公開日:2019-08-30 | 更新日:2021-10-15
妊娠中期(妊娠5ヶ月から7ヶ月)の腹痛。
「お腹の赤ちゃんは大丈夫なの?」
「流産や早産につながるんじゃ・・・」と不安になりますよね。
お医者さんに「妊娠中期のよくある腹痛」や「キケンな腹痛のサイン」についてお医者さんにわかりやすく解説してもらいました。
なぜ?「妊娠中期の腹痛の原因」

妊娠中期、なんだかお腹が痛いです・・・。原因はなんでしょうか?


赤ちゃんが大きくなって、子宮が伸びていることが腹痛の原因と考えられます。
妊娠中期は、どんどんお腹が大きくなるとき。赤ちゃんがお腹の中にいる実感が得られてくる幸せな時期ですね。
この時期は、赤ちゃんが大きくなるので、子宮も一緒にぐんぐん伸びています。それにより靭帯が引っ張られて、腹痛を感じることがあります。
妊娠中期によくある腹痛
- お腹の張り
- 生理痛のような腹痛
- 下痢のような腹痛
- ズキズキとした腹痛
- チクチクとした腹痛
- ツーンとした腹痛
【体験談】妊娠中期の腹痛

お腹が張るのとは別で、ちくちくと針が刺さるような痛さがありました。痛さがある時は座ったり横になったりと休んでいました。
(0歳の女の子のママ)

お腹のなかが引っ張られるようなピーンと突っ張る感じの痛み、感覚になる時がありました。とても不安になり、そうなったときはすぐ横になるか座って休みました。
(3歳の男の子と5歳の女の子のママ)

時々下腹部の鈍痛、生理痛のような痛みがありました。我慢できない痛みではなくズーンと重い感じでした。
(2歳の男の子のママ)
妊娠中期の腹痛は、少しの張り・痛みであれば問題ないことが多いです。
ただし、「いつもと違う痛みがある」「痛みがひどい」など、心配な場合は病院を受診しましょう。
「胎動あり」なら腹痛があっても大丈夫?
「胎動あり」なら腹痛があっても大丈夫と聞いたのですが…本当でしょうか?


絶対大丈夫とは言い切れません。
かかりつけの産婦人科で、「何が原因で腹痛が起こっているか」をきちんと診てもらいましょう。
少し横になってよくなれば問題ありませんが、30分以上続く、痛みが何度も起こる場合は病院へ連絡しましょう。
どんな腹痛は”危険のサイン”


- 激痛(今までに感じたことのない腹痛)
- 膣からの出血を伴う腹痛
- 生理痛ののうな痛みが「規則的な間隔で」起こる
という場合は、すぐに病院に連絡し、医師の指示に従い受診しましょう。
「お腹に激痛がはしる」
「膣からの出血を伴う」
→妊娠継続に問題が出た可能性もあります。
切迫早産や切迫流産となることもあるので、すぐに病院を受診しましょう。
「生理痛のような痛みが”規則的”にある」
→「陣痛が始まっている」可能性があります。
お腹全体へ広がる痛みが20から30分間隔で規則的にある場合は、子宮の収縮が始まっている可能性があります。早産の恐れもあるので、すぐに病院へ行きましょう。
\先輩ママのアドバイス/

キリキリとした腹痛で耐えられなくて、病院を受診しました。便秘が原因でしたが、何か心配なことがあればすぐに連絡して安心できるようにした方が良いです。
(1歳女の子と5歳男の子のママ)

あまりに痛むので、定期検診の日に症状を話したところ、微弱陣痛だと言われて、入院をすすめめられました。
(4歳の女の子と小学3年生の男の子のママ)
【ケース1】ズキズキ・チクチク痛・生理痛のような腹痛

子宮が大きくなる過程での痛みだと思われます。左側だけ、右側だけ、足の付け根が痛むと言った症状が現れる人もいます。
子宮は一気に伸びることはできないので、数ヶ月かけて徐々に伸びていきます。この時に感じる痛みは、均一ではなく場所も位置もまちまちの場合があるのです。
対処法は?

安静にしてゆっくり過ごしましょう。
体がママになる準備を進めていますので、ここで体に負担をかけ激しく動いたり、必要以上に心配しストレスをかけたりするのは痛みが増す原因です。
【ケース2】下痢のときのような腹痛

ホルモンバランスの乱れが自律神経にも影響を及ぼし、下痢が起こったときのような痛みを感じることがあります。
対処法は?
基本的には、安静にして、痛みが治まるのを待ちましょう。
ただし、安静にしても痛みが続くようであれば、かりつけの産婦人科へ連絡をしましょう。出血がある場合は、早急に連絡しましょう。
【ケース3】ツーンとした腹痛

子宮は、収縮したりゆるんだりしています。
それを“ツーンとした痛み”と感じることがあります。
対処法は?
一時的であれば、基本的には、心配のない痛みです。
ただし、何度も続くようであれば、主治医の先生に相談しましょう。
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【ケース4】下痢・便秘を伴う下腹部痛

妊娠中の下痢・便秘は、ホルモン分泌が原因と考えられます。
妊娠中は、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が盛んです。このホルモンは、腸の働きを弱めてしまう働きや下腹部痛を引き起こす働きがあります。この影響で妊娠すると便秘や下痢の症状が現れる場合もあります。
対処法は?

- 水分補給を行う
- 適度な運動(ストレッチやウォーキングなど)を取り入れる
- 食物繊維(りんご、キウイ、ごぼうなど)を摂取する
- 乳酸菌(納豆、キムチ、ヨーグルトなど)を摂取する
- オリゴ糖を摂取する
といった対処をとりましょう。
妊娠中は、頑固な便秘に悩む方も多いです。
これはホルモンの影響なので仕方のない面もありますが、できるだけ腸の調子を整えて、対策をとりましょう。悪化すると痔になってしまう人もいます。
また、「下痢が止まらず、嘔吐を伴う」場合は、胃腸炎などの感染症にかかっている可能性があります。かかりつけの病院に連絡し、医師の指示を仰ぎましょう。
※水分補給は大事ですが、一気に大量の水を飲めば、腸に負担がかかることがあります。無理に大量に飲もうとせず、こまめな水分補給を心がけましょう。
【ケース5】腰痛を伴う腹痛

妊娠によるホルモンバラスの影響で、腰が痛くなることがあります。
また、妊娠中は腰に負担がかかる姿勢になりやすいので要注意です。
妊娠でお腹が大きくなると徐々に腹筋は左右に分かれていくので(腹直筋離開)、お腹に力を入れにくくなっています。そのため、知らず知らずのうちに以前とは違う立ち姿勢・座り姿勢になり、腰に負担がかかっている人がいます。
特に仕事を継続して行っている方は、よく動くので、動き過ぎてお腹が張ってしまうのと無理な姿勢での腰痛を伴う症状が現れる人がいます。
対処法は?


背筋を伸ばして、正しい姿勢を意識しましょう。
座るときは、椅子に深く腰掛けましょう。
正しい「歩き姿勢」3つのポイント
- 背筋を伸ばす
- 胸を張る
- お腹をひっこめる
の3つを意識しましょう。
正しい「座り姿勢」のとりかた
- 椅子に深く腰かける
- 手を上に伸ばす
- ”気持ちよい”と感じる程度に伸びる
- そのままゆっくり手を下ろす
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