妊娠初期に出血が続く…いつまである？原因は？無事に出産できる？

妊娠初期に出血が何日も続く…。
いつまで続くの？無事に出産できる？

「妊娠初期の出血はいつまで続くのか」について、お医者さんに聞きました。

問題ない出血と注意が必要な出血、対処法や病院受診の目安も教えてもらいました。

監修者

ロイヤルベルクリニック

浅野 仁覚 先生

経歴

【資格】
医学博士
公益社団法人　日本産科婦人科学会　産婦人科専門医

【略歴】
平成10年 福島県立医科大学医学部 卒業
社会保険二本松病院
南相馬市立総合病院
福島県立医科大学附属病院
東府中病院

著書：切迫早産、先天性サイトメガロウイルス感染症、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術など

妊娠初期の出血はいつまで続く？

妊娠初期の出血でよくみられるのが「着床出血」です。

妊娠4週目頃に起こり、2～3日で自然におさまることが多いです。

また、妊婦健診の初期検査でおこなわれる子宮頸がん検診では、子宮の入り口を専用の綿棒でこするため、検査後に少量の出血がみられることがあります。

しかし、出血は自然に止まることがほとんどです。

妊娠初期の出血は大丈夫？

出血の原因が、「着床出血」「子宮頸がん検査後の出血」の場合は心配しなくてよいでしょう。

着床出血は受精卵が子宮内膜に定着する過程で起こる出血で、妊婦さんの約30％にみられるものです。

妊娠初期の出血の程度が、

• 下着に付着程度の赤い出血
• 血やおりものの色が薄いピンク（出血が少ない）
• 血の色が茶色や黒っぽい（古い出血）
• 出血が数日で止まる

という場合は問題ないでしょう。

心配なケース

注意が必要なのが、「流産」「子宮外妊娠」による出血です。

また、「切迫流産」による出血にもやや注意が必要です。

切迫流産は流産のリスクがある状態を言います。

症状が軽い場合、出血は自然に止まることがほとんどです。リスクも小さいことが多いので、夜間に病院を緊急受診する必要はありません。

翌日以降に受診するか、次回の妊婦健診時に医師へ報告しましょう。

ただし、

• 血の塊を伴うような多くの出血がある
• お腹の痛みが強い

という場合は、危険性が高くなります。

かかりつけの医療機関に電話で相談してみるのもよいでしょう。

妊娠初期に出血が続いても無事に出産できる？

妊娠初期に出血が続いていて、無事に出産できるか心配です…。

妊娠初期に出血が続く場合、​子宮外妊娠（異所性妊娠）や稽留流産の可能性も​考えられます。
子宮外妊娠の場合、赤ちゃんが正常に育ちません。

• 生理の量くらいの赤い出血が続いている
• お腹の痛みが続いている・強くなっている

という場合は、早めにかかりつけの医療機関に連絡して受診しましょう。

妊娠初期の出血の原因

妊婦さんにとって、出血の原因がどれなのかは判断しづらいものです。

妊娠初期の出血で不安を感じる場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

妊娠初期にみられる出血の原因には、以下のものがあげられます。

着床出血

受精卵が子宮内膜に根を張り、子宮内膜の細い血管が傷つくことによって起こります。

子宮頚がん検診後の出血

子宮の入り口を専用の綿棒でこすって検査するため、その刺激で出血がみられることがあります。

切迫流産

流産の前触れとして、赤ちゃん（胎嚢）が子宮内膜から剥がれるため出血が起こります。

流産

早い時期に妊娠が終わることにより、子宮内の内容物が排出されるために出血が起こります。
その際、内容物の一部が残ってしまうこともあります。

稽留流産の場合は、子宮の中の胎児が亡くなっている状態ですが、自然排出される前には出血が続くことがあります。出血が起こるまでは症状は特にありません。

稽留流産の自然排出では、完全に胎嚢が排出（流産）されると出血は自然に減少しますので、慌てずにかかりつけの医療機関に連絡して相談してください。

子宮外妊娠（異所性妊娠）

子宮外妊娠とは、受精卵が子宮内ではなく卵管や卵巣など別の場所に​​定着した妊娠のことです。
子宮外妊娠の初期には、少量の出血や軽いお腹の痛みがみられることがあります。

そのまま放置すると、受精卵が成長して周りの組織を突き破って卵管破裂を起こしたり、流産して大量出血をお腹の中に起こすことがあります。妊婦さんの命にも危険が及びます。

【原因別】妊娠初期の出血の対処法

妊娠初期の出血の対処法は、原因によって異なります。

着床出血・子宮頚がん検診後の出血

出血が少量であれば経過観察でよいでしょう。

妊娠初期の切迫流産

緊急度はそれほど高くないため、基本的には翌日以降の受診で良いでしょう。

ただし、血の塊が出るなど多い場合は、すぐに受診した方がよいか、かかりつけ医に相談しましょう。

流産

残念ながら、流産を止める治療法はありません。

自然に内容物が排出されず残っている場合は、子宮内容除去術が必要になることもあります。

子宮外妊娠（異所性妊娠）

事前に子宮外妊娠が疑われている場合、緊急手術が必要な場合もありますので、早急にかかりつけの医療機関を受診しましょう。

こんな出血には注意が必要

妊娠初期の出血で注意が必要なのは、

• 出血の量が多い（生理の量くらい）
• 赤い出血が続いている
• お腹の痛みが強い
• 血の塊を伴うような多くの出血がある

というケースです。

病院受診の目安は？

多量の出血・強いお腹の痛みが続いている場合は、まずはかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

妊娠初期の出血が少ない場合も、次回の妊婦健診時に、医師へ報告をしましょう。

夜間の電話対応をしていないクリニックがかかりつけ医の場合は、近隣の分娩を取り扱っている産婦人科のある総合病院（夜間救急外来）へ連絡して相談してください。

病院では何を伝える？

妊娠初期の出血で受診の際には、以下のことを伝えましょう。

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