとしても、実際に出産のときを迎えると、陣痛の痛みを強く感じてしまい、練習の成果を出せないケースもある。

デメリット3　全員がうまくいくわけではない

ソフロロジー式分娩は、気持ちの面を重要視した方法のため、全員がこの方法でスムーズに分娩が進むとは限らない。

ソフロロジーのやり方

ソフロロジー式ではどんなことをするのか、解説します。

音楽を使用したイメトレ

心が癒されるような優しい音楽を流して聴くことで、心の底からリラックスした状態を作り、出産に向けてのイメージトレーニングを行います。
イメージトレーニングでは、赤ちゃんに会える喜びや赤ちゃんを思う気持ちを育みながら、無意識中にある母性を目覚めさせていきます。

エクササイズ(ヨガ)

ヨガを取り入れたエクササイズを行い、出産に備えます。

呼吸法

分娩時の緊張や不安を取り除き、リラックス状態にして、痛みを逃す呼吸法(腹式呼吸)を行います。
深い呼吸のあとに、ろうそくをふくように、ゆっくり細い息を吐き続ける呼吸法を行い、ママと赤ちゃんどちらにも酸素が届くようにします。

ソフロロジー式分娩と無痛分娩の違い

ソフロロジー式分娩法における陣痛は無痛ではありません。

「ソフロロジー式分娩」では、陣痛は赤ちゃんを迎えるために必要な通過点と考えます。その痛みは赤ちゃんに会うために重要な力と捉え受け入れる、という考えのもと行われます。

一方、「無痛分娩」は、痛みを緩和するために麻酔を使用して行う分娩法です。麻酔をしていますが、意識はあるため、人によっては痛みを感じるケースもあるようです。