立ち上がった瞬間に「ふらっ」。
妊娠してから、「めまい・立ちくらみ」が増えた方へ。
お医者さんが、その原因を解説します。「予防対策としてできること」も紹介するので、ぜひ実践してみてくださいね。
妊娠初期のめまい・立ちくらみの「原因」
妊娠してから、めまいがひどいです。なぜでしょうか…?

ホルモンバランスの変化など、いくつかの要因が考えられます。
原因① ホルモンバランスの変化
妊娠するとめまいを感じるようになる人が多くいます。
妊娠をすると女性ホルモンの分泌量が増え、妊娠に前に比べホルモンのバランスが大きく変化します。これは、妊娠を継続させて、赤ちゃんのベッドである胎盤を作ったり、母乳を出したりする準備をしている状態であり、妊娠・出産にとってはとても大切なことです。
しかし、ホルモンバランスが急速に変わるので自律神経のバランスも乱れて、汗の調節ができなくなったり、のぼせたりといった変化が起こります。「めまい」もその一つです。
原因② 脱水
妊娠すると、水分の必要量が増えます。
妊娠すると血液量が一気に増えます。また、ホルモンの働きにより血管も広がります。
水分も妊娠前に比べて必要になりますが、飲む量がさほど変わらないと脱水気味となりめまいを発症する人がいます。
また、妊娠5~6週ごろからはじまる「つわり」で、飲食ができなくなり、脱水や低血糖状態からめまいを起こすことがあります。
原因③ 貧血
妊娠によって急に血液量が増えることで血液が薄くなり、貧血が原因となってめまいを発症する人もいます。
妊娠中は体内の血液量が増えるため、通常より鉄分補給が必要になります。栄養バランスを見直し、必要であれば産婦人科から貧血防止に鉄剤を処方してもらいましょう。
原因④起立性低血圧
起立性低血圧とは、立ち上がっ時に血圧が下がりすぎることによって起こります。
これは、妊娠すると血管の収縮・拡張が不安定になりやすいからです。
ふらつきやめまいなどの症状が起こります、横になるとすぐに回復します。
ふらつきがでたときの「対処法」

まずは落ち着いて、座るか横になるかしましょう。
無理に立っていると、頭から倒れたり、頭を打ったりして怪我の原因となります。
「予防対策」としてできること

立ち上がるときはゆっくりと!
めまいがしやすい時は、急に立ち上がることは避けましょう。机や椅子などの物に捕まってゆっくり立ち上がる癖をつけましょう。寝起き・入浴中はふらつきやすいので、何かにつかまって立ち上がる癖をつけましょう。
水分・鉄分をしっかり摂ろう!
水分をこまめに補給して脱水を避けます。
また、鉄分を多く摂取できる「しじみ、ひじき、納豆、小松菜」などを意識して多くとります。
また、ビタミンCは、鉄の吸収をアップさせるので、料理に生野菜やカットレモンを添えて一緒にビタミンCを摂れるようにしましょう。
めまい+寒気の対処法
体が貧血状態だと、寒気や冷感を感じることがあります。
鉄分・ビタミンCを意識した食事で、貧血対策をとりましょう。
体を冷やさないように「首、手首、足首」を出さない衣類を身につけ、エアコンを使い快適な室温を保ちましょう。
めまい+頭痛の対処法
貧血やホルモンバランスの変化で妊娠中は、頭痛を発症しやすくなります。
また、脱水を起こしていても頭痛は起こります。
水分補給と鉄分補給を行いましょう。また、頭痛があるときは、安静にして体を無理して動かさないでください。妊娠中でも飲める鎮痛剤もあるので病院に相談しましょう。
めまい+耳鳴りの対処法
貧血やホルモンバランスの変化で妊娠中は、耳鳴りを発症しやすくなります。
また、脱水を起こしていても耳鳴りが起こることがあります。
貧血・脱水対策をしましょう。また、日々の生活では、疲れやストレスを溜めないようにして、睡眠をたっぷりとるようにしてください。
めまい+吐き気の対処法
貧血やホルモンバランスの変化で妊娠中は、吐き気を感じることがあります。
また、脱水を起こしていても吐き気が起こる場合があります。
脱水・貧血の対策をしてください。また、妊娠すると胃腸が弱って吐き気を感じる人もいるので、よく噛んで、消化の良いものを食べるようにしましょう。あまりに吐き気が辛い時は、病院に相談して吐き気止めなどの薬をもらいましょう。
妊娠中の不調は、必ず医師に相談を

めまいや立ちくらみは、貧血や脱水のサインのことがあります。
妊娠してめまい・立ちくらみを感じることが多くなったら、必ず医師に相談してください。
その際には、「いつ頃から・何時くらいに感じやすい・どんな行動の時に起こりやすい・最近の食欲や体調」などを伝えられるようにしておきましょう。
特に激しい頭痛や手足のしびれ、呂律が回らない、意識障害など、他の症状もある場合はすぐに受診しましょう。
かかりつけの産婦人科を受診することが適切ですが、それ以外の際には、緊急なので救急車を呼んで対応しましょう。かかりつけ産婦人科以外を受診するときは、妊娠していることも伝えましょう。
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