乳歯の外側に永久歯が生えた｜自然に治る？歯医者に行く目安は？

「乳歯の外側から永久歯が生えてる…？」
「このまま放置して大丈夫？」

歯医者さんに、正しい対処法を聞きました。
受診の目安や治療法についても詳しく解説します。

放っておいて…自然に抜ける？

乳歯の外側に永久歯が生えてきました…。
乳歯が抜けたら、永久歯の場所も正しい位置に戻るのでしょうか？

はい。
通常は、乳歯が抜ければ、永久歯が元の位置に移動していきます。

以下、乳歯の状態別に、詳しく解説していきます。

ケース①　乳歯がグラついて抜けそうな場合

痛みや腫れなどがなければそのまま様子見で大丈夫でしょう。

ぐらついているということは、すでに乳歯の根っこが吸収されて抜ける準備に入っていると考えられます。

ケース➁　グラつく乳歯に痛みがある

ぐらつきが徐々に大きくなっているのであれば、一時的な痛みと考えるので、そのまま様子見で大丈夫でしょう。

しかしあまりにも痛みが大きい場合は、歯科で乳歯の抜歯を検討します。

抜歯後は、炎症等がなければすぐに通常の生活に戻れます。

ケース③　乳歯がまだ抜けそうにない

乳歯が抜けそうにない場合は、歯科で乳歯の抜歯を検討します。

永久歯がしっかりと出てきて乳歯の外側にあることで、頬肉や唇と接触して違和感や痛みを感じることがあります。

ケース④　子どもが乳歯を抜きたがっている

通常ぐらつきがあれば、自然に取れていくものです。様子を見てもよいでしょう。

ただし、子どもの生活に支障が出ている場合（勉強に集中できない、口の中に手を入れて不衛生など）は、早めに抜歯を検討します。

乳歯の外側に永久歯が生える2つの理由

乳歯の外側に永久歯が生える理由は、

1. 生まれつき
2. 乳歯が虫歯になっている

の2つが考えられます。

それぞれ解説していきます。

理由①　生まれつき

乳歯がまだ抜ける準備中でも、永久歯が乳歯の前や外側に生えてくることは珍しくありません。

歯が生え変わるスピードは個人差があり、一つ一つの歯によっても異なります。

理由②　乳歯が虫歯になっている

乳歯の虫歯が進行して欠落などがあると、その影響により、永久歯が形成不全を起こすケースが見られます。

この場合、永久歯の形が通常とは異なっており、外側から生えてきたように見えることがあります。

乳歯が抜けて永久歯全体が出てきた際に、その形が不完全であれば、治療によるケアが可能です。

歯医者に行くべき？

永久歯が生えてきた位置ごとに、歯医者を受診すべきかどうかについて解説します。

「前歯」が外側に生えてきた場合

前歯の位置から大きくずれていなければ様子を見てもよいでしょう。
生えるべき場所から5mm以上離れている場合は、歯医者での確認が必要です。

また、

• 乳歯がぐらついていない
• 出てきた永久歯で唇の内側を傷つける

などがあれば、乳歯を抜歯して永久歯を正常な位置に戻す必要があります。早めに歯科に相談してください。

「犬歯」が外側に生えてきた場合

こちらも度々起きるケースです。歯のねじれや歯が生えるスペースがないと外側に出てきてしまうことがあります。

歯の状態と顎のスペースなどを歯科医に検査してもらう必要がありますので、早めに相談に行きましょう。

「奥歯」が外側に生えてきた場合

奥歯が外側に生えてしまい、そこで固定されてしまうと、永久歯の噛み合わせが悪くなります。早急に歯科医を受診してください。

ものが噛めない、頬肉を傷つけるなど多くの不具合が起きる可能性があるので、早めに乳歯を抜く必要があります。

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乳歯の抜歯は痛い？麻酔する？

まだ子どもが小さいので抜歯が不安です…。
痛みはどれくらいあるのでしょうか？

抜歯は麻酔を行うので、抜歯自体は痛みません。
まずは、麻酔の注射を打ちますが、その前に表面麻酔のシートを使うので、注射もあまり感覚はないでしょう。

治療の流れ

麻酔が効いたら、歯の周りの組織を切り取り、歯を抜きやすくする準備を行います。
その後、歯を抜き取ります。
出血はしますが、しばらくガーゼを噛んでいれば止まります。

抜歯後に気をつけること

子どもは、麻酔が切れるまでの違和感を気持ち悪く感じます。
また頬の肉を噛んでしまう場合もあるので、麻酔が切れるまでは飲食はさせないようにしてください。

自宅に帰っても、その日は運動や長時間の入浴は避けて安静にしてください。
出血がまた起こるようであればガーゼやハンカチを噛ませれば通常止まります。そのままでもよいのですが、出血が多い場合は縫合します。

抜歯は、約1週間後に行います。

抜歯したら…永久歯は正しい位置に移動する？

時間はかかりますが、正常な位置に向かって移動します。
ただし…

ただし「顎の発達が悪い」「顎が狭い」などの様々な影響で、正常な位置に歯が戻れない場合もあります。その場合は、歯列矯正や部分矯正が必要となります。

曲がった歯列をそのままにしておくと、噛み合わせが悪くなり、ものが噛めないばかりでなく、集中力の低下、頭痛、姿勢の歪みによる運動能力の低下など多くのリスクが出てきます。

歯の生え変わりによる治療は、お子さんの年齢や顎の発達などを専門に診ることができる医師が見極めて行います。

乳歯の外側に永久歯が生えきている状態を放置すると、のちに矯正が必要になり時間と料金がかかるケースもあります。少しでもおかしいなと感じたら、一度相談に行きましょう。

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